2013年1月号Vol.89

【トレンドビュー】行政キオスク端末の意義と現在の取り組み

内閣官房情報通信技術(IT)担当室  内閣参事官 鈴木 一広

 「行政キオスク端末」とは、住民が各種証明書等(例:住民票の写し、印鑑登録証明書、戸籍謄抄本)の交付、各種申請手続等の行政サービスを利用するために、行政機関や民間事業者店舗等に設置される情報端末設備のことです。

 具体的には、次のようなものが挙げられます。

1.証明書自動交付機

 地方公共団体が行政窓口や公民館等に設置する自動交付機

2.コンビニに設置された複合機(マルチコピー機)

 平成22年2月から一部のコンビニエンスストアチェーンの店舗で行われている証明書交付サービスで利用される複合機

3.行政情報案内板

 地方公共団体が鉄道駅や観光名所等に設置する行政情報案内板(デジタルサイネージ等)

 証明書発行業務等の行政サービスについては、住民のニーズに応じたきめ細かいサービスによる一層の利便性の向上を図るとともに、行政における業務効率化、省力化等が求められています。

 その点、行政キオスク端末は設置場所の数や利用時間の長さの面で、より高い利便性を確保することが可能です。

 特に「コンビニエンスストアにおける証明書等の交付」(コンビニ交付)においては、サービスを実施している地方公共団体の住民であれば、全国のコンビニ店舗でお昼休みや夜間さらに休日でも、自分の都合に合わせて証明書等の交付を受けることができます。

 今後の電子行政の方向性としては、行政機関間のバックオフィス連携の進展に合わせて各種添付書類の削減を進めることが重要ですが、その実現には業務プロセス改革や制度の見直し等が不可欠であり、相当の期間が必要となります。そのため、証明書発行サービスは、地方公共団体の重要な行政事務として引き続き提供されることになるでしょう。

 『新たな情報通信技術戦略』(平成22年5月高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部決定)では、「2013年までに、コンビニエンスストア、行政機関、郵便局等に設置された行政キオスク端末を通して、国民の50%以上が、サービスを利用することを可能とする」とされています。このように行政キオスク端末は、行政サービスへのアクセス向上のため、有効に活用されることが期待されています。

コンビニ交付の拡大に係る取り組み

 政府は、行政キオスク端末のサービス拡大について、『行政キオスク端末のサービス拡大のためのロードマップ』(平成23年8月高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部決定/以下ロードマップ)を策定し、①導入自治体の拡大、②設置場所の拡大、③サービスメニューの拡大──の三つの施策に取り組んでいます。

 ここでは、行政サービスへのアクセス向上という観点で特に有効であり、最近その導入が増えてきているコンビニ交付について、拡大に係る取り組み状況を紹介します。

 サービス実施団体の拡大については、内閣官房、総務省および財団法人地方自治情報センターが、各種セミナー等での広報活動、関心の高い地方公共団体への個別説明等を実施しています。

 また、普及を軌道に乗せるためには人口規模の大きい政令市などの早期参加が重要となってくると考えられるため、内閣官房情報技術担当室も政令市を中心にヒアリング等を実施しています。

 こうした取り組みの結果、現在59団体においてコンビニ店舗で証明書等を取得できるようになっています(平成24年12月3日現在)。

 設置場所の拡大については、現時点で証明書交付に参加しているコンビニ事業者はセブンイレブンだけですが、他の大手コンビニ事業者も来春以降の参加を検討しています。また、セブンイレブンは、コンビニ店舗以外のセブン&アイグループの大型商業施設でのサービス提供も始めている状況です。

 さらにサービスメニューの拡大については、これまでに住民票の写し、印鑑登録証明書、税関係証明書、戸籍謄抄本および戸籍の附票の写しについてコンビニ交付が可能となっています。今後はコンビニで交付できる証明書を拡大すべく検討を進めていきます。

行政ポータルの抜本的改革と行政サービスへのアクセス向上工程表イメージ図

今後の計画

 いま『新たな情報通信技術戦略』で示された目標の実現に向け、工程表が策定されているところですが、最新の『新たな情報通信技術戦略工程表改訂版』(平成24年7月高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部決定)においても、「行政キオスク端末のサービス拡大に関する施策」として、ロードマップで示された三つの施策(「導入自治体の拡大」、「設置場所の拡大」、「サービスメニューの拡大」)が記載されています。

 また、『日本再生戦略』(平成24年7月31日閣議決定)の「(1)Ⅱ 環境の変化に対応した新産業・新市場の創出~科学技術イノベーション・情報通信戦略~」でも、「行政キオスク端末の普及促進」が国民本位の電子行政の実現を実施する内容として位置づけられました。

 内閣官房では、新たな取り組みとして、サービスメニュー拡大に関し、法務省等関係府省の協力を得て、登記事項証明書等の行政キオスク端末による交付に関する調査研究を進めています。これにより、平成25年度以降その検討結果を踏まえた具体的な取り組みを実施していくこととしています。

 また、導入自治体の拡大や設置場所の拡大に関する取り組みについても、引き続き実施していく予定です。

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