注目の判例

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2017.08.29
地位確認等請求事件 
LEX/DB25546332/仙台地方裁判所 平成29年 7月28日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第1517号
被告との間で労働契約を締結していた原告が、被告に対し、被告による懲戒解雇は無効であると主張して、労働契約上の地位の確認、未払賃金等の支払を求めた事案において、本件解雇は社会通念上の相当性を欠き、権利を濫用したものとして無効であり、原告は労働契約上の権利を有する地位にあることを確認すべきであるとした上で、解雇月の未払い賃金の日割り計算について請求額より減額して一部認容し、そのほかの月の未払賃金は請求額と同額にて認容した事例。
2017.08.29
傷害致死、監禁、傷害被告事件 
LEX/DB25546331/大阪地方裁判所堺支部 平成29年 7月19日 判決 (第一審)/平成28年(わ)第519号 等
A(当時3歳)の実母である被告人が、被告人方にて、Aに対し、何らかの熱源をその右頬、左肘付近に接触させるなどし、全治約10日間の右頬部熱傷、全治3~4週間の左肘部熱傷の傷害を負わせた後、夫と共謀の上、Aを浴室出入口ドアの内鍵つまみ部分が取り外された浴室内に入れ、外側から施錠して同外鍵にテープを貼って固定した上、棒を同ドアの外側にテープで貼り付け、その内側から解錠すること及び同ドアを開けることが著しく困難な状態にするなどし、同浴室から脱出することを著しく困難ならしめ、同人を不法に監禁したとして起訴された傷害致死、監禁、傷害被告事件において、夫の供述に被告人の供述を排斥するほどの信用性を肯認するのは躊躇せざるを得ないとし、検察官が指摘する重要事実を認めることはできないのであるから、被告人と夫との共謀は認められず、被告人に対する傷害致死の点については、その証明が不十分であり、犯罪の証明がないとし、刑事訴訟法336条により無罪を言い渡し、被告人に対する監禁の点については、被告人が、実母として本来守るべき立場にありながら、抵抗できない3歳の幼児を虐待したのであるから、幼少期における逆境的環境での体験が犯行に影響を及ぼしていることを踏まえても、なお厳しい非難に値し、やけどの程度は重篤なものではなく、監禁の態様も悪質性の高いものとまでは言えないことを考慮すれば、当然に実刑に処するべき犯情とまでは言えないとし、懲役2年6月、執行猶予5年(保護観察付き)を言い渡した事例。
2017.08.29
損害賠償請求控訴同附帯控訴事件
LEX/DB25546389/名古屋高等裁判所 平成29年 6月 1日 判決 (控訴審)/平成27年(ネ)第983号 等
被告会社(被控訴人兼附帯控訴人)が所有し、一審相被告cが運転する普通貨物自動車が、原告(控訴人兼附帯被控訴人)が同乗し、dが運転する普通乗用自動車に追突した交通事故について、原告が、被告会社及びcに対し、本件事故により高次脳機能障害、脳脊髄液減少症、胸郭出口症候群に罹患し後遺障害が残存した等と主張して、一審相被告cに対し民法709条、被告会社に対し民法715条及び自動車損害賠償保障法3条に基づき、連帯して、損害賠償金の支払等を求め、原判決は、原告の請求につき、一部認容、一部棄却したため、原告が控訴し(当審において請求を拡張し、また、cに対しては、その後控訴を取り下げた。)、被告会社が附帯控訴した事案において、原告の控訴に基づき、原判決の認容額を増額した形で変更し、その余の請求(当審における請求拡張部分を含む)を棄却し、被告の附帯控訴を棄却した事例。
2017.08.22
損害賠償請求控訴事件(アイドルのライブ オタ芸が迷惑 観客敗訴)
LEX/DB25546104/大阪高等裁判所 平成29年 4月27日 判決 (控訴審)/平成28年(ネ)第2617号
