注目の判例

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2019.05.21
間接強制決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件 new
LEX/DB25570221/最高裁判所第三小法廷 平成31年 4月26日 決定 (許可抗告審)/平成30年(許)第13号
相手方(妻)が、抗告人(夫)に対し、両名の長男の引渡しを命ずる審判を債務名義として、間接強制の申立てをし、原決定は、抗告人に対し、長男を相手方に引き渡すよう命ずるとともに、これを履行しないときは1日につき1万円の割合による金員を相手方に支払うよう命ずる間接強制決定をしたため、抗告人が許可抗告した事案で、現時点において、長男の心身に有害な影響を及ぼすことのないように配慮しつつ長男の引渡しを実現するため合理的に必要と考えられる抗告人の行為は、具体的に想定することが困難というべきであり、本件審判を債務名義とする間接強制決定により、抗告人に対して金銭の支払を命じて心理的に圧迫することによって長男の引渡しを強制することは、過酷な執行として許されず、権利の濫用に当たるとして、原決定を破棄し、原々決定を取消し、相手方の本件申立てを却下した事例(補足意見がある)。
2019.05.21
排除措置命令取消請求事件 new
LEX/DB25562718/東京地方裁判所 平成31年 3月28日 判決 (第一審)/平成29年(行ウ)第196号
農業協同組合が、自ら以外の者になすを出荷することを制限する条件を付けて、その組合員から、なすの販売を受託しており、これは不公正な取引方法に該当し、独占禁止法19条に違反するとして、同組合に対し、同法20条2項に基づき、公正取引委員会が、当該行為を行っていない旨を確認することなどを命ずる排除措置命令(本件命令)をしたところ、農業協同組合を吸収合併した原告が、本件命令には違反行為をした主体の認定に誤りがあり違法であるなどと主張して、被告(公正取引員会)に対し、本件命令の取消しを求めた事案において、上記行為が排除されたことを取引の相手方に確実に認識させる必要があると判断して本件命令をしたことが、合理性を欠き、裁量権の範囲を超え又はその濫用があったとはいえないとし、本件命令は「特に必要があると認めるとき」(独禁法20条2項、7条2項本文)に当たるとして、原告の請求を棄却した事例。
2019.05.21
準強制性交等被告事件(性的犯罪 父親に無罪) new
LEX/DB25562770/名古屋地方裁判所岡崎支部 平成31年 3月26日 判決 (第一審)/平成29年(わ)第549号 等
被告人は、同居の実子であるA(当時19歳)が、かねてから被告人による暴力や性的虐待等により被告人に抵抗できない精神状態で生活しており、抗拒不能の状態に陥っていることに乗じて、Aと性交しようと考え、会議室で、同人と性交し、もって人の抗拒不能に乗じて性交をした(平成29年11月7日付け起訴状記載の公訴事実)、及び、被告人は、同居の実子であるA(当時19歳)が、かねてから被告人による暴力や性的虐待等により被告人に抵抗できない精神状態で生活しており、抗拒不能の状態に陥っていることに乗じて、Aと性交しようと考え、ホテルで、同人と性交し、もって人の抗拒不能に乗じて性交をした(平成29年10月11日付け起訴状記載の公訴事実(但し,同年11月7日付け訴因変更請求書による訴因変更後のもの))事案において、Aが本件各性交当時に抗拒不能の状態にあったと認定することはできず、本件各公訴事実について、刑事訴訟法336条により、被告人に対し無罪を言い渡した事例。
2019.05.14
不当利得返還請求事件
「新・判例解説Watch」環境法分野 6月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25562586/宇都宮地方裁判所 平成31年 3月 7日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第403号
地方公共団体である原告が,被告(国)から補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律にいう補助金等を交付された後に、被告から当該補助金相当額である1億9659万0956円の納付を命じられ(本件納付命令)、同金員を被告に支払った(本件返納)ところ、本件納付命令は無効であるから、被告は本件返納により法律上の原因なく1億9659万0956円を利得し、原告は同額の損失を被ったものであると主張して、被告に対し、不当利得返還請求権に基づき1億9659万0956円の返還の支払等を求めた事案において、本件返納は、本件納付命令を根拠にするものと認められず、返還合意を根拠にするものとも認められないから、法律上の原因がないものと認められるとして、原告の請求を全て認容した事例。
2019.05.14
