2015年1月号Vol.97

【トレンドビュー】コンビニ交付の現状と個人番号カード対応

地方公共団体情報システム機構 研究開発部(企画開発担当) 担当課長 佐藤勝己

コンビニ交付予定等の調査に見る自治団体・対象人口(累計)

※平成26年1月1日現在の人口をもとに算出

 コンビニ交付サービスは、住民が住民基本台帳カードを利用してコンビニエンスストア等の店舗内に設置されているキオスク端末から、市区町村が交付する証明書等を取得できるサービスです。平成28年1月以降は、個人番号カードも使用できるようになることから、住民サービスの付加価値の向上を図る手段としても注目されています。

 26年12月末現在で、コンビニ交付の取り扱い事業者は7社(セブン‒イレブン、ローソン、サークルKサンクス、ファミリーマート、Aコープ北東北、セイコーマート、イオンリテール)となっており、店舗数は4万5000店を超えています。

 また、サービスを提供している団体は91団体(26年12月末現在)となっています。27年2月までに新たに6団体の稼働が予定されており、約1983万人(全人口の15%以上)がサービスのメリットを享受できる見込みです。

 地方公共団体情報システム機構では、26年7月に全国の市区町村1741団体を対象に「コンビニ交付に関するアンケート調査」を実施しました。その結果を見ると、588団体がコンビニ交付を「実施予定」と回答しています。

 このうち395団体は「時期は未定」としていますが、残る193団体では「平成30年度までに実施予定」と回答しました。これにより近い将来、約4割(675団体)の市区町村がコンビニ交付サービスを提供することとなり、全人口の75%超の9624万人がそのメリットを享受できるようになります。

 「導入予定がない」と回答した団体では、費用の問題のほか地域内にコンビニ交付を取り扱う店舗が少ないことを理由に挙げています。しかし、取り扱い事業者は年々拡大していることからも、コンビニ交付サービス導入を検討する団体は今後さらに増加することが予測されます。

利用者にとってもより便利に

 積極的なサービス導入が見込まれる背景には、28年1月からスタートする個人番号カードの交付があります。これまでのコンビニ交付は住基カードの「条例利用」で実現していました。今後は、これに加えて、個人番号カードの「利用者証明用電子証明書」に対応する「公的個人認証方式」での利用も可能となります。

 これに伴い、市区町村のメリットとして、①ICカード標準システムの導入が必須ではなくなることで、導入時のコスト負担が軽減される、②証明書等自動交付アプリケーションをカードに搭載する必要がなくなり、カード交付に係る事務コストが削減できる、③証明書の種別ごとの暗証番号が不要となることで、パスワード管理に係る事務コストが削減できる、などが挙げられます。

 一方で利用者にとっては、①証明書等自動交付アプリケーションをカードに搭載する必要がなく、カード交付時間が短縮される、②利用者が個人番号カードを持っていれば、特段の手続きなしに利用できる、③証明書種別ごとの暗証番号が不要になる、などのメリットがあります。

 さらに対象となる証明書の種類も増えています。

コンビニ交付サービスイメージ図

 これまでの条例利用方式によるコンビニ交付サービスでは、住所地と本籍地が同じ市区町村の場合にのみ「戸籍証明書」「戸籍の附票」の交付が可能でした。現在、総務省では個人番号カードについて、住所地と本籍地が異なる場合でも、コンビニ交付サービスで戸籍証明書、戸籍の附票を取得できる機能を加えることを検討しています。

 これにより、コンビニ交付サービスの利便性はますます向上することが期待されています。

クラウドには特別交付税措置も

 コンビニ交付サービスを開始するには、基幹系システム(住基・税・戸籍)の改修や証明発行サーバの構築・改修、証明書交付センターへの接続などが必要です。

 これらの事業費については、個人番号カードを活用して、条例利用または公的個人認証方式で新たにシステムを導入・既存システムを改修する団体が、クラウド化の推進に資する場合に限り、「上限5000万円、2分の1」が特別交付税として措置されます。これには証明書交付のセンター運営費やコンビニの端末使用料なども含まれます。

 なお、「自治体クラウドの推進に資する場合」とは、①事業者の提供するサービスメニューによりクラウドを利用する場合、②自治体主体で構築したシステムを共同で利用する場合、③単独でシステムを導入する場合において、容易に①または②に移行することが可能な標準化されたパッケージソフトを導入し構築する場合̶̶となります。サービス導入を検討する団体では、ぜひご活用いただければと考えています。

◇   ◇   ◇

 コンビニ交付サービスを開始するには、サービス開始の半年前までに地方公共団体情報システム機構へ「証明書交付サービス参加申込書」と「総合行政ネットワークASPホスティングサービス接続申請書」を提出していただくことになります。

 なお、27年度は証明書交付センターの移設に伴い、既存参加団体と新規参加団体のシステム確認試験が予定されています。試験環境への受け入れ団体数が限られることから通常よりも混雑することが予想されます。この期間に新規導入を予定する団体では、できる限り26年度内に「証明書交付サービス参加申込書」と「総合行政ネットワークASPホスティングサービス接続申請書」の提出まで完了していただくようお願いいたします。

 詳細および不明点などは、地方公共団体情報システム機構までお問い合わせください。

※掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、取材当時のものです。

※掲載団体様への直接のお問い合わせはご遠慮くださいますようお願いいたします。

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