注目の判例

「LEX/DBインターネット」の詳細は、こちらからご確認いただけます。

2018.07.10
許可処分義務付け等請求事件
「新・判例解説Watch」環境法分野 9月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25560541/水戸地方裁判所 平成30年 6月15日 判決 (第一審)/平成28年(行ウ)第9号
被告の知事が、原告がした国定公園の特別地域内における太陽光発電設備の新築の許可申請に対し不許可処分をしたため、原告が、被告に対し、同処分の取消し及び同申請に対する許可処分の義務付けを求める事案で、取消訴訟について、本件申請は、被告が主張するいずれの不許可事由にも該当しないというべきであり、そうであるにもかかわらず被告の知事が本件不許可処分をしたことについては、裁量権の逸脱、濫用があるといわざるをえないとして、取消訴訟に係る原告の請求は理由があるとし、また、義務付け訴訟についても、被告の知事が原告に対し本件申請を許可しないことは、その裁量権の範囲を超え又はその濫用となると認められるから、原告の本件申請に対する許可の義務付けの請求には理由があるとし、請求を認容した事例。
2018.07.10
「新・判例解説Watch」憲法分野 8月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25449514/東京高等裁判所 平成30年 5月18日 判決 (控訴審)/平成29年(ネ)第5012号
日本国憲法9条について詠んだ第1審原告の本件俳句がさいたま市立公民館が発行する「公民館だより」(本件たより)に掲載されなかったことについて、第1審原告が、本件たよりへの掲載と国家賠償を請求するとともに、控訴審において民法723条に基づく名誉回復措置の請求を追加した事案において、本件俳句には、第1審原告が憲法9条は集団的自衛権の行使を許容するものと解釈すべきではないという思想、信条を有していることが表れていると解し、これを本件たよりに掲載すると公民館の公平性・中立性を害するとの理由で掲載を拒否したのであるから、第1審被告の掲載拒否行為は、第1審原告の公民館の利用を通じた社会教育活動の一環としてなされた学習成果の発表行為につき、第1審原告の思想、信条を理由に、これまでの他の住民が著作した秀句の取扱いと異なる不公正な取扱いをしたものであり、これによって、第1審原告の人格的利益を違法に侵害したというべきであるとして、原判決を変更し、賠償額を減額した事例。
2018.07.03
請求異議事件
LEX/DB25560498/長崎地方裁判所 平成30年 6月 8日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第511号
原告(長崎県弁護士会所属の弁護士)が、解決金の支払義務を定めた別件訴訟の和解調書に基づく、被告(原告に雇用された元従業員:法律事務職員)に対し、別紙差押債権目録記載1から16までの債権に対する強制執行の不許を求めた事案において、本件解決金は全額弁済されいるか否かについては、本件全証拠によっても、本件解決金の全部又は一部が退職所得の性質を有していたと認めることはできず、この点に関する原告の主張は、採用することができないとし、また、本件和解調書に基づく強制執行が信義則違反については、強制執行が信義則違反又は権利濫用に当たるということはできないとし、原告の請求を棄却した事例。
2018.07.03
覚せい剤取締法違反、建造物等以外放火、非現住建造物等放火未遂、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反、窃盗被告事件
「新・判例解説Watch」刑事訴訟法分野 9月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25560354/さいたま地方裁判所 平成30年 5月10日 判決 (第一審)/平成28年(わ)第1038号 等