原告(控訴人)が、被告ら(被控訴人)に対し、アイドルグループgの一員である被告dらの生演奏の途中で大きな掛け声があり、演奏が聞き取れなかったことにつき、被告らは、gによる生演奏及びダンスを鑑賞するのに最適な環境を整える契約上の債務に違反するなどと主張して、損害賠償を求めたところ、一審で請求が棄却されたため、控訴した事案において、本件コンサートは、観客によるかけ声を全く許さないという前提で行われたものではないから、かけ声の程度を考慮しても、被告会社らは、本件コンサートにおいて、観客である原告に対し、演奏を鑑賞させるという本件コンサート契約所定の債務を履行したものと認めるのが相当であるとし、控訴を棄却した事例。
2017.08.15
要指導医薬品指定差止請求事件(薬のインターネット販売 一部規制は合憲)
LEX/DB25546307/東京地方裁判所 平成29年 7月18日 判決 (第一審)/平成26年(行ウ)第29号
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)で、店舗販売業者に対し、要指導医薬品の販売又は授与を行う場合には薬剤師に対面による情報の提供及び薬学的知見に基づく指導を行わせなければならないものとし、上記の情報提供又は指導ができないときは要指導医薬品の販売又は授与をしてはならないものとする各規定が設けられ、医薬品が要指導医薬品として指定されたことについて、インターネットを通じて店舗以外の場所にいる者に対する郵便その他の方法による医薬品の販売を行う事業者である原告が、本件対面販売規制は必要性及び合理性に欠ける規制であって憲法22条1項に違反するなどと主張して、〔1〕厚生労働大臣が行った製剤に係る要指導医薬品の指定の取消しを求めるとともに、〔2〕要指導医薬品である製剤につき、本件各規定にかかわらず郵便等販売をすることができる権利ないし地位を有することの確認を求めた事案において、本件訴えのうち、厚生労働大臣が行った本件製剤に係る要指導医薬品の指定の取消しを求める部分を却下し、本件対面販売規制を定める本件各規定は、立法府の合理的裁量の範囲を逸脱するものと断じることはできず、憲法22条1項に違反するものということはできないとし、また、本件各指定は、その指定の要件に欠けるものではなく、適法であるとして、原告のその余の請求を棄却した事例。
2017.08.15
保全異議申立決定に対する保全抗告事件(平成29年1月13日徳島地方裁判所(平成28年(モ)第61号)の抗告審)
LEX/DB25546306/高松高等裁判所 平成29年 7月21日 決定 (抗告審)/平成29年(ラ)第11号
抗告人(原審債権者)が、相手方(原審債務者)が管理・運営するインターネット上の検索エンジンサービスにおいて抗告人の氏名等を入力して検索をすると、URL並びにウェブサイトの表題及び抜粋から成る検索結果において、抗告人の犯罪歴に関する情報が表示されると主張して、人格権ないし人格的利益に基づく妨害排除請求権を被保全権利として、相手方に対し、基本事件の仮処分決定(原々決定)添付の本件検索結果表示について仮の削除を命じる仮処分を申し立て、原々決定は、本件検索結果表示について仮の削除を命じたが、これに対して相手方が保全異議を申し立て、原々決定の取消し及び同取消しに係る申立ての却下を求めたところ、原審(異議審)は、原々決定を取り消して、同取消しに係る申立てを却下する旨の原決定をしたため、これを不服とする抗告人が、本件抗告をし、当審で、著作権法47条の6に基づく権利を被保全権利として追加する旨主張した事案において、当抗告審も原々決定を取消し、同取消しに係る申立てを却下するのが相当であると判断し、抗告を棄却した事例。
2017.08.15
保全異議申立事件(平成29年7月21日高松高等裁判所(平成29年(ラ)第11号)の原審)
LEX/DB25546305/徳島地方裁判所 平成29年 1月13日 決定 (第一審)/平成28年(モ)第61号
基本事件(投稿記事削除仮処分命令申立事件)は、債権者が、債務者が管理・運営するインターネット上の検索エンジンサービスにおいて債権者の氏名等を入力して検索をすると、債権者の犯罪歴に関する情報が検索結果として表示され、このままでは債権者が重大な損害を受けるおそれがあると主張して、人格権に基づく妨害排除請求権を被保全権利として、債務者に対し、原決定の検索結果表示目録1から17までに記載の本件検索結果表示の仮の削除を求め、原決定は、本件検索結果表示を仮に削除することを債務者に命じたところ、債務者が保全異議を申し立てた事案において、債権者が本件有罪判決後現在に至るまで罪を犯すことなく生活していることその他の債権者の主張を考慮してもなお、債権者が本件犯罪に係る情報を実名で公表されない利益がその余の利益に優越するものとはいうことはできず、債権者が本件検索結果表示の削除請求権を有するものとは認められないとして、投稿記事削除仮処分命令申立事件について、地方裁判所が平成28年6月23日にした仮処分決定を取り消し、債権者の仮処分命令の申立てを却下した事例。