未払賃金等、地位確認等請求事件
LEX/DB25570206/最高裁判所第一小法廷 平成31年 4月25日 判決 (上告審)/平成29年(受)第1889号
被上告人(貨物自動車運送等を業とする株式会社)に雇用され、全日本建設交運一般労働組合関西支部(建交労組)に所属していた上告人が、被上告人に対し、労働協約により減額して支払うものとされていた賃金につき,当該減額分の賃金(平成25年8月から同26年11月までの支給分のもの)及びこれに対する遅延損害金の支払等を求めたところ、原審は、上告人の本件各未払賃金に係る請求を棄却したため、上告人が上告した事案で、被上告人と建交労組との間でされた本件合意により上告人の賃金債権が放棄されたというためには、本件合意の効果が上告人に帰属することを基礎付ける事情を要するところ、本件においては、この点について何ら主張立証はなく、建交労組が上告人を代理して具体的に発生した賃金債権を放棄する旨の本件合意をしたなど、本件合意の効果が上告人に帰属することを基礎付ける事情はうかがわれないため、本件合意によって上告人の本件各未払賃金に係る債権が放棄されたものということはできないとし、原判決中、本件各未払賃金に係る請求及びこれに対する遅延損害金の請求に関する部分を破棄し、当該賃金の請求に関する部分に係る第1審判決を取り消し、上告人の請求のうち、本件各未払賃金の元本221万2720円を請求する部分を認容した。また、上告人の請求のうち、本件各未払賃金に対する遅延損害金を請求する部分については、その遅延損害金の起算日について更に審理を尽くさせるため、同部分につき本件を原審に差し戻しを命じ、上告人のその余の上告を棄却した事例。
2019.05.07
強制わいせつ致傷、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(千葉県)違反、建造物侵入、傷害被告事件
LEX/DB25570196/最高裁判所第二小法廷 平成31年 4月19日 判決 (上告審)/平成30年(あ)第1333号
平成28年法律第54号による改正前の刑訴法157条の3、157条の4の各規定が憲法37条1項、2項前段、82条1項に違反しないとし、本件上告を棄却した事例。
2019.05.07
損害賠償請求事件(夫婦別姓訴訟 請求棄却)
LEX/DB25562555/東京地方裁判所 平成31年 3月25日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第217号
原告らが、戸籍上の氏が民法上の氏とは別個に存在することを前提に、現行の戸籍法において、日本人同士の婚姻により配偶者の氏を民法上の氏として称することとした場合に、婚姻前の氏を戸籍法上の氏として称することを認める制度が設けられていないことについて、そのことが、遅くとも、離婚後も離婚の際に称していた氏を称することを認める制度が戸籍法に設けられた昭和51年の段階、又は、日本人が外国人との婚姻の際に自己の氏を配偶者の称している氏に変更することを認める制度や、日本人が外国人との離婚の際に自己の氏を当該変更の際に称していた氏に変更することを認める制度が戸籍法に設けられた昭和59年の段階において、憲法13条、14条1項及び24条に違反する状態となっていたのであるから、法律の規定が憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反するものであることが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってその改廃等の立法措置を怠る場合に該当し、本件旧氏続称制度を設ける立法措置を執らないという国会議員の立法不作為が国家賠償法1条1項の適用上違法となるところ、原告らにおいて本件立法不作為により精神的苦痛を被った旨を主張して、被告(国)に対し、損害賠償として、原告ら各自に対し、それぞれ55万円(慰謝料50万円及び弁護士費用5万円)の支払等を求めた事案で、本件旧氏続称制度の不存在が憲法に違反しないなどとして、原告らの請求を棄却した事例。
2019.04.23
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25562529/広島高等裁判所 平成31年 3月28日 判決 (控訴審)/平成30年(ネ)第203号
弁護士である控訴人(原告)が、広島拘置所に勾留されていた被告人の弁護人として接見をした際、本件拘置所の職員の行為により控訴人の接見交通権が侵害されたと主張し、本件拘置所を設置・運営する被控訴人(被告・国)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等144万円の支払を求めたところ、原審が控訴人の請求を棄却したため、控訴人がこれを不服として控訴した事案において、被控訴人は、本件拘置所処遇部処遇部門の上席統括矯正処遇官(第二担当)看守長が、控訴人に対し音声の再生の中断を求めたことによって、控訴人が被った損害を賠償すべき責任を負うとして、原判決を変更し、控訴人の請求につき、被控訴人に対し22万円の支払を求める限度で一部認容した事例。