暴力団関係者との交友関係のある被告人の覚せい剤取締法違反、窃盗の罪においては、被告人が所持していた覚せい剤は6グラム以上と多量である上、被告人は18歳頃から断続的に覚せい剤を使用してきたものであり、覚せい剤に対する常習性、親和性は高いとし、また、窃盗の点をみると,被告人は第三者に指示されるがままに自動車を窃取したものであり,被害額は110万円以上と高額であり、被害結果は重大であるなどとし、懲役2年に処したが、建造物等以外放火、非現住建造物等放火未遂及び火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反の各罪においては、検察官が証拠とした本件撮影(〔1〕平成27年10月4日から平成28年5月19日までの間、被告人方近隣の私人管理場所の中にビデオカメラを設置し、データを保存する外付けハードディスクの交換時を除いて24時間連続で撮影を行ったこと、〔2〕撮影範囲は、主に被告人方前の公道及び被告人方玄関であったが,被告人方玄関ドアが開いた際には、ドアの内部の様子が映り込んでおり、ドアの内部の様子が撮影されていた時間が連続約25分間に及ぶこともあったこと、〔3〕警察官は,外付けハードディスクを交換した後,人や車の動きのある部分をパソコンにダウンロードして保存しており,この際明らかに無関係な郵便配達人等の映像は除いていたが,事件と関係のない人や車等の映像でも残されていたものがあった)が、類型的に強制処分に当たるとまではいえないものの、少なくとも平成28年の初め頃以降はその撮影の必要性が相当程度低下していたことは明らかで、それにもかかわらず長期間にわたって撮影を継続したこと自体不適切であった上、しかも本件撮影方法は他の類似事案と比べるとプライバシー侵害の程度が高いものであったと評価できることを考慮すれば、本件放火事件当時の撮影は、任意捜査として相当と認められる範囲を逸脱した違法なものであったと認められるとし、被告人に無罪を言い渡した事例。
2018.07.03
法人税更正処分等取消控訴、同附帯控訴事件
LEX/DB25560510/東京高等裁判所 平成30年 4月25日 判決 (控訴審)/平成29年(行コ)第334号 等
控訴人(兼附帯被控訴人・1審被告。国)は、被控訴人(兼附帯控訴人・1審原告)を死亡退職した元代表取締役の亡eへの退職慰労金(本件役員退職給与)の支給額4億2000万円を損金の額に算入して本件事業年度分の法人税の確定申告をしたが、これに対し、三条税務署長(処分行政庁)は、本件役員退職給与の額のうち不相当に高額の部分である2億0875万2000円については損金の額に算入されないことを理由として、被控訴人に対して、所得金額2億6683万3941円、納付すべき税額7814万4200円とする更正処分及び過少申告加算税822万円の賦課決定処分をしたため、被控訴人が、控訴人に対して、本件各処分の取消しを求めたところ、原審は、処分行政庁の調査に基づく本件平均功績倍率の3.26にその半数を加えた4.89に亡eの最終月額報酬額240万円及び勤続年数27年をそれぞれ乗じて計算される金額に相当する3億1687万2000円までの部分は亡eに対する退職給与として相当であると認められる金額を超えるものではなく,本件役員退職給与の額のうち「不相当に高額な部分の金額」は同額を4億2000万円から控除した残額の1億0312万8000円であることを前提として計算すべきと判断して、本件更正処分のうち所得金額1億6704万1941円及び納付すべき税額4820万6600円を超える部分並びに本件賦課決定処分のうち過少申告加算税の額372万9000円を超える部分をいずれも取り消したため、控訴人は、原審の本件各処分について一部取消しを認めた判断を不服として控訴し、被控訴人は、請求が一部認められなかった部分を不服として附帯控訴した事案において、本件更正処分のうち所得金額1億6704万1941円及び納付すべき税額4820万6600円を超える部分並びに本件賦課決定処分のうち過少申告加算税の額372万9000円を超える部分は、いずれも違法な処分として取消し、被控訴人のその余の部分はいずれも適法なものというべきであるとして、棄却した事例。
2018.07.03
各業務上過失致死被告事件
(保守管理会社の担当者 逆転無罪、シンドラーエレベータ事故 東京高裁)
LEX/DB25560511/東京高等裁判所 平成30年 3月14日 判決 (控訴審)/平成27年(う)第2179号