2017.08.08
損害賠償請求控訴事件 
「新・判例解説Watch」H29.9月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25546145/大阪高等裁判所 平成29年 7月14日 判決 (控訴審)/平成28年(ネ)第3239号
被控訴人(原審原告)が、控訴人(原審被告。松原市)の設置管理する公園につき使用許可申請をしたところ、控訴人の市長がこれを不許可と決定したため、本件不許可決定は集会の自由を定める憲法21条1項に違反し、かつ、市長の裁量権を逸脱濫用したもので違法であると主張して、控訴人に対し、国家賠償法1条1項に基づき、財産的損害及び非財産的損害の賠償等を求め、原判決は、被控訴人の請求を一部認容し、その余の請求を棄却したところ、敗訴部分を不服として控訴人が控訴した事案において、被控訴人の請求は原判決が認容した限度で理由があり、原判決は相当であるとして、控訴を棄却した事例。
2017.08.08
遺族補償給付等不支給処分取消請求控訴事件 
LEX/DB25546140/東京高等裁判所 平成29年 7月11日 判決 (控訴審)/平成28年(行コ)第77号
主に観光バスの運転手の業務に従事していた亡P4が、業務上の事由により脳出血を発症したとして、療養補償給付及び休業補償給付の支給を請求し、亡P4の死亡後に、同人の妻である被控訴人(原審原告)が、遺族補償年金、葬祭料及び労災就学援護費の支給を請求したところ、処分行政庁(労働基準監督署)が、〔1〕平成22年3月31日付けで療養補償給付及び休業補償給付を支給しない旨の決定を、〔2〕同年10月13日付けで遺族補償年金、葬祭料及び労災就学援護費を支給しない旨の決定をそれぞれしたことから、被控訴人が、これらの決定は違法であるとして、控訴人(原審被告。国)に対し、その取消しを求めたのに対し、原審は、本件訴えのうち本件労災就学援護費不支給決定の取消しを求める部分を却下し、その余の本件各処分の取消しを求める請求を認容したところ、控訴人が敗訴部分について控訴した事案において、本件疾病について業務起因性は認められないから、本件各処分は、いずれも適法であると認められ、被控訴人の本件各請求を棄却すべきところ,これらを認容した原判決は相当でないとし、原判決を取消し、被控訴人の各請求をいずれも棄却した事例。
2017.08.08
未払時間外手当金等請求事件 
LEX/DB25546139/佐賀地方裁判所 平成29年 6月30日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第261号
被告会社(日本郵便株式会社)との間で、期間雇用社員(有期契約労働者)として労働契約を締結し、同社の運営する郵便局で郵便の集配業務等に従事していた原告が、被告会社に対し、時間外割増賃金の支払や年次有給休暇使用分の各賃金等の支払、並びに、被告会社に対し、使用者責任又は安全配慮義務違反に基づく、年賀はがき等の販売未達成の自費商品買取り強要行為に関する損害や暴言及び暴行に関する慰謝料等の支払を求めた事案において、原告の主張のうち、昼の休憩時間中の時間外労働に関する部分は、一部理由があり、原告の服の襟を掴むなどの行為が被告会社の職務に際して被用者の不法行為と認められ、被告会社は使用者責任を負うなどとして、一部認容した事例。
2017.08.08
窃盗被告事件 
LEX/DB25546108/奈良地方裁判所葛城支部 平成29年 6月19日 判決 (第一審)/平成27年(わ)第4号
