注目の判例

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2017.04.11
犯人隠避,証拠隠滅被告事件 
LEX/DB25448564/最高裁判所第二小法廷 平成29年 3月27日 決定 (上告審)/平成27年(あ)第1266号
被告人は、道路交通法違反及び自動車運転過失致死の各罪の犯人がAであると知りながら、同人との間で、A車が盗まれたことにするという、Aを各罪の犯人として身柄の拘束を継続することに疑念を生じさせる内容の口裏合わせをした上、参考人として警察官に対して口裏合わせに基づいた虚偽の供述をしたもので、このような被告人の行為は、刑法103条にいう「罪を犯した者」をして現にされている身柄の拘束を免れさせるような性質の行為と認められるのであって、同条にいう「隠避させた」に当たると解するのが相当であるとし、被告人について、犯人隠避罪の成立を認めた原判断は是認できるとして、上告を棄却した事例(補足意見がある)。
2017.04.11
損害賠償等請求事件(東京メトロ売店 契約社員 賃金格差是正請求を棄却) 
LEX/DB25545272/東京地方裁判所 平成29年 3月23日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第10806号
被告の契約社員として有期労働契約を締結し、東京メトロ駅構内の売店で販売業務に従事してきた原告らが、期間の定めのない労働契約を締結している被告の従業員が原告らと同一内容の業務に従事しているにもかかわらず賃金等の労働条件において原告らと差異があることが、労働契約法20条に違反しかつ公序良俗に反すると主張して、不法行為又は債務不履行に基づき、平成23年5月分から退職日(在職中の原告P1については平成28年9月分)までの差額賃金(本給・賞与、各種手当、退職金及び褒賞の各差額)相当額、慰謝料等の支払を求めた事案において、P1の請求額を減額したうえで、一部認容し、その余の請求を棄却した事例。
2017.04.11
地位確認等請求事件 
LEX/DB25545226/京都地方裁判所 平成29年 3月 1日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第310号
平成26年3月31日当時、被告が設置する大学院の教授であり、同日付けで定年退職の扱いとなった原告が、主位的に、(1)被告就業規則附則1及び昭和48年の理事会決定により、又は、(2)原告と被告との間の労働契約の内容として、予備的に、(3)被告大学院における事実たる慣習として、特段の事情のない限り、満65歳を迎えても70歳まで1年度ごとに定年が延長されると主張し、被告に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認及び未払賃金の支払いを求めた事案において、原告について、満65歳に達した後の3月31日に特段の事情がない限り定年延長がなされるということはできず、就業規則10条1項、昭和48年理事会決定に基づき、原告は、平成26年3月31日の経過をもって定年退職をしたものであるとし、原告の請求を棄却した事例。
2017.04.11
性別の取扱いの変更審判申立事件 
「新・判例解説Watch」H29.5月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25545225/岡山家庭裁判所津山支部 平成29年 2月 6日 審判 (第一審)/平成28年(家)第1306号
申立人が、申立人の性別の取扱いを女から男に変更する審判を求めた事案において、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項4号が、憲法13条に違反するほどに不合理な規定であるということはできないとし、本件申立てを却下した事例。
2017.04.11
条例廃止処分取消請求事件  
「新・判例解説Watch」H29.5月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25545115/青森地方裁判所 平成29年 1月27日 判決 (第一審)/平成27年(行ウ)第5号
被告が、公の施設として本件記念館を設け、本件記念館条例において、その設置及び管理に関する事項を定めていたが、その後、本件記念館条例を廃止する条例を制定したことにつき、原告が、被告に対し、本件廃止条例制定行為の取消しを求めた事案において、本件保管覚書合意は、その内容に照らせば、P3(その地位を承継した原告)及び被告の一般的・抽象的な努力義務を定めたものに止まるものであることが明らかであって、これに基づいて具体的な権利ないし法的地位が生ずるという性質のものとはいい難く、本件保管覚書合意を基礎として本件廃止条例制定行為の処分性を認めることはできないとし、訴えを却下した事例。