本件事故当時、被告人P1(エレベーター等保守管理会社の代表取締役)及び被告人P2(同社専務取締役)、被告人P3(同社メンテナンス部長)らをして、当該エレベーターの保守点検を実施させる体制を採るべき業務上の注意義務があるのに、これを怠り、そのような体制を採らず、エレベーター等保守管理会社がP5の管理を委託された財団法人からP5に設置されたエレベーターの保守点検業務を受託した際、その構造を把握できていないと思われる機種であるにもかかわらず、被告人P3らをして上記調査等を行わせず、同社保守点検員にその保守点検方法等を十分に理解させないまま、その保守点検を開始・実施させ、また、被告人P3は、エレベーターの保守点検を点検員に実施させるに当たり、その保守点検方法等につき十分な調査を行い、その調査結果に基づいて保守点検項目等を策定するとともに、点検員にその保守点検方法等に関して必要な情報を与え、それらを十分理解させた上、その保守点検を実施させるべき業務上の注意義務があるのに、これを怠り、上記調査等を行わず、約2か月後の平成18年5月25日に、5号機のかごが停止してかご及び乗降口が開いた際、ライニングの摩耗の進行によりプランジャーストロークが限界値に達していたため、かごの静止状態を保持することができず、かご及び乗降口の各扉が開いたままかごが上昇し、被害者をかごの床面と乗降口の外枠に挟ませて死亡させたとする事案の控訴審において、原判決の判断は、遅くとも平成18年5月25日時点で本件ライニングに異常摩耗が発生、進行していて、その日の定期点検で、点検員がそのことに気付くなどして本件事故を回避することができたことを前提として、被告人らの過失を認定しているものであるが、本件ライニングの異常摩耗の発生時期を推認させるとした事実の認定やその推認力の評価を誤るなどした結果、上記時点までに本件ライニングの異常摩耗が発生していたことを認めるに足りる証拠がないのに、その事実を認めて被告人らの過失を認定したものであって,経験則等に照らして不合理であり,是認することはできないとし、被告人らに本件公訴事実の業務上過失致死罪は成立しないと判断し、原判決を破棄し、被告人らに無罪の言渡しをした事例。
2018.06.26
各損害賠償請求控訴事件(みずほ証券等に対する粉飾決算損害賠償請求控訴事件)
LEX/DB25560345/東京高等裁判所 平成30年 3月23日 判決 (控訴審)/平成29年(ネ)第1110号
半導体製造装置の製作販売会社であるF社が、大規模な架空の売上げを計上して粉飾決算を繰り返した上、虚偽記載のある有価証券届出書を提出してマザーズ市場への上場を行ったところ、その後、証券取引等監視委員会の強制調査により上記粉飾決算の事実が明らかになり上記有価証券届出書等の虚偽記載が判明したことから、上場時の募集若しくは売出しに応じ、又は上場後の取引所市場においてF社株式を取得した第1審原告らが、F社の役員、F社株式の募集又は売出しを行った元引受証券会社、販売を受託した証券会社、当該売出しに係る株式の所有者(売出所有者)、第1審被告東証及び上場審査を担当する第1審被告自主規制法人に対し、それぞれ損害賠償を求め、原審は、第1審原告らの請求のうち、F社の役員に対する請求の全部及び元引受証券会社のうち主幹事証券会社であった第1審被告M証券に対する請求の一部を認容し、その余の請求をいずれも棄却したため、第1審原告らが棄却部分の認容を求め、F社の監査役であった第1審被告P1及び第1審被告M証券が認容部分の棄却を求めてそれぞれ控訴した事案において、第1審被告M証券の本件控訴に基づき、原判決主文2項を取消し、第1審原告ら(ただし、別紙損害一覧表の「A類型損害」欄の記載が0円である者を除く。)の第1審被告M証券に対する請求をいずれも棄却し、第1審原告ら及び第1審被告P1の本件各控訴を、いずれも棄却した。なお、訴訟承継前第1審原告らは、いずれも原審の訴訟提起後に死亡し、第1審原告訴訟承継人らが、当審で訴訟手続を承継したので、民事訴訟法257条により、原判決主文1項の第1審被告P1に関する部分のうち訴訟承継前第1審原告らに関する部分を更正した事例。
2018.06.26
再審請求事件(恵庭OL殺人事件第2次再審請求棄却決定)
