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公益法人会計・税務Q&A

公益法人会計でよくある質問と回答をご紹介

公益法人会計・税務Q&A

財務諸表

注記(関連当事者との取引の内容)について

【質問】
 財務諸表の注記の中に「関連当事者との取引の内容」記入欄があり、取引条件及びその取引条件決定方針等を記入することになっています。
 また(注17)3(2)において役員又は評議員に対する報酬、賞与及び退職慰労金の支払いは注記を要しないことになっています。
 当財団では、事務局の職員は全て設立者である会社からの出向者で、それらの人件費として、市場価額相当額を親会社に事務協力費として支払っています。役員に対する人件費が記入不要になっているほどですから、職員の人件費についても、この欄に記入不要と考えてよろしいでしょうか。
 この人件費以外では債権・債務・売上・原価になる取引はないため、結局この欄は記入不要という取扱いをしてもよろしいでしょうか。
【回答】
 ご質問の「事務協力費」は、一般にいうところの出向者に係る「給与負担金」であるものと思われます。
 貴財団にあっては、事務局の職員は全て設立者である会社からの出向者でまかなっていることから、その出向に関する業務や上記の負担金の係る契約が存在するものと思われます。
 ところで、ご質問の文面から判断すると、当該会社は関連当事者である「支配法人」に該当すると思われますが、ご質問にあるとおり関連当事者との取引のうち人件費関係の注記は不要とされています。
 その一方、事務協力費は人件費に該当しないのでその金額が重要性の判断基準によって、正味財産増減計算書における経常費用の100分の10を超えるときは、これを開示する必要があります。
【根拠となる法令等】
公益法人会計基準注解 17
公益法人会計基準の運用指針 6

※当Q&Aの内容は、個別の質問に対する回答であり、TKC全国会公益法人経営研究会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。