2017.04.11
書籍販売等禁止仮処分命令申立事件 
「新・判例解説Watch」解説記事が掲載されました
LEX/DB25545218/東京地方裁判所 平成29年 1月 6日 決定 (第一審)/平成28年(ヨ)第1284号
Cの著書である本件書籍記載の各記述により名誉を毀損されたと主張する債権者が、本件書籍の発行所である債務者(出版社)に対し、上記各記述を抹消しない限り、書籍の販売、無償配布及び第三者への引渡しを禁止することなどを求めた事案において、本件書籍の出版等の差止めは、表現の自由に重大な制約になることから、表現内容が真実でないこと及び専ら公益目的でないことの疎明責任は債権者が負うべきであるとしても、これらの要件の明白性まで要求するのは相当ではなく、表現内容が真実でないこと、又は公益を図る目的に出たものではないことの相当程度の蓋然性があり、かつ、債権者が重大にして著しく回復困難な損害を被るおそれが認められる必要があると解するのが相当であるとし、債権者の申立ては、一部の記述部分の出版、販売又は頒布の禁止を求める限度で認め、300万円の担保を立てることを保全執行の条件としてこれを認容し、その余の申立てを却下した事例。
2017.04.04
特許権侵害行為差止請求事件 
LEX/DB25448553/最高裁判所第二小法廷 平成29年 3月24日 判決 (上告審)/平成28年(受)第1242号
角化症治療薬の有効成分であるマキサカルシトールを含む化合物の製造方法の特許に係る特許権の共有者である被上告人(原告・被控訴人)が、上告人(被告・控訴人)らの輸入販売等に係る医薬品の製造方法は、上記特許に係る特許請求の範囲に記載された構成と均等なものであり、その特許発明の技術的範囲に属すると主張して、上告人らに対し、当該医薬品の輸入販売等の差止め及びその廃棄を求め、第一審は、被上告人の請求を認容したため、上告人らが控訴し、控訴審は、第一審判決は相当であるとして控訴を棄却したため、上告人らが上告した事案において、被上告人が、特許の特許出願時に、特許請求の範囲に記載された構成中の上告人らの製造方法と異なる部分につき、客観的、外形的にみて、上告人らの製造方法に係る構成が特許請求の範囲に記載された構成を代替すると認識しながらあえて特許請求の範囲に記載しなかった旨を表示していたという事情があるとはうかがわれないとし、原審の判断を是認できるとして、上告を棄却した事例。
2017.04.04
損害賠償等請求事件 
「新・判例解説Watch」H29.6月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448466/神戸地方裁判所 平成29年 2月 9日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第1195号
被告の運営する保育園の近隣に居住する原告が、園児が園庭で遊ぶ際に発する声等の騒音が受忍限度を超えているなどと主張し、被告に対し、不法行為による損害賠償を求めるとともに、人格権に基づき、保育園の敷地境界線上において保育園からの騒音が50dB(LA5)以下となるような防音設備の設置を求めた事案において、原告が保育園からの騒音により精神的・心理的不快を被っていることはうかがえるものの、原告宅で測定される保育園の園庭で遊戯する園児の声等の騒音レベルが、未だ社会生活上受忍すべき限度を超えているものとは認められず、不法行為を基礎づける程度の違法があるということはできないとして、原告の請求を棄却した事例。
2017.03.28
遺族補償年金等不支給決定処分取消請求事件 
「新・判例解説Watch」H29.6月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448538/最高裁判所第三小法廷 平成29年 3月21日 判決 (上告審)/平成27年(行ツ)第375号