LEX/DB25449442/札幌地方裁判所 平成30年 3月20日 決定 (再審請求審)/平成29年(た)第1号
殺人、死体損壊被告事件(申立人が、2000年3月に北海道千歳市、恵庭市又はそれらの周辺で、当時24歳の被害女性を殺害し、死体に灯油をかけ火を放って焼損しもって死体を損壊したというもの)について、申立人が、第二次再審を請求した事案において、確定判決等は、本件の犯人として想定し得る人物を絞り込み、これを請求人と特定するに至る間接事実が各々独立した形で少なからず存在し、そのようにして特定された請求人が犯行やそれに関連する一連の行動に及ぶことは不可能であるなどといった事情が認められないことから、請求人を本件の犯人と認定・判断したものであるところ、本件再審請求審において弁護人が提出した各証拠は、確定判決等が判断の根拠とした間接事実等の認定や評価に影響を及ぼすようなものではないから、請求人を犯人であると認めた確定判決等の事実認定に合理的な疑いは生じ得えないとして、本件再審請求を棄却した事例。
2018.06.19
地位確認等請求事件
LEX/DB25560138/松山地方裁判所 平成30年 4月24日 判決 (第一審)/平成27年(ワ)第224号
被告(農業機械、部品の組立、加工及び販売等を事業目的とする会社)との間で期間の定めのある労働契約を締結して就労している従業員である原告らが、被告と期間の定めのない労働契約を締結している従業員との間に、賞与及び物価手当の支給に関して不合理な相違が存在すると主張して、被告に対し、当該不合理な労働条件の定めは労働契約法20条により無効であり、原告らには無期契約労働者に関する賃金規程の規定が適用されることになるとして、当該賃金規程の規定が適用される労働契約上の地位に在ることの確認を求め、本件手当等については、主位的に、同条の効力により原告らに当該賃金規程の規定が適用されることを前提とした労働契約に基づく賃金請求として、予備的に、不法行為に基づく損害賠償請求として、実際に支給された賃金との差額の支払を求めた事案において、地位確認請求及び本件手当等についての主位的請求である労働契約に基づく賃金請求を棄却し、本件手当等についての不法行為に基づく損害賠償請求を一部認容した事例。
2018.06.19
損害賠償等請求事件
LEX/DB25560207/さいたま地方裁判所 平成30年 4月20日 判決 (第一審)/平成27年(ワ)第2174号
原告が、森林組合法に定められた森林組合連合会である被告連合会に対し、同被告がした懲戒解雇及び普通解雇は無効であるとして、雇用契約上の地位の確認並びに未払賃金及び未払賞与等の各支払を求めるとともに、被告らに対し、被告連合会の理事を務める被告理事らが、一体となって本件解雇を画策し、極めて悪性の強いパワーハラスメントを行い、被告連合会をして、本件解雇を行わせたとして、連帯して、慰謝料等の支払を求めた事案において、本件懲戒解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められず、懲戒権の濫用に当たるから、労働契約法15条に反し、無効であると示し、また、本件普通解雇も労働契約法16条に反し、無効であると示す一方で、被告連合会の原告に対する本件解雇は違法であるものの、被告理事らの原告に対する不法行為の存在は認められないなどとして、原告の請求を一部認容した事例。
2018.06.19
求償金請求控訴事件(酒提供は「ゴルフ場の過失」 ゴルフ場カート転落事故で認定 )
LEX/DB25549511/大阪高等裁判所 平成29年 7月14日 判決 (控訴審)/平成28年(ネ)第3237号
被控訴人が経営するゴルフ場において、乗用カートを運転していたDと同車に同乗していたCとが遭遇した本件事故について、Dの父と控訴人との間の自動車共済契約に基づき、控訴人が、同事故により負傷したCらに対して、共済金を支払ったが、本件事故は、昼食時にクラブハウス内のレストランでDに酒類が提供されたことにより発生したものであり、上記提供行為等はゴルフ場の施設利用契約に基づく安全配慮義務違反を構成するから、被控訴人は民法415条に基づく損害賠償義務を負うなどと主張して、控訴人が、被控訴人に対し、求償金を請求した事案の控訴審において、Dと被控訴人との間には共同不法行為が成立するが、それぞれの過失の内容を比較すると、Dの過失が著しく大きいのに対し、被控訴人の過失は極めて小さく、共同不法行為により生じた損害の一部を被控訴人に分担させることは公平の理念に合致するものではないとして、本件控訴を棄却した事例。
