2012年10月号Vol.88

【ユーザー事例2】次代を見据え、業務とシステムの変革に挑む

基幹系ソリューション > 茨城県筑西市

筑西市企画部 次長兼情報政策課長 古俣徹雄氏

住所
茨城県筑西市下中山732番地1
電話
0296-24-2111
面積
205.3平方キロメートル
人口
106,835人(平成24年9月1日現在)
URL
http://www.city.chikusei.lg.jp/
古俣徹雄次長

 古俣徹雄次長

──このほど基幹系システムを汎用機から、オープン系へ切り替えられました。

古俣 筑西市は、平成17年3月28日に1市3町(下館市・関城町・明野町・協和町)が合併し誕生したまちです。合併にあたり新市の基幹系システムは、旧下館市が利用していた汎用機に統合しました。その際、職員の要望をできる限り採り入れようとシステムを大幅にカスタマイズしたのですが、使い勝手を追求した結果、法改正や新しい技術を導入しようとするたびにシステム改修に多大なコストと手間がかかるという事態に陥りました。

 近年、筑西市でも大変厳しい財政状況が続いており、特に情報化コストの削減は大きな課題となっています。そこで平成21年度に「筑西市基幹系業務システム最適化計画」を策定し、基幹系システムの見直しを進めてきました。

 この「最適化計画」で重視したのは、(1)市民サービス向上に向けた拡張性確保、(2)最適化による業務効率化と職員負担軽減、(3)システム改修コストの適正化、(4)システムリテラシーの向上、(5)安全な移行と安定稼働の実現──の5点です。

システム選考者は400名の職員!

──なるほど。そのために留意された点は何ですか。

古俣 システムの移行にあたり留意したのは、「最終ゴールを明確にする」「周到に準備する」「庁内合意を得る」ことの3つです。まず最終ゴールとしては、平成24年度の住基法改正を目標に定めました。次に要求仕様書を策定するまでに各課ヒアリング、データ抽出費用の交渉を開始。システム決定後には帳票など現行業務との差異分析にも十分な時間をかけました。また臨時議会を開催し、今後の経費予測や業者選定方法を説明し、翌年の予算化への合意を得ました。なかで最も留意したのが庁内の合意形成です。

 なぜこの点にこだわったかというと、われわれの目的はシステムの切り替えではなく、それによって「市民サービスの向上」と「業務の効率化・標準化」を実現することにありました。また、コスト削減の点ではカスタマイズを最小限に抑え、パッケージシステムに業務を合わせていかなければなりません。そのためには、まず職員全員に、システム最適化の意義を十分理解してもらうことが大切です。結果的に、それが円滑なシステムの切り替えと業務の運用にもつながると考えました。そこで、早い段階から関係する多くの職員を巻き込んでいったんです。システム選考の際には約400名の職員が参加し、実務者の視点から操作性や機能面などを評価してもらいました。そして、最終的にTKCシステムの採用を決定(平成22年1月)し、今春に本稼働となりました。

──システムを刷新して、具体的にどんな効果がありましたか。

古俣 まず市民サービスの向上という点では、新システムの運用開始に合わせて「コンビニ納付(4税2料)」と「地方税の電子申告(住民税・固定資産税)」のサービスを開始しました。これらは順調に利用が進んでおり、例えばコンビニ納付では8月半ばの段階で納付全体の約2割を占めるまでとなっています。また、他社システムとの連携が進んだことで窓口業務が効率化され、この点でも間接的に市民サービスの向上へつながっているのではないでしょうか。

 庁内の視点では、何よりもシステムの運用・管理にかかる職員の作業負担が軽減されたことが大きいですね。例えば、前システムでは毎日の終了作業が必要でした。これに相当時間が取られるため、各課からの残業申請とシステム改修が重なる時期は深夜か休日出勤が常でした。

 以前、情報政策課全員の作業内容を時間単位で調べたことがあるのですが、印刷にも多くの作業時間が取られていたんです。納税通知書の印刷・製本には数日を要することもありました。しかし、今では大量印刷はTKCへのアウトソーシングで済みます。これはうれしい誤算でしたね。こうして負担が軽減された分、職員はシステム連携や他システムの管理など行政システム全体の効率化に時間を割けるようになったことも大きな効果といえるでしょう。

情報化コストは一般会計の1%以内に

──新しい基幹系システムが稼働して、いかがですか。

古俣 平成19年からシステムの見直しに着手して5年、29の業務システムを移行するという大仕事でしたが、結果的にスムーズにできたと思っています。汎用機メーカーの常駐SEの方からも「多くの移行例を見たが、最も上手くいった」といわれました。これは何よりもうれしい言葉でした。

 筑西市は今回、オープン系システムへ移行しましたが、汎用機と比べて一概に善し悪しを判断できるものではありません。きめ細かな機能など汎用機ならではの利点もありますからね。ただ、いま考えるとわれわれは自庁処理にこだわりすぎていたかな…と反省もしています。また、システムは生き物と似ています。新たな基幹系システムが稼働して半年を過ぎましたが、2年目までは何があるか分からない。当面はシステムの安定運用をしっかり見守っていきたいと思います。

 最適化計画で掲げたように、われわれが最終的に目指すのは住民サービスの向上や業務の効率化です。住民サービス向上の観点では今後、ペイジーなど収納手段の多様化やコンビニ交付といったサービスも積極的に導入していきたいと考えています。業務の効率化という点では予算、人材、施設、情報など総合的に調整し、全庁的な体制で検討を進める計画です。また、業務継続性の確保を考えれば、クラウド化も必要になるでしょう。

 マイナンバー制度など今後も市町村を取り巻く環境はめまぐるしく変化していくと思いますが、情報化コストは「一般会計予算の1%以内」を目安としながら、活力あるまちづくりの実現へ貢献していきたいと考えています。

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