上告人(原告・被控訴人)の妻が、公務により精神障害を発症し自殺したため、上告人が、遺族補償年金の支給請求をするとともに、遺族特別支給金等の支給申請をしたが、いずれも不支給とする旨の決定を受けたため、被上告人(被告・控訴人。地方公務員災害補償基金)に対し、上記処分の取消しを求め、第一審では、上告人の請求を認容したため、被上告人が控訴し、控訴審では、妻について、遺族補償年金を受給できるものとするが、夫について、「一般に独力で生計を維持することが困難である」と認められる一定の年齢に該当する場合に遺族補償年金を受給できるものとする旨の遺族補償年金の受給要件に係る区別は、合理性を欠くということはできないとし、第一審判決を取り消し、上告人の請求を棄却したため、上告人が上告した事案において、地方公務員災害補償法32条1項ただし書及び附則7条の2第2項のうち、死亡した職員の夫について、当該職員の死亡の当時一定の年齢に達していることを受給の要件としている部分が憲法14条1項に違反しないとしたうえで、原審の判断は正当として是認することができるとし、上告を棄却した事例。
2017.03.21
窃盗,建造物侵入,傷害被告事件  
「新・判例解説Watch」H29.5月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448527/最高裁判所大法廷 平成29年 3月15日 判決 (上告審)/平成28年(あ)第442号
被告人が複数の共犯者と共に犯したと疑われていた窃盗事件に関し、組織性の有無、程度や組織内における被告人の役割を含む犯行の全容を解明するための捜査の一環として、約6か月半の間、被告人、共犯者のほか、被告人の知人女性も使用する蓋然性があった自動車等合計19台に、同人らの承諾なく、かつ、令状を取得することなく、GPS端末を取り付けた上、その所在を検索して移動状況を把握するという方法によりGPS捜査が実施されたことにつき、第1審は、GPS捜査により直接得られた証拠及びこれに密接に関連する証拠の証拠能力を否定したが、その余の証拠に基づき被告人を有罪と認定し、これに対し、原判決は、GPS捜査に重大な違法があったとはいえないと説示して、第1審判決が証拠能力を否定しなかったその余の証拠についてその証拠能力を否定せず、被告人の控訴を棄却したため、被告人が上告した事案において、GPS捜査によって直接得られた証拠及びこれと密接な関連性を有する証拠の証拠能力を否定する一方で、その余の証拠につき、同捜査に密接に関連するとまでは認められないとして証拠能力を肯定し、これに基づき被告人を有罪と認定した第1審判決は正当であり、第1審判決を維持した原判決の結論に誤りはないとし、上告を棄却した事例(補足意見がある)。
2017.03.21
貸金請求事件 
「新・判例解説Watch」H29.5月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448515/最高裁判所第二小法廷 平成29年 3月13日 判決 (上告審)/平成28年(受)第944号
上告人(被告・被控訴人)と保証契約を締結していた被上告人(原告・控訴人)が、上告人に対し、同契約に基づき、保証債務の履行を求め、上告人が上記保証契約に基づく保証債務履行請求権の時効消滅を主張したのに対し、被上告人が上告人に対する貸金の支払を求める旨の支払督促により消滅時効の中断の効力が生じていると主張して争い、原審が、被上告人の請求を全部認容したため、上告人が上告した事案において、貸金の支払を求める旨の支払督促で貸金債権が行使されたことにより、これとは別個の権利である保証契約に基づく保証債務履行請求権についても行使されたことになると評価することはできず、上記支払督促は、保証債務履行請求権について消滅時効の中断の効力を生ずるものではないとして、原判決を破棄し、被上告人の請求を棄却した第1審判決の結論は正当であるとし、被上告人の控訴を棄却した事例。
2017.03.21
窃盗被告事件(窃盗 元アナウンサー 逆転無罪) 
LEX/DB25448514/最高裁判所第二小法廷 平成29年 3月10日 判決 (上告審)/平成27年(あ)第63号
被告人が、銀行で、客の被害女性Aが記帳台の上に置いていた現金(6万6600円)及び振込用紙2枚在中の封筒1通を窃取したとして起訴され、第1審は、(1)前日の夜、手持ちの封筒の中に振込用紙2枚とともに現金を入れたとするB(Aの母親)の証言、及び、当日の朝、出掛ける前に、上記封筒の中に現金が入っていることを確認したとするAの証言の各信用性を肯定して、Aが封筒を記帳台上に置き忘れた時点でその中に現金が在中していたとの事実を認定し、(2)同銀行に設置された防犯カメラの映像によれば、Aが封筒を置き忘れてから、行員が記帳台上に置き忘れられた封筒(現金の在中していないもの)を発見するまでの間に、封筒から現金を抜き取ることが可能であったのは、Aと同じ記帳台を利用した被告人しかいないとして、犯罪事実を認定し、被告人を懲役1年、執行猶予3年を言い渡したため、被告人が控訴し、第2審は、第1審の認定を是認して、控訴を棄却したため、これに不服の被告人が上告した事案において、被告人が公訴事実記載の窃盗に及んだと断定するには、合理的な疑いが残るとし、被告人に窃盗罪の成立を認めた第1審判決及びこれを是認した原判決には、判決に影響を及ぼすべき重大な事実誤認があるとし、これを破棄し、被告人に対し、無罪を言い渡した事例(反対意見がある)。