2019.04.23
損害賠償等請求事件 
「新・判例解説Watch」財産法分野 6月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25506542/東京地方裁判所 平成31年 3月22日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第4826号
知的障害者dが、被告の福祉型障害児入所施設を出て行方不明となり死亡するに至ったのは、被告の本件施設の利用契約上の債務不履行(入所利用者に対する安全配慮義務違反)又は被告自身若しくは被告の職員の過失によるものであると主張して、亡dの両親である原告らが、被告(社会福祉法人)に対し、債務不履行又は不法行為を理由とする損害賠償請求権に基づき、包括的慰謝料の支払等を求めた事案で、自閉症で重度の知的障害者であるdにおいても、一般就労を前提とした平均賃金を得る蓋然性それ自体はあったものとして、その逸失利益算定の基礎となる収入としては、福祉的就労を前提とした賃金や最低賃金によるのではなく、一般就労を前提とする平均賃金によるのが相当であるとしたうえで、逸失利益を算定し、原告らの請求を一部認容した事例。
2019.04.23
窃盗被告事件 
LEX/DB25562495/千葉地方裁判所 平成31年 3月19日 判決 (第一審)/平成29年(わ)第1545号
窃盗罪等により執行猶予付判決を受けていた被告人が、その猶予期間中に再度、窃盗した事件(カフェで店長管理のポーチ1個(販売価格200円)に及んだ万引き)で、実刑か再度の執行猶予かという量刑が争点となった事案において、被告人は、万引き自体に快感を覚えているわけではなく、相応の動機、目的で万引きを繰り返しているものと考えられ、食料品でもなく、換金価値もない本件ポーチを万引きしたという本件犯行の動機、目的について、被告人はよく分からない旨を供述するが、被告人の心情に照らせば、本件ポーチを欲しいと思ったものの、少しでも出費を減らして家計を助けたいという歪んだ動機、目的があったと考えるのがもっとも自然であるとし、被告人の行為責任が一定程度軽減されることに加え、諸事情についても酌むべき点が多々認められることも考慮し、懲役1年、保護観察付き執行猶予5年を言い渡した事例。
2019.04.16
固定資産評価審査決定取消請求事件
LEX/DB25570173/最高裁判所第三小法廷 平成31年 4月 9日 判決 (上告審)/平成30年(行ヒ)第262号
三重県志摩市所在の2筆の土地に係る固定資産税の納税義務者である上告人が、各土地につき、志摩市長により決定され土地課税台帳に登録された平成27年度の価格を不服として志摩市固定資産評価審査委員会に対し審査の申出をしたところ、これを棄却する旨の本件各決定を受けたため、被上告人を相手に、その取消しを求め、原審は、上告人の請求を棄却したため、上告人が上告した事案で、本件商業施設に係る開発行為に伴い本件各土地が調整池の用に供されており、その調整機能を保持することが上記開発行為の許可条件になっていることを理由に、本件土地の面積の80%以上に常時水がたまっていることなど、本件各土地の現況等について十分に考慮することなく、本件各土地は宅地である本件商業施設の敷地を維持するために必要な土地であるとして、本件各登録価格が評価基準によって決定される本件各土地の価格を上回るものではないとした原審の判断は、固定資産の評価に関する法令の解釈適用を誤った違法があるとして、原判決を破棄し、本件各土地のそれぞれの現況、利用目的等に照らし、本件各登録価格が評価基準によって決定される本件各土地の価格を上回らないか否かについて更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻した事例。
2019.04.16
謝罪広告等請求事件
LEX/DB25562521/東京地方裁判所 平成31年 1月21日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第16925号
近現代日本経済史の研究を行う歴史学者・経済学者が30余年以前に出版した著作に対して、同分野の歴史学者・経済学者から大学の最終講義及び著作の中で自己の論文等を剽窃・盗用したものであると指摘されたことが名誉毀損に当たるとして不法行為に基づき慰謝料及び謝罪広告等を求めた訴えについて、剽窃・盗用の事実に関する真実の証明はなく、また、真実と信じたことに相当の理由もないとして、名誉毀損の訴えが認容され、慰謝料請求が認められた事例。
2019.04.09
保有個人情報開示請求事件
LEX/DB25570114/最高裁判所第一小法廷 平成31年 3月18日 判決 (上告審)/平成29年(受)第1908号
