2013年7月号Vol.91

【トレンドビュー】子ども・子育て支援新制度の概要

内閣府 子ども・子育て支援新制度施行準備室

平成24年8月10日、国会において、子ども・子育て支援の新たな仕組みに関する三つの法律、いわゆる「子ども・子育て関連三法」が成立しました。三法とは、「子ども・子育て支援法」、「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律」、「子ども・子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」を指します。

新制度の主なポイント

 子ども・子育て関連三法に基づく子ども・子育て支援新制度(以下、新制度)の主なポイントは以下の3点です。

 1点目は、認定こども園制度の改善です。認定こども園は、保護者の就労状況等に関わらず、そのニーズに合わせて子どもを受け入れ、幼児期の学校教育・保育を一体的に行う、幼稚園と保育所の両方の機能を併せ持った施設です。また、子育ての不安に対する相談を受けることや、親子の集まる場所を提供するなど、地域の子ども・子育て支援の役割も果たすことが期待されています。

 認定こども園制度は平成18年に創設されたものですが、利用者から高い評価を受ける一方で、これまでの制度では、学校教育法に基づく幼稚園と児童福祉法に基づく保育所という二つの制度を前提にしていたことによる、認可や指導監督等に関する二重行政の課題などが指摘されてきました。

 今回の改正では、幼保連携型認定こども園を、学校及び児童福祉施設の両方の法的位置づけをもつ単一の施設として、認可や指導監督等を一本化することなどにより、二重行政の課題などを解消し、その設置の促進を図ることとしています。

子供お育て支援新制度開始までの流れイメージ図

 2点目は、認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付である「施設型給付」及び小規模保育、家庭的保育等への給付である「地域型保育給付」の創設です。新制度では、市町村には、その地域の子どもの幼児教育、保育、子育て支援の需要を的確に把握して、「市町村子ども・子育て支援事業計画」(以下、事業計画)を策定し、それらを踏まえて地域の需要に応じた給付・事業を行うことが義務付けられます。これらにより、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進することが可能となります。

 給付の創設等に併せて、従来の保育所などの認可制度を改善することにより保育の受け入れ人数を増やして、保育の量的拡大・確保を図り、待機児童の解消を行います。

 また、子どもの数が減少傾向にある地域でも、家庭的保育などの小規模な保育の活用などにより、子どもに必要な保育の提供を確保することが可能となります。

 3点目は、地域の子ども・子育て支援の充実です。保育が必要な子どものいる家庭だけでなく、全ての家庭を対象に地域のニーズに応じた多様な子育て支援を充実させるため、市町村の計画に基づき、子育ての相談や親子同士の交流ができる地域子育て支援拠点の数や、一時預かり、放課後児童クラブの受け入れ数を増やすなど、市町村が行う事業を「地域子ども・子育て支援事業」として拡充するとともに、財政支援を強化して、育児不安の解消などを図ることとしています。

 これらの取り組みにより、質の高い幼児期の学校教育・保育を総合的に提供し、地域の子ども・子育て支援を充実させ、子育てがしやすい社会を実現していきます。

 また、新制度の施行前であっても、喫緊の課題である待機児童解消のため、総合的な対策である「待機児童解消加速化プラン」により、地方自治体の取り組みに対し、国が万全の支援を行います。

子ども・子育て関連3法(平成24年8月成立)の趣旨と主なポイント

市町村の役割

 新制度は、基礎自治体である市町村が実施主体となり、地域のニーズに基づいて事業計画を策定し、子どものための教育・保育給付や地域子ども・子育て支援事業を実施するとともに、国と都道府県がこれを重層的に支える仕組みとなっています。このため、市町村においては、新制度の施行に向けてさまざまな準備を行っていく必要があります。

 当面の業務としては、国の「子ども・子育て会議」の議論を見つつ、①住民の幼児教育・保育等の利用希望の把握に向けた調査を実施するなど、事業計画の策定に向けた準備を進めること、②幼保連携型認定こども園や地域型保育事業の認可のための条例等の検討を進めること、③市町村の新制度に対応した業務を円滑に執行していくための事務処理システムの検討を進めること──などが挙げられます。さらに、事業計画などへの子育て当事者等の意見の反映をはじめ、子ども・子育て支援施策を地域の子ども及び子育て家庭の実情を踏まえて実施することを担保するため、地方版「子ども・子育て会議」を設置することが望まれます。

今後の予定

 新制度は、平成27年10月に予定されている消費税率10%への引き上げ時期に合わせ、早ければ平成27年4月に本格施行となる予定です。

 具体的には、平成25年4月から始まった国の「子ども・子育て会議」で基本指針や各種の基準等について検討を行い、その内容を踏まえ、市町村では事業計画の策定や条例の制定等を行い、平成26年秋以降、保育の必要性の認定や認定こども園・幼稚園の園児募集、保育所への入所手続などの事務を行うこととなります。

 新制度については内閣府のホームページでも最新情報を掲載していますので、併せてご参照ください。

※掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、取材当時のものです。

※掲載団体様への直接のお問い合わせはご遠慮くださいますようお願いいたします。

  • お客様の声
  • TKCインターネットサービスセンター「TISC」のご紹介