2012年7月号Vol.87

【ユーザー事例1】目指したのは、住民サービス・利便性の向上

基幹系ソリューション > 山形県真室川町

山形県真室川町 企画課長 庄司喜一氏

住所
山形県最上郡真室川町大字新町127-5
電話
0233-62-2111
面積
374.29平方キロメートル
人口
8,971人(平成24年6月1日現在)
URL
http://www.yume-net.org/
庄司喜一氏

庄司喜一氏

──真室川町におけるこれまでの情報化の取り組みについて教えてください。

庄司 真室川町では、平成13年に「第4次真室川町総合計画」を策定以降、地域インターネット事業を推進するなど住民のサービス・利便性向上を指向した情報化を進めてきました。例えば、町民が自由にパソコンを利用できる情報センターを開設したほか、平成19年には地域情報通信基盤整備事業を利用して光回線を町内全域に整備しました。町の9割が山林で、それまで山間部では高速な通信回線が利用できず情報格差も懸念されていたことから、誰もが同じ情報を得ることができる住民サービスの重要なインフラとして光回線を整備したものです。以来、光回線の利用促進へ取り組み、今年2月には光回線を利用した防災放送施設が完成し、町全域に緊急・定時放送を行っています。

クラウド導入の三つの狙い

──今年3月よりクラウド型の基幹系システムが稼働となりましたが、導入の狙いは何だったのでしょうか。

庄司 基幹系システムをクラウドに移行した狙いには、大きく三つあります。

 第一に、情報システムにかかるトータルコストの削減です。庁舎内でサーバを運用していれば担当者の人件費など直接的な経費のほか、エアコンの電気代やサーバ室のセキュリティ確保、災害対策などといった多くの間接的な経費がかかります。しかし、クラウド化することで、こうした情報システムの運用にかかるトータルコストを軽減することができます。

 昨年、節電対策として各種サーバの停止時間を22時から19時に短縮するとともに室内の温度調整用エアコン1台を停止したことで、消費電力を大幅に削減することができました。今年4月のクラウド移行後は庁舎からサーバがなくなったので、さらなる経費削減ができると期待しています。

 第二が、業務継続性の確保です。東日本大震災では幸い庁舎の損壊はなく住民データも無事でしたが、約30時間の停電に見舞われたこともあって、改めて業務継続の重要性を痛感しました。自然災害に限らず、停電などは日常的に発生する可能性がありますからね。そこで自家発電機を導入して停電による業務停止のリスクを軽減するとともに、クラウドシステムの活用によって万一、庁舎が壊滅的な状況となった場合でも業務を継続させ、データ確保が図られるようリスク分散をはかったものです。

 第三が、担当職員の負担軽減です。庁内にサーバ等を設置していると、その運用管理の手間がかかります。また、ハードウェアの保守・点検やソフトウェアの更新などは業務時間外に作業を行う場合がほとんどで、そのたびに職員が立ち会う必要がありました。さらにサーバ室への入退室の管理などの業務もありました。クラウド化により、こうした情報システムの運用管理にかかる作業を解消あるいは軽減することができます。

 これらによって、「クラウドの活用は結果的に住民サービスの向上になる」と判断し、基幹系システムの移行を決めました。

──リスク分散ということでは、回線切断等でクラウドサービスが利用できなくなった場合にも備えていると伺いました。

庄司 はい。回線トラブルなどでデータセンターと接続できなくなった場合に備え、基幹業務照会・発行用のサーバを庁内に設置しています。やはり、行政にとってこうしたリスク分散は、業務継続性の確保を図る上で重要な要素だと思いますね。

 また、現状では庁舎とTKCのデータセンターとの間は専用光回線で結んでいますが、LGWAN上で基幹系システムがスムーズに利用できるようになれば、より安全で低コストな環境が実現することになります。

団体個々の状況に応じた選択を

──基幹系システムのクラウド化により、データセンターで住民情報などを保管することに不安はありませんでしたか。

庄司 もはやクラウド化は、時代の流れです。また、いずれの自治体でもサーバ室のセキュリティ対策にはできる限りの手立てを講じていますが、専門のデータセンターにはとてもかなうものではありませんからね。クラウドの本稼働から2か月が経過しましたが、職員からはシステムのレスポンスを含めてまったく問題はないと聞いています。

 今回、真室川町では単独利用型のクラウドを採用しましたが、コスト削減策としては共同利用も有効だと考えています。そうした点で、ICTをどう活用するかは個々の団体の状況によると思います。今後データセンターの活用という点では、大量に保有している写真などについても万一に備えてデータ保管できるようになるといいなと考えています。

──今後の計画について教えてください。

庄司 真室川町では、昨年3月に「第5次真室川町総合計画」を策定しました。情報ネットワークの活用により、保健・医療・教育・防災など住民が日々の生活のなかで、これまで以上に利便性を感じられるサービスの実現に取り組んでいきたいと考えています。

 そして、その前提となるのが、さらなる生産性向上とともに職員にとっての利便性です。行政サービスの基本は“人”だと思います。クラウドサービスの活用で仕事の能率が向上すれば、結果的に住民サービスの向上につながります。住民が利用しやすい環境を提供し続けていくことが私たちの使命であり、最新のICTも活用しながら今後も柔軟な取り組みを進めていきます。

※掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、取材当時のものです。

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