1999年10月号Vol.13

【特集:CASE1】イントラネットを活用し組織的な情報管理体制を整備

企画調整課情報管理係 鈴木明彦係長

所在地
静岡県賀茂郡西伊豆町仁科401-1
電話
0558-52-1111
人口
8180人
面積
65.87平方キロメートル
URL
http://www.town.nishiizu.shizuoka.jp/

──情報公開法が施行され、市町村の情報公開が話題になっていますね。

鈴木 そうですね。西伊豆町では「情報をいたずらに秘匿すべきではない」という窪田町長の考えにより従来からも請求があればプライバシーなど秘匿すべき情報を除き一般的な行政情報は公開してきました。現在は条例制定の準備を進めているところです。ただ条例を制定しても、請求された文書を探し出すまでに膨大な時間と手間がかかるようでは話になりません。やはり、条例と並行して、行政情報を組織的に整理・保存し最終的に廃棄するまでの仕組みを作ることが重要でしょう。

──その点、西伊豆町ではいち早くイントラネットを導入されたそうですが?

鈴木 はい。以前はホストコンピュータを自己導入し電算化を進めていたのですが、平成6年頃〈5年後、10年後の町政のあるべき姿〉を想定した時に「変化へ柔軟に対応できるシステムが必要ではないか」と考えたんです。そこで平成八年に全庁的な基盤としてイントラネットを構築しました。

 イントラネットであれば、グループウェア機能を活用して情報をネット上で共有化することができるため、情報公開の仕組みとしても適しています。詳細はいま検討している段階ですが、過去の文書や外部文書についてもスキャナで取り込んでネット上で管理する方向で考えています。

時代を先取りする情報化戦略

──全庁的な基盤ということですが、システムをどう活用しているのでしょうか。

鈴木 現在、電子メール、電子会議、スケジュール管理などを行っているほか、例えば厚生省のホームページにアクセスして介護保険の最新情報を収集するなどインターネットをより便利な 道具 として活用する職員もいます。またWWWサーバ上にホームページを作成し、住民向けには広報や防災情報を、町外には観光情報などを提供しています。アクセス数は月に1000件と、市町村が提供するホームページとしては多くの人に利用されているようですね。

──導入の成果はいかがですか?

鈴木 業務の効率化はもちろんですが、職員のパソコンを扱うスキルが上がったことが何よりの成果でした。程度の差はありますが、うちでは課長以上の職員でパソコンを使えない人はいません。窪田町長も自らパソコンを操作してネットワークにアクセスするんですよ。

 正直いって導入当初は「まだ早すぎるのでは」という職員の声もありました。それでも「将来のために、いまから体制作りを始めよう」と各課にパソコンを二台ずつ配備し、パソコンを使わなければ仕事ができないようにしたんです。さらに最大の効果を得るためには職員一人ひとりに道具として使いこなしてもらわなければなりませんから、課長以上の職員を半ば強制的に研修へ参加させたりもしました(笑)。ところが、しばらくすると各課から「パソコンが足りない」という声が出てくるようになりました。現在、一・四人に一台の割合でパソコンがあるのですが、それでもまだ足りないと言われているほど。いまではホームページのコンテンツ(内容)の更新作成も各課の責任で行うまでになりました。

 もともとワープロ専用機を使っていた人が多く、下地はあったといえますが、この変化には驚きましたね。「トップが先頭にたってやらずに情報化の成功はありえない」と町長が率先してパソコンに向かった影響も大きかったと思います。

インターネットでの情報提供も視野に

──将来展望をお聞かせください。

鈴木 インターネットについては、情報公開の観点からも情報のバリアフリーを実現する一つの手段として期待されていますが、『通信白書』を見ても〈2003年に爆発的に普及する〉と予測していることから数年後には 電子行政 が現実のものとなることはほぼ間違いないでしょうね。

 また、当初はクライアント・サーバ(C/S)システムへの移行は平成16年頃を想定していたのですが、市町村を取り巻く環境は我われが予想した以上に早いスピードで変化しています。そこで今年、住民記録や税務などをC/Sへ移行しました。

 そうなってくると、職員にパソコンを扱うスキルがあるかどうかで行政サービスの質もまったく違ってきます。この差は大きいと思いますよ。

 情報公開に限らず地方分権や住民基本台帳ネットワークなど、ここ1~2年は市町村にとって将来に向けてシステム基盤を強化すべき時期といえ、我われも先行している強みを活かして、さらなるステップアップを目指したいですね。(松尾憲三郎)

トップが使いこなしてこそ情報化のメリットは大きい
西伊豆町長 窪田一郎

 情報公開をはじめ、介護保険制度や地方分権一括法の成立により、いよいよ本格的な地方分権時代を迎えようとしています。
 市町村にとっては、限られた時間の中で膨大な量の条例や規則などの制定・改廃が求められるわけですが、これら喫緊の課題に対応する一方で将来の姿をしっかりと見定め、職員の能力と意欲を十分に引き出すことができる組織と仕組みを整備する必要があります。いわば真に成熟した社会作りのために、市町村の意欲と力量が問われているわけです。いまこれを実行するかどうかは、おそらく5年後、10年後に市町村の総力の差となって現れてくるでしょう。
 これを支えるのが高度情報通信技術であることはいうまでもありませんが、職員がそれを道具として使いこなすだけの能力を身につけることが大切です。そのためには、トップの意気込みを明確に示すことも必要でしょう。庁内の情報化推進にあたり私が心がけたのは「率先垂範たれ」ということで、現在、私自身も稚拙ながらパソコンを活用しています。西伊豆町で基盤整備が順調に進んでいるのは、職員全員が自己研鑽した結果にほかなりません。(談)

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