2022.06.14
損害賠償請求事件
★「新・判例解説Watch」環境法分野 令和4年8月下旬頃解説記事の掲載を予定しております★
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LEX/DB25572164/最高裁判所第二小法廷 令和 4年 6月 3日 判決 (上告審)/令和3年(受)第1125号 等
建物の解体作業等に従事した後に石綿肺、肺がん等の石綿(アスベスト)関連疾患にり患した者又はその承継人である被上告人らが、建材メーカーである上告人らに対し、当該疾患へのり患は、上告人らが、石綿含有建材を製造販売するに当たり、当該建材が使用される建物の解体作業等に従事する者に対し、当該建材から生ずる粉じんにばく露すると石綿関連疾患にり患する危険があること等(本件警告情報)を表示すべき義務を負っていたにもかかわらず、その義務を履行しなかったことによるものであるなどと主張して、不法行為等に基づく損害賠償を求め、原判決は、被上告人らの不法行為に基づく損害賠償請求を一部認容したため、上告人らが上告した事案において、上告人らが、石綿含有建材を製造販売するに当たり、当該建材が使用される建物の解体作業従事者に対し、本件警告情報を表示すべき義務を負っていたということはできないとして、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中、被上告人らの請求に関する上告人ら敗訴部分は破棄し、上記破棄部分のうち、被上告人X1の請求に関する部分については、原審の確定した事実関係によれば、同被上告人が石綿含有建材を使用する建設作業に従事していた時期があることから、損害の額等について更に審理を尽くさせる必要があるので、本件を原審に差し戻すこととし、また、その余の被上告人らの請求は、第1審判決は結論において正当であり、上記破棄部分のうち、同被上告人らの請求に関する部分につき、同被上告人らの控訴を棄却し、同被上告人らの原審で拡張した請求を棄却した事例。