被上告人が、銀行である上告人に対し、被上告人の亡母が提出した本件印鑑届書の情報は個人情報の保護に関する法律2条7項に規定する保有個人データに該当すると主張して、同法28条1項に基づき、本件印鑑届書の写しの交付を求め、原審は、被上告人の請求を認容したため、上告人が上告した事案において、相続財産についての情報が被相続人に関するものとしてその生前に個人情報保護法2条1項にいう「個人に関する情報」に当たるものであったとしても、そのことから直ちに、当該情報が当該相続財産を取得した相続人等に関するものとして「個人に関する情報」に当たるということはできないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼす明らかな法令の違反があり、原判決を破棄し、被上告人の請求を棄却した第1審判決は結論において正当であるから、被上告人の控訴を棄却した事例。
2019.04.09
強盗殺人、営利・生命身体加害略取、逮捕・監禁、死体損壊・遺棄、窃盗、住居侵入、窃盗未遂被告事件(堺市連続強盗殺人事件)
LEX/DB25570120/最高裁判所第三小法廷 平成31年 2月12日 判決 (上告審)/平成28年(あ)第1485号
被告人が金品を奪って殺害し死体を遺棄しようと企て、商業施設の駐車場で女性(当時67歳)を車に押し込み、車ごと連れ去って現金等を強取し、食品包装用ラップフィルムを頭部に巻き付けて殺害し、山林で死体を焼却するなどし、強取したキャッシュカードで現金自動預払機から現金5万円を引き出し、その1か月弱後に、知人の元会社役員である男性(当時84歳)から金品を奪って殺害しようと企て、同人方に宅配業者を装って侵入し、粘着テープ等で拘束するなどして現金等を強取し、ラップフィルムを頭部に巻き付けて殺害し、その後強取したクレジットカードで現金自動預払機から現金を引き出そうとしたが未遂に終わった事件で、第1審及び控訴審判決は死刑を言い渡したため、被告人が上告した事案で、被告人の刑事責任は極めて重大というほかなく、被告人が反省の態度を示していることなど、被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても、原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は、やむを得ないものとして、本件上告を棄却した事例。
2019.04.09
損害賠償請求事件
LEX/DB25562457/福島地方裁判所いわき支部 平成31年 2月19日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第176号
福島第一原子力発電所(本件原発)の従業員である原告Aの家族らが、被告(東京電力)に対し、平成23年3月11日に本件原発で発生した事故により避難を余儀なくされたと主張して、原子力損害の賠償に関する法律3条1項に基づき、慰謝料、避難帰宅費用の支払等を求めた事案において、原告Aの被告での異動は本件事故に起因するものと推認するのが相当であり、本件事故がなかったとしても被告が原告Aに同様の異動を命ずる業務上の具体的必要性があったことを基礎付ける事情を認めるべき証拠はなく、他にこの推認を妨げる事情を認めるべき証拠はないとし、原告らが、本件事故の発生から平成29年5月31日までの間、居住できず、原告らが有する生活地域内における居住を継続する利益が侵害されたことと本件事故との間には相当因果関係が認められるとして、原告らの請求を一部認容した事例。
2019.04.02
損害賠償請求事件
LEX/DB25570113/最高裁判所第一小法廷 平成31年 3月18日 判決 (上告審)/平成29年(受)第1492号
死刑確定者として拘置所に収容されている被上告人(原告・控訴人)が、拘置所長が定めた遵守事項に違反したことを理由に同所長等から受けた指導、懲罰等の措置が違法であると主張して、上告人(被告・被控訴人・国)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の支払を求め、原審は、被上告人の請求のうち所長又は職員の指導、懲罰等の措置の違法を理由とする各請求を一部認容したため、上告人が上告した事案で、所長等が、本件各行為が本件遵守事項に違反するとして、被上告人に対してした指導、懲罰等の措置は、国家賠償法1条1項の適用上違法であるとはいえないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、被上告人の各請求は理由がなく、これらをいずれも棄却した第1審判決は正当であるとし、上記部分につき被上告人の控訴を棄却した事例。
2019.04.02
接見等禁止の裁判に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25570108/最高裁判所第三小法廷 平成31年 3月13日 決定 (特別抗告審)/平成31年(し)第113号
