2012年4月号Vol.86

【巻頭言】コンビニ交付で、より便利なサービスへ

静岡県清水町税務住民課課長 関 義弘

 清水町(人口31,777人/平成24年3月1日現在)は、静岡県の東部、伊豆半島の付け根に位置し、日本の東西を結ぶ交通の要衝地として栄えてきました。また町の中心を流れる柿田川は東洋一の湧水量を誇り、霊峰富士の雄大な眺望にも恵まれるなど豊かな自然を誇っています。

 加えて、清水町は県内で最も人口密度が高く、人口の約3割が通勤・通学によって昼間は町外で過ごすという地域特性をもっています。そうした住民の行動様式に合わせた行政サービスとして、今年8月、「コンビニにおける証明書等の交付」(コンビニ交付)へ取り組みます。

 清水町は、これまでにも平成10年の証明書自動交付機導入をはじめ、県東部の12市町と証明書を相互に発行(広域交付)したり、また防災センターへ出張所を設けて住民票の写し等の発行業務を行うなど、住民の利便性向上へ努めてきました。

 しかし、自動交付機や出張所によるサービスの維持・拡充を図るには、多くの人手やコストがかかります。そこで、現在の限られた人員・コストのなかで、将来にわたって住民に便利なサービスを提供し続けるために着目した手段が、コンビニ交付でした。

 その導入検討にあたっては、人員・コストの観点からLGWAN─ASPサービスを選択。また、財団法人地方自治情報センターの支援事業という“追い風”もありましたが、最終的に決断に至った要因はこれまでの行政が提供するサービスにはない“新たな付加価値”を住民に享受できると考えたことです。

 コンビニ交付によって、早朝から深夜まで日本全国どこからでも証明書等の取得が可能となり、住民の利便性は格段に向上します。清水町の場合、住民票の写しと印鑑証明の発行件数は年間3万件ほどで、うち約2割が自動交付機利用となっています。コンビニ交付の開始で窓口以外のサービス利用率はさらに高まるものと考えています。また、これにより、行政にとっても窓口サービスにかかる業務の負担軽減や効率化などが期待できるでしょう。

 住民の利便性向上という点では、今後、コンビニ交付で戸籍や税証明へ対応を図るほか、将来的には自動交付機によるサービスをやめ、コンビニ交付への一本化も視野に入れながら引き続き改善を進める計画です。また、これを機に住基カードを活用したさまざまなサービス展開を図るべく、まずは普及促進のためにカードの無料交付や、そのための専門チームを組織することも考えています。

 いま、社会保障と税の一体改革が議論されるなか、市区町村にとっては健康保険証などの機能を1枚にまとめた「番号カード」の動向も気になるところです。しかし、すでに社会インフラとなったコンビニエンスストアを利用したサービスが、今後、こうしたいろいろな制度も取り込んでいくものと期待しています。

 重要なのは、住民サービスの拡充につながることは積極的に検討し導入するという〝決断〟です。担当者としてはしんどいところですが、数年後には、必ずや「コンビニ交付をやってよかった」と実感できることでしょう。

※掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、取材当時のものです。

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