2021.10.19
窃盗被告事件
LEX/DB25590629/佐賀地方裁判所 令和 3年 9月 2日 判決 (第一審)/令和2年(わ)第215号
被告人は、有料老人ホームで、同所従業員が同所北側出入口設置の棚内に保管していた同人所有又は管理の現金約3500円及び財布等17点在中の手提げバッグ1個(時価合計約1万円相当)を窃取したとして、懲役2年を求刑された事案において、本件防犯カメラの映像には、本件棚の扉が開閉されたのに動体検知システムが作動していない場面があるほか、画角内で人の動きがあったのに動体検知システムが作動していない場面が複数見受けられ、動体検知システムが作動して録画が開始されることの事実を認めるには疑問の余地がある上、被告人が犯人であるとすると不合理な行動をとっているから、弁護人が主張するように、被告人とE以外に本件棚の扉を開閉したがその様子が録画されなかった人物が存在する可能性があり、被告人が犯人であることにつき合理的疑いが残るとして、被告人に対し無罪を言い渡した事例。