2017.03.21
立替金請求事件 
LEX/DB25545061/最高裁判所第三小法廷 平成29年 2月21日 判決 (上告審)/平成27年(受)第660号
被上告人(信販会社)の加盟店であった販売業者との間で宝飾品等の売買契約を締結したとして、被上告人との間で購入代金に係る立替払契約を締結したが、売買契約は架空のものであり、立替払契約は、販売業者の依頼により、上告人らが購入者となることの名義貸しを承諾して締結されたもので、上告人らに対し、立替払契約に基づく未払金の支払等を求め、平成20年法律第74号(改正法)の施行日である平成21年12月1日以降に締結された上告人A及び同Bと被上告人との間の立替払契約(改正後契約)については、割賦販売法35条の3の13第1項により立替払契約の申込みの意思表示を取り消すことができるか否かが、同日より前に締結された上告人Cと被上告人との間の立替払契約(改正前契約)については、改正法による改正前の割賦販売法30条の4第1項により販売業者に対して生じている売買契約の無効等の事由をもって被上告人に対抗することが信義則に反するか否かが争われ、原審は、改正前契約に係る売買契約は民法93条ただし書又は民法94条1項により無効であるとし、被上告人の請求を認容したため、上告人が上告した事案において、販売業者が上告人Aらに対してした告知の内容は、割賦販売法35条の3の13第1項6号にいう「購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」に当たるとし、原判決を破棄し、更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととした事例(反対意見がある)。
2017.03.14
覚せい剤取締法違反被告事件  
LEX/DB25545018/大阪地方裁判所 平成29年 2月13日 判決 (第一審)/平成28年(わ)第863号
路上での職務質問の後、最終的に警察署において被告人に捜索差押許可状が示され、採取された被告人の尿から覚せい剤が検出された事案において、証拠上被告人に覚せい剤の使用の確定的故意があったとまではいえないが、大麻取締法違反により猶予歴のある被告人が、未必的故意をもって覚せい剤を使用したといえる事案であるからその刑事責任は軽くはないし、窃盗罪による累犯前科もあるから、覚せい剤事犯の前科がないことも考慮した上での実刑判決が相当であるとし、懲役1年8か月に処した事例。
2017.03.14
破産法違反幇助、破産法違反被告事件 
LEX/DB25545029/高松高等裁判所 平成29年 2月 7日 判決 (控訴審)/平成28年(う)第111号
地方裁判所により破産手続開始の決定を受けた破産者C及び破産者D社から破産手続全般につき委任を受けた被告人(司法書士)が、D社の清算人でもあるC及びその妻であるBと共謀の上、C及びDの破産管財人から、各破産手続開始申立ての際にG銀行に開設されたD名義の普通預金口座を各申立書添付の預貯金目録に記載しなかった理由等について書面で説明を求められた際、真実は、同口座から引出した現金はJ銀行に開設された前記B名義の預金口座に預け入れていたにもかかわらず、これを秘して、D名義の上記口座から引き出した現金は借金の返済等に充てて費消済みである旨の虚偽の事実を記載し、報告書を、ファクシミリ送信して上記破産管財人に受領させ、破産管財人の請求があったときに破産に関し虚偽の説明をしたとする事案において、被告人の説明は、法律専門職である司法書士の説明として信用されやすいものであり、本件犯行が手続の適正を害する程度は軽視できないものがあるとし、破産法違反として罰金100万円に処し、C及びBの上記犯行を容易にしたとする破産法違反幇助については、無罪を言い渡した事例。
2017.03.14
詐欺、詐欺未遂被告事件 
LEX/DB25545030/大阪地方裁判所 平成29年 2月 7日 判決 (第一審)/平成27年(わ)第4441号
