2014年7月号Vol.95

【トレンドビュー】番号制度対応。27年度上期までが準備作業のピークに

──制度導入後までを見据えたTKCの支援策

付番開始まで残り1年半を切り、いよいよ番号制度導入に向けた準備が本格化する。だが、社会の関心はすでに「個人番号の利活用」へと移っており、市区町村では制度への対応に加えて導入後を見据えた取り組みも欠かせない。併行して「自治体クラウド」の導入も求められる中で、平成27年度上期までをいかに乗り越えるかが、「新たな社会基盤」成功の鍵を握っている。

埼玉県内で実施したマイナンバー研修会は、2あった。

 番号制度導入に向けた市区町村の主な作業をまとめると、図のようになる。こうしてみると平成27年上期までが一つのピークといえるだろう。限られた時間で、多くの部門が関わる膨大な作業となるが、「国民にとって利便性の高い公平・公正な社会を実現するための社会基盤の整備」という点でも、その責任は重大だ。

 当面の作業としては個人情報保護条例等の改正や業務体制の見直し、住基・税・社会保障など関連システムの改修などがあるが、その中で最も重要なのが「特定個人情報保護評価」であろう。これはマイナンバー法第15条の規定に基づき、特定個人情報ファイル(マイナンバーを含む個人情報ファイル)の保有・変更にあたってプライバシー等に及ぼす影響を予測・評価し、これを軽減する措置をあらかじめ講じるために実施するものだ。この作業は各業務システムを開発・改修する前に実施する必要があり、システム提供ベンダーの協力も欠かせない。

 当社では、平成24年10月に「番号制度対応推進室」を設置し、最新情報の発信やセミナー・研修会の開催などにより顧客市区町村の円滑な制度対応支援に取り組んできた。

 26年度においては、制度導入までに必要となる作業項目と想定スケジュール等を示した「作業工程表」と、個人情報保護条例等の改正に向けて「条例改正のポイント」を提供した。また、特定個人情報保護評価の支援としては6月に支援ツールを配布し、システムごとの基礎項目評価書記載例等も提示した。

 加えて現在、国から提供されている資料をもとに制度導入後の業務フローの分析を進めており、その結果を「業務概要説明書」として今秋に提供する予定である。

新世代システムを、今秋先行稼働

 さて、「世界最先端IT国家創造宣言」(平成25年6月閣議決定)において、地方公共団体は今後4年間を集中期間として「番号制度の導入」と併せて「自治体クラウド」の取り組みを加速するよう求められた。これを受けて、総務省も『電子自治体の取組みを加速するための10の指針』を公表。これらにより番号制度と合わせてクラウド導入の動きが一段と加速することが確実となっている。

 総務省の調査によれば、平成26年1月1日現在で基幹系システム(住民情報、税務、国民健康保険、国民年金、福祉関連システム)のいずれかでクラウド化を実施しているのは共同・単独利用を合わせて24%で、次期更新時には50%にまで増加すると予測している。

 ちなみに当社では平成24年3月より「TASKクラウドサービス」を提供し、現在、「埼玉県町村情報システム共同化推進協議会」(18町村)や「いばらき自治体クラウド基幹業務運営協議会」(4市町)など全国の市区町村で利用されている。他社に先駆けてサービスを提供したこともあって、当社基幹系システム利用団体のクラウド化率はすでに40%を超え、来秋には70%近くに達する見通しだ。今後、ベンダー各社が製品・サービスの充実を図るのは明らかで、そうしたこともクラウド推進の追い風になると考えられる。

 TKCでは番号制度対応に合わせて大幅な機能強化を図った「新世代TASKクラウド(番号制度対応版)」を来春より提供する。その最大の特長は、“全国の市区町村が共同で利用”する単一のパッケージシステムであることで、今年10月には複数団体へ先行提供を開始する予定だ。

 当社システムの設計・開発の基本方針は、お客さまの実務から発生する要望・提案等をもとに決定される。これは「業務のプロ」であるお客さまと「ICTの専門家」であるTKCとの協働により、より最適なシステムの提供を目指すという考え方に基づくものだ。新システムの開発にあたっても全国から150名を超える原課職員の皆さんの意見を伺った。

 その結果、新世代TASKクラウドでは統合宛名管理、付番・通知、番号利用、情報連携などといった制度対応に伴う機能の追加に止まらず、制度導入により業務フローが大幅に変わることを考慮して業務の標準化を支援する「ナビゲーション機能」を搭載。また、新たな住民サービスの創造に向けてタブレット端末など最新技術へよりスムーズに対応できるようにするなど、制度導入後を見据えた機能強化に取り組んでいる。

 来年夏には、市区町村の実務担当者が集まって個人番号の利活用も視野に業務等の分析・検討を行う「システム研究会」の発足も予定されており、当社ではその成果をもとにシステムをさらに進化させる計画だ。

 なお、新世代TASKクラウドは7月1日・横浜会場を皮切りとして全国17都市で開催する「TASKクラウドフェア」において初公開する。ぜひ、番号制度導入後の業務の在り方やクラウド導入を考える機会としていただきたい。

番号制度導入スケジュール

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