2026.04.28
自由に不妊手術等を受けることのできる地位確認等請求事件
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LEX/DB25627082/東京地方裁判所 令和 8年 3月17日 判決(第一審)/令和6年(行ウ)第102号
母体保護法は、3条1項において、医師が2条1項に規定する不妊手術を行うための要件について規定し、28条において、何人も、同法の規定による場合のほか、故なく、生殖を不能にすることを目的として手術等を行ってはならない旨を規定し、34条において、28条の規定に違反した場合の罰則について規定するところ、(1)原告ら4名が、同法3条1項、28条及び34条が違憲無効であるなどとして、被告に対し、公法上の当事者訴訟として、〔1〕主位的に、同法3条1項所定の要件の一部を満たさなくとも、医師による不妊手術を受けることのできる地位にあることの確認を求め(本件地位確認の訴え)、〔2〕予備的に、被告が、本件各規定を改廃しないことにより、原告ら4名が不妊手術を受けられるようにしないことが違法であることの確認を求める(本件違法確認の訴え)とともに、(2)原告らが、上記の改廃をしないという立法不作為が国家賠償法1条1項の適用上違法であり、これにより精神的苦痛を被ったとして、被告に対し、同項に基づく損害賠償として、それぞれ慰謝料及び遅延損害金の支払を求めた(本件国賠請求)事案で、本件地位確認の訴えは、法律上の争訟に当たり、確認の利益もあるが、憲法13条が、不妊手術を受ける権利又は自由を保障しているものとはいえないなどとし、本件において、本件違法確認の訴えが、当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、一般的・抽象的な立法不作為の違法の確認を求めるものではないというべき事情は見当たらないから、本件違法確認の訴えは、裁判所法3条1項にいう法律上の争訟に当たるということはできず、また、確認対象としての適格性があるとはいえず、確認の利益も欠くものといわざるを得ないとして、本件訴えのうち、違法であることの確認請求に係る部分を却下し、本件各規定は、憲法13条、24条2項に違反するものとはいえないなどとして、原告らのその余の請求をいずれも棄却した事例。
2026.04.28
損害賠償請求控訴事件

LEX/DB25627452/東京高等裁判所 令和 7年10月30日 判決(控訴審)/令和7年(ネ)第878号
控訴人(原告)は、第二種金融商品取引業者である被控訴人(被告)Y1社による取得勧誘に応じ、A社との間で匿名組合契約を締結し、A社を営業者とするファンドに出資をしたところ、A社が出資金を被控訴人(被告)Y3が代表者である被控訴人(被告)Y2社に貸し付け、被控訴人Y2社においてB社に貸し付けたが、B社による返済が滞ったため、控訴人は上記出資金の返還を受けられなかったことについて、控訴人が、被控訴人Y1社による上記出資の取得勧誘に係る表示に虚偽等があったために損害を被ったとして、これにつき被控訴人らは共同不法行為責任を負い、被控訴人Y3は会社法429条1項に基づく責任も負うと主張して、被控訴人らに対し、連帯して、出資金相当額からA社の破産手続における中間配当による配当額を控除した残額等の支払を求め、原審が控訴人の請求をいずれも棄却したことから、控訴人が控訴した事案で、本件各ファンドの取得勧誘は、客観的には金融商品取引業等に関する内閣府令117条1項2号所定の行為のうち、「虚偽の表示」をする行為に当たるということができ、そうでなくても「重要な事項につき誤解を生ぜしめる表示」をする行為に当たるというべきであるから、被控訴人Y1社が本件取得勧誘画面に虚偽表示がある状態で本件各ファンドの募集を行ったことについて、投資者である控訴人との関係で少なくとも過失があるというべきであり、被控訴人Y1社は、控訴人に対し、控訴人が本件投資によって被った損害を賠償する不法行為責任を負うと認められる一方、第二種金融商品取引業者である被控訴人Y1社と貸金業者である被控訴人Y2社との間に関連共同性があるとはいえず、共同不法行為責任を認めることもできないから、被控訴人Y2社の代表取締役である被控訴人Y3が、不法行為責任及び会社法429条1項の責任を負うとはいえないところ、控訴人の被控訴人Y1社に対する請求を前記の限度で認容し、その余の被控訴人らに対する請求はいずれも棄却すべきであるから、本件控訴に基づき、原判決中被控訴人Y1社に関する部分を変更し、その余の控訴を棄却した事例。
2026.04.21
行政処分取消請求事件
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LEX/DB25574887/最高裁判所第三小法廷 令和 8年 3月27日 判決(上告審)/令和7年(行ヒ)第25号
上告人(原告・被控訴人)が、その所持する本件ライフル銃をヒグマの駆除のために発射したところ、本件ライフル銃の所持についての許可を取り消す旨の処分を受けたため、被上告人(被告・控訴人)・北海道を相手に、本件処分の取消しを求め、第一審が上告人の請求を認容したところ、被上告人が控訴し、控訴審が、本件発射行為は、「建物等に向かってする銃猟行為」に当たるというべきであるとし、また、公安委員会の判断が、重要な事実を欠くか、又は社会通念に照らして著しく妥当性を欠くものとして認めることはできないから、同公安委員会の判断が裁量権の逸脱・濫用に該当するとはいえないとして、第一審判決を取り消し、上告人の請求を棄却したことから、上告人が上告した事案で、上告人は、市から出動の要請を受けて赴き、一旦はヒグマを逃がすことを提案したものの、職員から住民が強く要望していることなどを理由として駆除を依頼されたものであり、本件発射行為に際し、安土の確保等に関する基本的な判断を誤った可能性も否定できないが、本件発射行為は、非常勤の公務員によって、周辺住民等の生命、身体、財産及び生活環境の保護に資するという重要な意義を有する活動の一環として行われたものということができ、その経緯に不適切な点は見当たらないとしたうえで、上告人が個人として受けている本件許可を取り消すことは、上告人に酷な面があるのみならず、鳥獣被害対策実施隊員が有害鳥獣の捕獲等の活動を行うことや、さらには民間人が同隊員に任命されること自体をちゅうちょさせるなど、周辺住民等の利益の保護に資する同隊員の職務の遂行に萎縮的な影響を及ぼし、ひいては、上記特措法の趣旨に沿わない事態を招くおそれを生じさせるものと考えられるから、本件発射行為を理由として本件許可を取り消すべきとした北海道公安委員会の判断は、重きに失するものとして社会観念上著しく妥当を欠き、本件処分は裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法というべきであり、以上と異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決は破棄を免れないとして、原判決を破棄し、被上告人の控訴を棄却した事例(意見、補足意見あり)。