2015年10月号Vol.100

「新風」創刊100号記念

【取り組み】クラウド時代を支援するTKCの取り組み

近年、地方公共団体を取り巻く環境は劇的に変化してきた。
それにTKCがどう対応し、今後どう取り組もうとしているのかご紹介する。

株式会社TKC 執行役員 地方公共団体事業部営業本部長 吉澤 智

TKCの取り組み

 TKCは、その事業目的に「地方公共団体の行政効率向上による住民福祉の増進」と「わが国の会計事務所の職域防衛と運命打開」を掲げ、創業(昭和41年)以来、地方公共団体と会計事務所の二つの分野に専門特化した情報サービスを展開してきました。その取り組みは、まさに変化へのチャレンジの連続であったといえます。

 古くは昭和40年代半ば、電算化の目的が「住民税の賦課事務の省力化」が主流だった時代に、行政事務の合理化を図るために「住民情報を核として税務情報を連携させる」仕組みを提供。

 また、昭和54年には他社に先駆けて漢字処理ができる窓口専用システム「TASK80」を提供し、これにより当社のホストコンピュータと市区町村の業務システムをネットワークでつないだ分散処理の仕組みを構築しました。このネットワークサービスが、その後のICTの進化を経て現代のクラウドサービスへとつながっています。

 このように当社では、単にシステムやサービスの提供にとどまらず、各種サポートを通じてお客さまへ新たな経験や価値を創造し続けてきました。そうした取り組みの一つとして、情報提供にも注力しています。その一例が、今回100号となる『新風』の発行です。

電子申告では競合各社と連携

電子申告では競合各社と連携

 創刊した平成8年当時は、Windows95が登場し、インターネットが普及し始めていました。行政情報システムもオフコンからC/Sシステムへと移行が急速に進んだ頃で、小誌でも「ネットワーク社会における行政事務の課題」などを取り上げています。

 また、第50号(平成18年1月発行)が発行されたのは、「平成の大合併」を経て、e-Japan戦略による電子自治体の基盤整備も一段落し、「いつでも、どこでも、誰でもITの恩恵を実感できる社会の実現」を目指すIT新改革戦略が打ち出された時期でした。当時、小誌でもこの動きを特集しています。

 こうした時代環境の変化を背景に、当社では民間事業者として全国で初めて「LGWAN-ASPサービス接続資格審査・アプリケーション及びコンテンツサービス」(平成15年11月28日審査合格)へ登録し、他社に先駆けてASP方式による各種サービス/システムの提供へ取り組みました。

 またこの頃、国が進めていたオンラインの利用促進では、納税者と収税者双方の電子申告対応システムを開発・提供し、全国1万名を超える税理士・公認会計士で構成されるTKC全国会の「電子申告推進プロジェクト」と連携して、その普及促進へ努めました。

 特筆すべき点は、行政情報システムを提供する競合各社 43社と市場競争の枠を越えて連携したことです。こうした取り組みはかつてなかったことで、賛同してくださった各社の英断に改めて敬意を表します。そして、各社の強みを生かして市区町村をサポートした結果、いまや全国で地方税の電子申告が可能となっています。

そして新たなチャレンジへ

 いま、市区町村は超高齢化・人口減少社会というかつてない変化に直面しています。もはや社会保障の充実・安定化と財政健全化は待ったなしの状況です。

 そのための取り組みとして社会保障と税の一体改革が進められており、そのインフラとして整備されるのが「マイナンバー」です。また、財政健全化を図り、将来にわたって住民が安心して暮らせる基礎となる持続可能な財政を構築していくための取り組みが、「地方公会計改革」です。それぞれ密接に関連する二つの課題を解決するにはICTの活用が避けられず、その基盤となるのが「自治体クラウド」といえるでしょう。

 当社では、いち早くクラウドコンピューティングを積極的に活用したサービスを提供。また、栃木県、茨城県、埼玉県、大阪府、和歌山県の12市町で組織される「社会保障・税番号制度対応システム研究会」(会長:栃木県鹿沼市)の活動を事務局として支援してします。その研究成果も踏まえ、当社ではお客さま視点でシステム・サービスを提供し、市区町村の情報化へ「新たな価値の創造」の提供を追い求めています。

 今年3月に提供を開始した「新世代TASKクラウド」では、マイナンバー制度に対応するほか、ベテラン職員の皆さんの意見を採り入れて最適な業務プロセスを実現するとともに、業務に不慣れな方でも迷わずに操作できるようにしました。

 また、制度開始後の業務フローや帳票様式などをまとめた「業務概要説明書」の提供や出前勉強会やセミナー開催などにより、「これで制度に円滑に対応できる」という〝安心感〞も提供しています。同様の取り組みは、地方公会計制度改革における統一的な会計基準への移行の支援でも実施しています。

 さらに、住民サービスの高度化に向けてマイナンバーの活用が期待されており、当社でも新サービスの検討を急ピッチで住めています。

 例えば、「かんたん窓口システム」(仮称)は、住民がタブレット端末を操作して各種申請・届出を行えるもので、個人番号カードの活用により窓口での本人確認が不要となり、待ち時間も短縮させることができます。また、「証明書コンビニ交付サービス」についてもクラウド方式でのシステムを提供し、神戸市をはじめ多くの市区町村にご採用いただいています。この分野においては、競合各社と新たな連携も始まりました。

◇   ◇   ◇

 世界的に著名な経営学者P.F.ドラッカー博士は「変化はコントロールできない。できるのは、変化の先頭に立つことだけである」と述べています。

 創業50周年を迎え、TKCはこれからも変化の先頭に立って、「地方公共団体の行政効率向上による住民福祉の増進」のために、進化し続けてまいります。

※掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、取材当時のものです。

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