傷害致死事件において、被告人が、本件で現行犯逮捕され、勾留、鑑定留置を経て起訴され、原々審は、検察官の請求により、第1回公判期日が終了する日までの間、被告人と弁護人又は弁護人となろうとする者以外の者との接見等を禁止する旨の決定をした。公判前整理手続では、主な争点は責任能力の有無に絞られ、検察官は、完全責任能力を主張するのに対し、弁護人は、飲酒と服用した薬の影響により、被告人に急性の意識障害が生じて、心神喪失又は心神耗弱の状態にあったと主張した。弁護人は、責任能力の鑑定を依頼したA医師及び被告人の妹について、罪証隠滅を疑うに足りる相当な理由はなく、公判における防御の準備のため接見等を行う必要が高いとして、接見等禁止の一部解除を申請したが、職権発動がされなかったことから、主位的に原々裁判を取消して接見等禁止請求を却下し、予備的にA医師及び被告人の妹を接見等禁止の対象から除外することを求めた準抗告を申し立てたところ、原決定は棄却したため、弁護人が特別抗告を申し立てた事案において、A医師については、特段の事情がない限り、被告人が接見等により実効的な罪証隠滅に及ぶ現実的なおそれがあるとはいえず、また、連日的な集中審理の公判に向けた準備を行う必要性が高いといえ、さらに、被告人の妹ら他の関係者についても、勾留に加えて接見等を禁止すべき程度の罪証隠滅のおそれの有無に関し、原決定が具体的に検討した形跡は見当たらないとして、原決定には、刑事訴訟法81条、426条の解釈適用を誤った違法があるとし、原決定を取消した上、本件を地方裁判所に差し戻した事例。
2019.04.02
最高裁判所裁判官国民審査無効請求事件
LEX/DB25570104/最高裁判所第三小法廷 平成31年 3月12日 決定 (上告審)/平成30年(行ツ)第185号
最高裁判所裁判官国民審査法36条の審査無効訴訟で、年齢満18歳及び満19歳の日本国民につき衆議院議員の選挙権を有するとしている公職選挙法9条1項が憲法15条3項に違反し、最高裁判所裁判官国民審査法4条により上記の者につき審査権を有するものとして行われた最高裁判所の裁判官の任命に関する国民の審査は無効であるとして、上告人が上告した事案で、審査人が、最高裁判所裁判官国民審査法37条1項所定の審査無効の原因として、年齢満18歳及び満19歳の日本国民につき衆議院議員の選挙権を有するとしている公職選挙法9条1項の違憲を主張し得るものとはいえないとし、本件上告を棄却した事例。
2019.04.02
発信者情報開示請求事件
LEX/DB25562304/東京地方裁判所 平成30年12月10日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第18743号
中学時代にいじめを受けた原告は、氏名不詳者において、被告S社、同N社、同K社(いずれも電気通信事業等を営む株式会社)を経由プロバイダとしながら、電子掲示板に原告が上記いじめの被害者である旨の記載を含む各記事を投稿したことにより、原告のプライバシーを明白に侵害されたとして、被告らに対し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づき、上記投稿をした者の氏名又は名称等、別紙発信者情報目録1ないし3記載の各情報の開示を求めた事案で、プロバイダ責任制限法4条1項に基づき、原告の被告S社に対する請求は、別紙発信者情報目録1記載1及び2の各情報の開示を求める限度で理由があるとして、一部認容し、原告の被告N社に対する請求及び原告の被告K社に対する請求は、いずれも理由があるとして、認容した事例。
2019.03.26
損害賠償請求事件
LEX/DB25570097/最高裁判所第三小法廷 平成31年 3月12日 判決 (上告審)/平成30年(受)第269号
統合失調症により精神科の医師である上告人の診療を受けていた患者が、中国の実家に帰省中に自殺したことについて、本件患者の相続人である被上告人らが、上告人には本件患者の自殺を防止するために必要な措置を講ずべき義務を怠った過失があるなどと主張して、上告人に対し、債務不履行又は不法行為に基づき損害賠償を求め、原審は、被上告人らの不法行為に基づく損害賠償請求を一部認容したため、これに不服の上告人が上告した事案で、上告人が、抗精神病薬の服薬量の減量を治療方針として本件患者の診療を継続し、これにより本件患者の症状が悪化する可能性があることを認識していたことを考慮したとしても、被上告人X1からの本件電子メールの内容を認識したことをもって、本件患者の自殺を具体的に予見することができず、上告人に、本件患者の自殺を防止するために必要な措置を講ずべき義務があったとはいえないとして、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、被上告人らの請求を棄却した第1審判決は結論において是認することができるとし、上記部分に関する被上告人らの控訴を棄却した事例。