被告人が2度にわたりトラクターを窃取した事案において、捜査機関がGPS端末等を利用した捜査を実施しており、この捜査には令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、上記捜査によって直接得られた証拠及びこれと密接な関連性を有する証拠は違法収集証拠として証拠排除されるべきであるから、その結果として被告人を犯人とする証拠がないことに帰するとし、被告人は無罪とする弁護人の主張に対し、各証拠がGPS捜査により直接得られた証拠と同視することはできず、この捜査と密接に関連するものとはいえず、その証拠能力を認めるのが相当であるとしたうえで、転売して換金する目的でトラクターという特殊な物品を狙った職業的犯行であり,あらかじめ運搬用のトラックを借り受け、人目につかない深夜の農村地帯で厳重な保管がなされていない被害品を窃取するという犯行態様は、計画的で手慣れていて悪質であるなどとして、懲役3年を言い渡した事例。
2017.08.01
過払金返還請求事件
「新・判例解説Watch」H29.11月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448802/最高裁判所第一小法廷 平成29年 7月24日 判決 (上告審)/平成28年(受)第1463号
Aの破産管財人である被上告人(一審原告・控訴人)が、貸金業者である上告人(一審被告・被上告人)に対し、Aと上告人との間の継続的な金銭消費貸借取引に係る各弁済金のうち利息制限法所定の制限利率により計算した金額を超えて支払った部分を元本に充当すると過払金が発生していると主張して、不当利得返還請求権に基づき、過払金の返還等を求め、一審が被上告人の請求を棄却し、控訴審が被上告人の請求を認容したため、上告人が上告した事案において、本件では上記の過払金等について、司法書士法3条2項各号のいずれにも該当する司法書士である上告補助参加人がAを代理して上告人との間で従前締結した裁判外の和解契約の効力が争われているところ、認定司法書士が委任者を代理して裁判外の和解契約を締結することが弁護士法72条に違反する場合であっても、当該和解契約は、その内容及び締結に至る経緯等に照らし、公序良俗違反の性質を帯びるに至るような特段の事情がない限り、無効とはならないとした上で、本件和解契約の内容、その締結に至る経緯をみても、補助参加人は、Aに対し、本件取引に係る過払金の額を説明し、Aの理解を得た上で、Aの意向に沿った内容の本件和解契約を締結したというのであって、特段の事情はうかがわれず、本件和解契約を無効ということはできないとし、被上告人の請求を認容した原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決を破棄し、被上告人の控訴を棄却した事例。
2017.08.01
執行費用額負担決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25448801/最高裁判所第一小法廷 平成29年 7月20日 決定 (許可抗告審)/平成29年(許)第1号
既にした執行処分の取消し等により強制執行が目的を達せずに終了した場合における執行費用の負担は、執行裁判所が、民事執行法20条において準用する民事訴訟法73条の規定に基づいて定めるべきものと解するのが相当であるとした上で、相手方から民事執行法20条において準用する民事訴訟法73条1項の裁判の申立てを受けた執行裁判所は、上記強制競売が終了するに至った事情を考慮して、同条2項において準用する同法62条の規定に基づき、同強制競売の執行費用を抗告人の負担とする旨の裁判をすることができるとし、上記強制競売の執行費用を抗告人の負担とすべきものとした原審の判断は、是認することができるとして、抗告を棄却した事例。
2017.07.25
再審請求事件(大崎事件第3次再審請求開始決定) 
LEX/DB25545985/鹿児島地方裁判所 平成29年 6月28日 決定 (再審請求審)/平成27年(た)第1号
請求人が、殺人、死体遺棄被告事件(いわゆる大崎事件)で懲役10年に処せられた確定判決について、第三次再審請求をした事案において、当請求審における新証拠である鑑定及び新鑑定は、確定審、第1次再審請求及び第2次再審請求において提出された全証拠と併せて総合評価すれば、請求人の本件犯行への関与を認定した確定判決の事実認定には合理的な疑いがあるとし、再審開始を決定した事例。
