2014年1月号Vol.93

【巻頭言】IT活用で未来のまちづくりを!

茨城県企画部情報化統括監(CIO) 前田 正文

前田正文氏

まえだ・まさふみ
●1978(昭和53)年東京工業大学大学院卒、同年日立製作所入社、その後外資系銀行、外資系IT企業の管理職を歴任。2006(平成18)年より現職。

 茨城県と県内44市町村では電子自治体の推進でも早くから共同化の意識が浸透しており、県を挙げて取り組んできました。その成果の代表例が、県と市町村で利活用を進めてきた「いばらきブロードバンドネットワーク」や「統合型GIS」「電子申請・届出システム」等の整備です。

 平成25年夏には、いばらき自治体クラウド基幹業務運営協議会(茨城県常陸大宮市、那珂市、かすみがうら市、五霞町)が、財団法人地方自治情報センターの「平成25年度自治体クラウド・モデル団体支援事業」の事業実施団体に選定されました。そして26年度からは、この3市1町において自治体クラウドの共同利用が実際にスタートします。

 これは、23年度に県が県内市町村を対象に実施した「情報システム実態調査」をきっかけに、24年度には県と32市町村でワーキングチームを立ち上げ、自治体クラウドの共同利用に関してシステム要件や仕様整理などを検討し、その成果を受けて4市町が先陣を切って取り組むものです。

 クラウドによる共同化の最大の目的はコストの削減や住民サービスの向上、業務の効率化、情報セキュリティーの充実を図ることです。しかし、これをより広義に解釈すれば、地域活性化のための基盤づくりと捉えることができるのではないでしょうか。

 誰もが安全、安心、快適に暮らすことができる活力あるまちづくりには、クラウド化で一層のコスト削減や業務の効率化を図り、安定した行財政基盤を確立することが不可欠です。しかし大切なのはそれに加えて、次にどうつなげるかという視点を持つことです。その意味では、自治体クラウドも未来のまちづくりへの一つの通過点に過ぎません。

 平成28年には、新たな社会インフラとして「番号制度」もスタートします。これを契機にITを活用して住民や地域へどんなサービスが提供できるのか。医療や福祉、教育、産業振興、雇用などの分野でITの利便性をいかに享受できるようにするのか。いま自治体にはそうした視点が求められていると思います。

 茨城県では平成18年に『茨城県IT戦略推進指針』を策定し、「県民一人一人がうれしいと実感できる情報交流社会」の実現を目指し、快適で安全・安心な県民生活の実現や地域産業の活性化、電子自治体の推進、教育の充実を柱として各種施策を推進してきました。23年度からは、これをさらに加速させて「未来につながる地域にひろがるスマートいばらき」の実現という目標を掲げ、新たな取り組みも開始しています。

 とはいえ、それぞれの市町村は、地域特性や歴史・文化の生い立ちも異なります。その特性に応じた対応を行い、個々の市町村が地域に応じた未来のまちづくりを考えることが重要です。そのためにも、まずは近隣市町村をよりよく知るための勉強会を始めてはいかがでしょうか。自治体クラウドはもとより、業務改革や番号制度への対応などテーマはさまざまですが、そうした取り組みの中から新たな世界が開けていくのだと考えています。

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