2018.06.12
未払賃金等支払請求事件
LEX/DB25449499/最高裁判所第二小法廷 平成30年 6月 1日 判決 (上告審)/平成28年(受)第2099号 等
有期労働契約を締結して上告人(1審被告。一般貨物自動車運送事業会社)において配車ドライバーとして勤務している被上告人(1審原告)が、無期労働契約を上告人と締結している正社員と被上告人との間で、無事故手当、作業手当、給食手当、住宅手当、皆勤手当、通勤手当、家族手当、賞与、定期昇給及び退職金(本件賃金等)に相違があることは労働契約法20条に違反しているなどと主張して、上告人に対し、(1)労働契約に基づき、被上告人が上告人に対し、本件賃金等に関し、正社員と同一の権利を有する地位にあることの本件確認請求とともに、(2)〔1〕主位的に、労働契約に基づき、平成21年10月1日から同27年11月30日までの間に正社員に支給された無事故手当、作業手当、給食手当、住宅手当、皆勤手当及び通勤手当(本件諸手当)と、同期間に被上告人に支給された本件諸手当との本件差額賃金請求、〔2〕予備的に、不法行為に基づき、上記差額に相当する本件損害賠償請求などを求めた事案の上告審において、原判決中、被上告人の平成25年4月1日以降の皆勤手当に係る損害賠償請求に関する部分を破棄し、被上告人が皆勤手当の支給要件を満たしているか否か等について更に審理を尽くさせるため同部分につき本件を原審に差し戻し、上告人の上告及び被上告人のその余の附帯上告を棄却した事例。
2018.06.12
地位確認等請求事件(定年後再雇用、待遇格差は不合理でない)
LEX/DB25506540/最高裁判所第二小法廷 平成30年 6月 1日 判決 (上告審)/平成29年(受)第442号
被上告人(被告・控訴人。セメント、液化ガス、食品等の輸送事業会社)を定年退職した後に、有期労働契約を被上告人と締結して就労している上告人(原告・被控訴人)らが、無期労働契約を被上告人と締結している従業員との間に、労働契約法20条に違反する労働条件の相違があると主張して、被上告人に対し、主位的に、上記従業員に関する就業規則等が適用される労働契約上の地位にあることの確認を求めるとともに、労働契約に基づき、上記就業規則等により支給されるべき賃金と実際に支給された賃金との差額及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、予備的に、不法行為に基づき、上記差額に相当する額の損害賠償金の支払等を求めた事案の上告審において、上告人らの主位的請求並びに精勤手当及び超勤手当(時間外手当)を除く本件各賃金項目に係る予備的請求をいずれも棄却した原審の判断は、結論において是認することができるが、他方、上告人らの予備的請求を棄却した原審の判断のうち、上告人らの上記各手当に係る予備的請求に関する部分を破棄し、精勤手当に係る上告人らの予備的請求については認容し、超勤手当(時間外手当)に係る上告人らの予備的請求については、上告人らの時間外手当の計算の基礎に精勤手当が含まれなかったことによる損害の有無及び額につき更に審理を尽くさせるため、原審に差し戻し、その余の上告を棄却した事例。
2018.06.12
建築変更確認取消裁決取消請求事件
LEX/DB25560274/東京地方裁判所 平成30年 5月24日 判決 (第一審)/平成28年(行ウ)第192号