2017.07.25
 「新・判例解説Watch」H29.9月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448736/東京高等裁判所 平成29年 5月31日 判決 (控訴審)/平成28年(ネ)第5233号
被控訴人(原審原告)が、家具家電付き賃貸物件に入居し、控訴人(原審被告。NHK)との間で放送の受信契約を締結して受信料を支払ったものの、被控訴人は放送法64条1項の「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者」に当たらないから、本件受信契約は公序に反して無効であると主張して、1か月分の受信料1310円を請求したところ、請求が一部認容されたため、控訴人が控訴した事案において、放送法64条1項の「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者」とは、受信設備を物理的に設置した者だけでなく、その者から権利の譲渡を受けたり承諾を得たりして、受信設備を占有使用して放送を受信することができる状態にある者も含まれると解されるとし、原判決中控訴人敗訴部分を取り消し、被控訴人の請求を棄却した事例。
2017.07.18
特許権侵害差止等請求事件 
LEX/DB25448774/最高裁判所第二小法廷 平成29年 7月10日 判決 (上告審)/平成28年(受)第632号
発明の名称を「シートカッター」とする特許権を有する上告人(一審原告・被控訴人)が、被上告人(一審被告・控訴人)製品の製造・譲渡等が特許権の侵害に当たるとして、被上告人製品等の廃棄並びに損害賠償等を求めたところ、第一審は、上告人の請求を一部認容したため、これに不服の被上告人が控訴し、控訴審は、本件特許は、特許法29条1項3号に違反してされたものであるとして、本件無効の抗弁を容れて、第1審判決中、被上告人敗訴部分を取消し、上告人の請求をいずれも棄却したため、上告人が上告した事案において、特許権者が、事実審の口頭弁論終結時までに訂正の再抗弁を主張しなかったにもかかわらず、その後に訂正審決等が確定したことを理由に事実審の判断を争うことは、訂正の再抗弁を主張しなかったことについてやむを得ないといえるだけの特段の事情がない限り、特許権の侵害に係る紛争の解決を不当に遅延させるものとして、特許法104条の3及び104条の4の各規定の趣旨に照らして許されないものというべきであるとしたうえで、本件は、上告人が原審において本件無効の抗弁に対する訂正の再抗弁を主張することができなかったとはいえず、その他上告人において訂正の再抗弁を主張しなかったことについてやむを得ないといえるだけの特段の事情はうかがわれないとし、上告を棄却した事例。
2017.07.18
地位確認等請求事件  
LEX/DB25448773/最高裁判所第二小法廷 平成29年 7月 7日 判決 (上告審)/平成28年(受)第222号
医療法人である被上告人(一審被告・被控訴人兼附帯控訴人)に雇用されていた医師である上告人(一審原告・控訴人兼附帯被控訴人)が、被上告人に対し、上告人の解雇は無効であるとして、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認等を求めるとともに、時間外労働及び深夜労働に対する割増賃金並びにこれに係る付加金の支払等を求め、第一審は、地位確認請求及び未払給与等の支払請求と斥け、未払割増賃金等に係る請求を一部認容したため、双方が控訴し、控訴審は、上告人の控訴を棄却し、被上告人の附帯控訴に基づき、第一審判決中被上告人敗訴部分を取り消したため、上告人が上告した事案において、上告人と被上告人の雇用契約で時間外労働等に対する割増賃金を年俸に含める旨の合意がされていても、年俸の支払により上告人の時間外労働及び深夜労働に対する割増賃金が支払われたということはできないとして、原判決中、割増賃金及び付加金の請求に関する部分を破棄し、被上告人が、上告人に対し、通常の労働時間の賃金に相当する部分の金額を基礎として労働基準法37条等に定められた方法により算定した割増賃金を全て支払ったか否か、付加金の支払を命ずることの適否及びその額等について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻して、その余の請求を棄却した事例。
