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実務・研究上重要と思われる「注目の判例」を
毎週ピックアップしてご紹介しています。

「注目の判例」バックナンバーへ

2026.09.15
損害賠償等請求控訴、同附帯控訴事件 new
「新・判例解説Watch」国際公法分野 令和9年1月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25640189/大阪高等裁判所 令和 8年 7月29日 判決(控訴審)/令和7年(ネ)第2273号 他
原告が、X(旧ツイッター)において被告が行った一連の投稿により、名誉を毀損され、プライバシー権及び肖像権を侵害されたなどと主張して、被告に対し、民法709条に基づき、慰謝料等550万円及び遅延損害金の支払を求めるとともに、人格権又は民法723条に基づき、上記投稿のうち現在も公開されている部分の削除を求め、原判決が、55万円及びこれに対する遅延損害金の支払並びに本件投稿〔2〕の削除を求める限度で原告の請求を認容し、その余の請求をいずれも棄却したところ、原告が控訴し、被告が附帯控訴した事案で、一連一体である本件各投稿は、原告の名誉を毀損し、原告のプライバシーに属する事実や自己の容ぼう等を撮影された写真をみだりに公表されない利益を侵害するものであり、全体として不法行為法上違法と評価すべきであるとしたうえで、原告の損害をあらためて算定し、原告に生じた損害は、合計88万円と認めるのが相当であるとする一方、削除請求の当否については、被告が、原判決言渡し後、本件投稿〔2〕についても削除したことが認められ、請求を棄却するのが相当であるとして、原判決を変更した事例。
2026.09.15
松橋事件国家賠償請求控訴事件 new
「新・判例解説Watch」刑事訴訟法分野 令和8年11月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25640192/福岡高等裁判所 令和 8年 7月27日 判決(控訴審)/令和7年(ネ)第333号
各一審原告が、一審被告らに対し、昭和60年1月に発生した本件殺人事件についての熊本県警の警察官及び熊本地検の検察官による捜査活動並びに熊本地検の検察官による公訴提起及び公訴追行等が違法に行われたため、亡aが損害を被ったと主張して、国賠法1条1項に基づき、賠償金(一審原告1につき4240万5404円並びに遅延損害金、一審原告2につき4240万5403円並びに遅延損害金)の連帯支払を求め、原判決が、各一審原告の一審被告国に対する請求を、それぞれ1190万5831円及び遅延損害金の支払の限度で認容し、一審被告県に対する請求をいずれも棄却したところ、一審原告らが一審被告県に対する請求を棄却した部分を、一審被告国が一審原告らの請求を認容した部分を、それぞれ不服として控訴した事案で、熊本県警の警察官が、亡aを逮捕するまでにした同人の取調べは、社会通念上相当と認められる方法ないし態様及び限度において許容される限度を明らかに逸脱したものといわざるを得ず、国家賠償法上も違法というべきであり、また、検察官は、本件公訴追行において、公訴を取り消し、又は無罪の論告をすることを怠ったのであるから、証拠の法廷顕出等検察官に課された義務に違反したものといわざるを得ないが、これは意図的に違反したのであれば犯罪的な行為であったとすらいい得るところであり、過失によって違反したものであったとしても甚だしい職務怠慢であったといわざるを得ず、いずれにしても合理的な判断過程により有罪と認められる嫌疑を有していたということはできないから、国家賠償法上、違法であることは明らかであって、付言すると、検察官は、本件袖片等の存在を明らかにせず、いわば握りつぶした形となっており、その結果、亡aの自白に至った取調べの違法性が看過されることになったもので、このような検察官の行動には失望を禁じ得ず、強く非難せざるを得ないとしたうえで、一審被告国のみならず、一審被告県もまた、同損害について賠償義務を負うというべきであり、各一審被告の債務は不真正連帯債務の関係にあるものと解されるとして、原判決を取り消し、一審被告国及び一審被告県に対し、連帯して損害を賠償することを命じた事例。
2026.09.08
賃料減額等請求控訴事件 
「新・判例解説Watch」民法(財産法)分野 令和8年10月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25640268/東京高等裁判所 令和 8年 3月 4日 判決(差戻控訴審)/令和6年(ネ)第3387号
地方住宅供給公社(地方公社)である被控訴人の賃貸する本件建物の一室の賃借人又は賃借人であった各控訴人及び令和5年8月に死亡した亡P1が、被控訴人に対し、〔1〕主位的請求として、被控訴人が平成16年4月から段階的に行った各室の家賃の改定に基づく家賃の変更のうち適正賃料を超える部分は効力を生じないなどと主張して、(ア)同月以降の適正な家賃の額の確認及び(イ)不当利得返還請求権に基づく改定後に支払った家賃の額と適正な家賃の額との差額相当額の返還をそれぞれ求め、〔2〕予備的請求として、控訴人らのした借地借家法32条1項に基づく家賃減額請求の効力が生じているなどと主張して、(ア)令和元年8月29日(控訴人らが被控訴人に対して家賃減額請求をした日)以降の適正な家賃の額の確認と、(イ)不当利得返還請求権に基づく同日以降に支払った家賃の額と適正な家賃の額との差額相当額の返還をそれぞれ求めた。第一審判決は、控訴人らと被控訴人との関係は、建物の賃貸借の関係であるものの、その家賃の額については、地方住宅供給公社法及び同法施行規則等の法令の規定を根拠として、被控訴人において、業務方法書を定め、家賃審議会の答申を受けて、市場家賃鑑定を経て激変緩和策を取った上で定めるものとされており、一般の賃貸借のように、賃貸人である被控訴人と賃借人である控訴人らとの間の合意によって定めることはできないから、その家賃の額の定めや増減変更に関する賃借人の権利を認める民法及び借地借家法の規定が適用されるとはいえないなどとして、控訴人らの前記各請求をいずれも棄却したところ、これを不服として、控訴人らが控訴し、控訴審判決は、原判決と同様、地方公社は、公社法24条の委任を受けた施行規則16条2項に基づき、その賃貸する公社住宅の家賃を変更することができ、同項は、借地借家法32条1項に対する特別の定めに当たるから、公社住宅の使用関係について、同項の適用はない旨判断した上、本件各家賃改定による家賃の変更は、施行規則16条2項に基づく有効なものであるとして、控訴人らの各控訴及び控訴人らの同審における拡張請求をいずれも棄却する旨の判決を言い渡したところ、これを不服として、控訴人らが更に上告及び上告受理申立てをしたが、最高裁は、上告審として受理する旨の決定をし、借地借家法32条1項の適用を排除した控訴審判決の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、控訴審判決を破棄し差戻したことによる差戻後の控訴審判決の事案で、控訴人らの被控訴人に対するこれまでの賃料の支払としての金員の交付は法律上の原因を有するものであると認められ、控訴人らの不当利得返還請求権に基づく請求はいずれも認められないとし、控訴人らの請求のうち、当審において取り下げられた訴え部分に係る請求を除く部分をいずれも棄却した原判決は結論において正当であり、控訴人らの本件各控訴を棄却し、また、控訴人らの当審における拡張請求も棄却した事例。