原告らが建築主となって建築する共同住宅(本件マンション)の建築計画について、指定確認検査機関である株式会社都市居住評価センター(原処分庁)が、建築基準法6条1項前段に定める建築確認処分及び同項後段に定める建築計画変更確認処分をしたところ、被告参加人を含む本件マンションの周辺住民らが建築計画変更確認処分(本件処分)の取消しを求めて審査請求をし(26建審・請第1号審査請求事件)、東京都建築審査会(裁決行政庁)は、本件マンションの建築計画には条例違反の違法があるなどとして、上記審査請求を認容し、本件処分を取り消す旨の裁決をしたため、本件裁決により本件処分が取り消されたことにより本件マンションの建築工事を行うことができなくなったため、建築主である原告らが、被告(東京都)に対し、本件裁決の取消しを求めた事案において、本件マンションの建築計画が東京都建築安全条例32条6号に違反しているとした本件裁決の判断に誤りはなく、その他本件裁決に係る手続上の違法など原告ら及び同補助参加人の主張に係る違法事由はいずれも認められないとし、原告らの請求を棄却した事例。
2018.06.12
損害賠償請求控訴、仮執行の原状回復等申立事件
LEX/DB25560211/東京高等裁判所 平成30年 5月 9日 判決 (控訴審)/平成29年(ネ)第5411号 等
JASDAQ上場の株式会社である第1審原告(被控訴人)において激しい株主の多数派形成工作や支配権争いが繰り広げられていたところ、支配権争いに勝利した取締役らが経営する現在の第1審原告が、支配権争いに敗れた第1審被告(控訴人。第1審原告のかつての代表取締役)に対し、「第1審被告が株主提案による取締役解任等を求められている状況の下、自己保身のための対抗策を模索し、第1審原告の当時の代表取締役として、弁護士に法律事務を委任し第1審原告の費用負担で報酬を支払ったのは、取締役としての善管注意義務、忠実義務に違反する。」と主張して、会社法423条に基づき、弁護士報酬相当額2682万8392円の損害賠償の支払等を求め、原判決は、仮執行宣言を付して請求を全部認容したため、これに対し、第1審被告が控訴するとともに、民事訴訟法260条2項に基づき仮執行の原状回復等の申立てをした事案において、第1審原告の請求を理由がないから全部棄却すべきところ、これを認容した原判決は失当であり、本件控訴は理由があり,原判決を取消した上,第1審原告の請求を棄却するとともに、仮執行の原状回復等の申立てを一部認容した事例。
2018.06.05
婚姻費用分担審判に対する抗告事件
LEX/DB25560120/東京高等裁判所 平成30年 4月19日 決定 (抗告審)/平成30年(ラ)第125号
妻である相手方(原審申立人)が、夫である抗告人(原審相手方)に対し、婚姻費用分担金の支払を求める調停を申し立てたが、不調により審判手続に移行し、原審は、抗告人に対し、平成28年8月分から平成29年10月分までの未払婚姻費用分担金合計90万円及び同年11月から当事者の同居又は婚姻解消に至るまで毎月6万円の各支払を命じる旨の審判をしたため、抗告人は、これを不服として、本件抗告を申し立てた事案において、原審判を一部変更し、抗告人は、本件調停が申し立てられた平成28年8月から、毎月4万7000円を支払うべきところ、これを全く支払っていないから、平成28年8月から平成30年3月まで、20か月分合計94万円を直ちに支払うべきであり、平成30年4月1日以降は、当事者の同居又は婚姻解消に至るまで、毎月末日限り、月額4万7000円を支払うべきであるとした事例。
2018.06.05
固定資産税等課税免除措置取消(住民訴訟)請求事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 7月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25560133/那覇地方裁判所 平成30年 4月13日 判決 (差戻第一審)/平成29年(行ウ)第9号
那覇市の住民である原告が、当時の那覇市長が補助参加人(一般社団法人)に対して都市公園である松山公園の敷地内に久米至聖廟(本件施設)を設置することを許可し、その使用料を全額免除したことは政教分離原則(憲法20条1項後段、3項、89条)に違反し、本件免除は無効であるにもかかわらず、被告(那覇市長)は、違法に上記使用料の徴収を怠っているなどと主張して、〔1〕地方自治法242条の2第1項3号に基づき、被告が、松山公園の使用料を請求しないことが違法であることの確認を求めた差戻後第一審の事案において、本件設置許可等のうちの本件免除は、那覇市と本件施設とのかかわり合いが、我が国の社会的、文化的諸条件に