2017.07.18
玄海原子力発電所3号機再稼働差止仮処分申立事件(第1事件)、玄海原子力発電所4号機再稼働差止仮処分申立事件(第2事件)
LEX/DB25448731/佐賀地方裁判所 平成29年 6月13日 決定 (第一審)/ 平成23年(ヨ)第21号 等
第1事件債権者らが、人格権又は環境権に基づき、債務者(電気事業会社)が設置している玄海原子力発電所3号機の運転の差止めを命ずる仮処分命令を申し立てた事案(第1事件)、第2事件債権者らが、人格権又は環境権に基づき、債務者(電気事業会社)が設置している玄海原子力発電所4号機の運転の差止めを命ずる仮処分命令を申し立てた事案(第2事件)において、債務者が、基準地震動の合理性及び配管の安全性について相当の根拠、資料に基づき疎明したということができ、債権者らの疎明を検討しても、本件各原子炉施設の安全性に欠けるところがあるとは認められないから、債務者が本件各原子炉施設を運転することにより、債権者らの人格権を侵害するおそれがあるとは認められず、本件各申立てに係る被保全権利の疎明があるということはできないなどとして、第1事件及び第2事件の本件各申立てをいずれも却下した事例。
2017.07.11
業務上過失致死被告事件 
LEX/DB25545945/佐賀地方裁判所 平成29年 5月29日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第3号
夏休みイベント企画の川遊び中に8歳の児童が川の深みで溺れ、死亡した事故に関し、イベントa倶楽部の代表として同倶楽部の会務を統括する業務に従事していた被告人Aと、同倶楽部の監査役であり、実質的に同倶楽部の代表を補佐し、会務を掌理する業務に従事していた被告人Bが起訴された、業務上過失致死被告事件において、本件溺水事故が発生した原因は、従前に採られていた監視態勢すら採られず、成人スタッフが児童らを引率して集団行動すべきであるのにこれを分散させた結果、監視する成人スタッフが誰1人としていない状況下で児童らに川遊びをさせたことにほぼ尽きると考えるのが相当であり、高度な結果回避義務を被告人A、Bの両名に負担させることは相当とはいえないとした上で、被告人Aについては、被告人Bを補佐する立場にとどまっていたと考えるのが相当であるとして、無罪を言い渡し、被告人Bについては、上記注意義務に反して監視・救助態勢を採らないまま川遊びプログラムを開始し、その結果、被害児童が溺水したため、被告人Bが責任を負うことは明らかであるとし、本件事案の性質・内容などに照らし、罰金70万円に処した事例。
2017.07.11
業務上過失致死被告事件 
LEX/DB25545946/佐賀地方裁判所 平成29年 5月29日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第3号
夏休みイベント企画の川遊び中に8歳の児童が川の深みで溺れ、死亡した事故に関し、α市産業部観光課課長であり、同課に設置され、住民参加型の各種体験イベントを開催するなどの業務を行うαグリーン・ツーリズム推進協議会事務局の事務局長である被告人Aと、同課副課長兼グリーン・ツーリズム推進係長である被告人Bと、同課グリーン・ツーリズム推進係員であり、同協議会に関する業務の主査兼同協議会の事務局員として、同協議会の事務を処理する業務に従事していた被告人Cが起訴された、業務上過失致死被告事件において、従前に採られていた監視態勢すら採られず、成人スタッフが児童らを引率して集団行動すべきであるのにこれを分散させた結果、監視する成人スタッフが誰1人としていない状況下で児童らに川遊びをさせたことにほぼ尽きると考えるのが相当であり、高度な結果回避義務を被告人A、B、Cに負担させることは相当とはいえないとした上で、被告人Cは、市役所の職員として、川遊びという危険性を伴う本件キャンプに継続して関わっていたものであるから、業務性が認められることは明らかであるとし、被告人Cについては、罰金40万円に処し、被告人A、及び被告人Bについては、ともに過失責任を問うことはできないとし、無罪を言い渡した事例。