照らし、信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものとして、憲法89条の禁止する公の財産の利用提供に当たり、ひいては憲法20条1項後段の禁止する宗教団体に対する特権の付与にも該当すると解するのが相当であるとし、また、本件免除は、憲法20条3項の禁止する国の機関たる地方公共団体による宗教的活動にも該当すると解するのが相当であるとして、被告が使用料のうち181万7063円を補助参加人に対し請求しないことの違法確認を求める原告の請求は全部理由があるとし、原告の請求を認容した事例。
2018.06.05
間接強制申立却下決定に対する執行抗告事件
LEX/DB25560121/東京高等裁判所 平成30年 3月26日 決定 (抗告審(執行抗告))/平成30年(ラ)第216号
抗告人(死刑確定者として拘置所に収容されている者)が、平成26年4月17日及び平成28年3月30日、相手方(国)に対し、再審請求の打合せを目的とする弁護士との面会につき、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律121条に基づき、職員を立ち会わせる措置を執る旨の処分をすることの仮の差止め等を申し立てたところ、東京地方裁判所は、平成28年12月14日、各基本事件について、再審請求の打合せを目的とする抗告人と弁護士との面会につき、仮に,職員を立ち会わせる措置を執る旨の処分をしてはならない旨の決定をしたが、本件は、抗告人が、東京拘置所長において、前記決定が相手方に送達された後である平成28年12月16日、同月22日、平成29年2月15日、同年3月2日、同月27日及び同年4月3日、同決定に反して、抗告人と再審請求の打合せを目的とする弁護士との面会につき、職員を立ち会わせる措置を執った旨主張して、間接強制の裁判を求める旨の申立てをしたところ、原審は、抗告人の本件申立てを不適法であるとして却下したことから、これに不服の抗告人が抗告をした事案において、抗告人の本件申立ては不適法であるからこれを却下すべきであるところ、これと同旨の原決定は相当であるとして、抗告を棄却した事例。
2018.06.05
(「性同一性障害」の被害者の胸触った男 控訴棄却)
「新・判例解説Watch」刑法分野 9月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25549755/大阪高等裁判所 平成30年 1月31日 判決 (控訴審)/平成29年(う)第1032号
被告人が、深夜、神戸市内の飲食店で、一人で飲食していたところ、被害者(戸籍上は男性であるが、性同一性障害との診断を受け、本件時も長髪で女性用の衣服を身に着けるなど一見すると女性に見える姿をしていた。)も被告人の知人女性に連れられて同店を訪れ、はじめは被告人とは離れた席に座ったが、知人女性のすすめもあって被告人の隣の席に座り、被告人と被害者は話をするなどし、その際、被告人が、被害者の膨らんだ胸部を着衣の上からつかんだか否かが問題となっている兵庫県迷惑防止条例違反の事件で、原判決は、被告人に対し、同条例違反の成立を認めたため、被告人が事実誤認及び法令適用の誤りであるとして控訴した事案において、原判決は、基本的に被害者の証言の信用性を認め、これと整合しない被告人供述は採用できないとしてその信用性を否定しており、そのような原判決の判断や判断方法に誤りはないから、被告人の供述が信用できないという結論は揺るがないとした上で事実誤認はないとし、また、原判示の被告人の行為が、「人に対して、不安を覚えさせるような」行為に該当するのは明らかであり、原判決の法令の適用に誤りはないとして、控訴を棄却した事例。
2018.05.29
審決取消請求事件(第1事件、第2事件)
LEX/DB25449408/知的財産高等裁判所 平成30年 4月13日 判決 (第一審)/平成28年(行ケ)第10182号 等
原告らの発明の名称を「ピリミジン誘導体」に係る特許の無効審判請求を不成立とした審決の取消訴訟で、訴えの利益、進歩性の有無等が争点の事案において、訴えの利益を認めた上、本件特許が進歩性の要件等を充足することを認め、原告らの請求を棄却した事例。