詐欺グループの一員として稼働していたとする被告人が、その役割のうち、上位者の指示を受取役へ連絡等すること、受取役から詐取金を受け取り、被告人を含む上位者に渡すこと、受取役に報酬を渡すことの各役割については、共犯者に引き継いだが、〔1〕共犯者から報告を受け、その内容を上位者に伝えること、〔2〕共犯者から詐取金を受け取り、上位者に渡すこと、〔3〕共犯者を含む受取役に対する報酬を用意し、共犯者に渡すこと、〔4〕犯行に使用する携帯電話を用意し、共犯者に渡したりすることについての役割を担っていたとして、詐欺の共同正犯として起訴された事案において、検察官の主張事実の柱となる各供述は、関係者の供述と矛盾したり、供述内容が一貫せず、供述内容自体に不自然、不合理な点が含まれるなど、信用できないとし、被告人に対し、無罪を言い渡した事例。
2017.03.14
フェンス撤去、工事妨害禁止仮処分命令申立却下決定に対する抗告事件
(平成28年3月4日東京地方裁判所(平成28年(ヨ)第217号)の抗告審) 
LEX/DB25545031/東京高等裁判所 平成28年 5月17日 決定 (抗告審)/平成28年(ラ)第484号
抗告人(債権者)が、自己所有地に隣接し、建築基準法42条2項の規定による指定を受けた私道の所有者である相手方(債務者)に対し、土地所有権又は人格権としての通行権に基づき、本件道路上のフェンス等の撤去、相手方がフェンス等を撤去しないときは、東京地方裁判所執行官に相手方の費用で撤去させること、抗告人が行う抗告人の土地上の擁壁設置工事及び建物建築工事を妨害してはならないことを求め、原審が申立てを却下したため、抗告人が即時抗告した事案において、原決定は相当であるとし、抗告を棄却した事例。
2017.03.14
フェンス撤去、工事妨害禁止仮処分命令申立事件
(平成28年5月17日東京高等裁判所(平成28年(ラ)第484号)の原審) 
LEX/DB25545032/東京地方裁判所 平成28年 3月 4日 決定 (第一審)/平成28年(ヨ)第217号
債権者が、自己所有地に隣接し、建築基準法42条2項の規定による指定を受けている私道の所有者である債務者に対し、土地所有権又は人格権としての通行権に基づき、債務者が債務者土地上に設置したフェンス、及び債務者が同土地上に設置したブロック塀の撤去、及び債権者の土地上の擁壁設置工事、及び建物建築工事の妨害の禁止を求めた事案において、債権者の仮処分命令の申立ては、被保全権利の疎明がなく、保全の必要性を判断するまでもなく理由がないとして却下した事例。
2017.03.07
相続税更正及び加算税賦課決定取消請求事件  
LEX/DB25448475/最高裁判所第三小法廷 平成29年 2月28日 判決 (上告審)/平成28年(行ヒ)第169号
共同相続人である上告人らが、相続財産である土地の一部につき、財産評価基本通達の24に定める私道供用宅地として相続税の申告をしたところ、相模原税務署長から、これを貸家建付地として評価すべきであるとしてそれぞれ更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を受けたため,被上告人(国)を相手に、本件各処分(更正処分については申告額を超える部分)の取消しを求めた上告審の事案において、本件各歩道状空地の相続税に係る財産の評価につき、建築基準法等の法令による制約がある土地でないことや、所有者が市の指導を受け入れつつ開発行為を行うことが適切であると考えて選択した結果として設置された私道であることのみを理由として、具体的に検討することなく、減額をする必要がないとした原審の判断には、相続税法22条の解釈適用を誤った違法があるとし、原判決を破棄し、本件各歩道状空地につき、更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻した事例。
2017.03.07
不正競争防止法による差止等請求本訴、商標権侵害行為差止等請求反訴事件 
LEX/DB25448483/最高裁判所第三小法廷 平成29年 2月28日 判決 (上告審)/平成27年(受)第1876号
A社(米国法人)との間で同社の製造する電気瞬間湯沸器につき日本国内における独占的な販売代理店契約を締結し、「エマックス」、「EemaX」又は「Eemax」の文字を横書きして成る被上告人使用商標を使用して本件湯沸器を販売している被上告人が、上記湯沸器を独自に輸入して日本国内で販売している上告人に対し、被上告人使用商標と同一の商標を使用する上告人の行為が不正競争防止法2条1項1号所定の不正競争に該当するなどと主張して、その商標の使用の差止め及び損害賠償等を求めた事案(本訴)、上告人が、被上告人に対し,各登録商標につき有する各商標権に基づき、上記各登録商標に類似する商標の使用の差止め等を求めた事案(反訴)の上告審において、商標法4条1項10号該当を理由とする商標登録の無効審判が請求されないまま商標権の設定登録の日から5年を経過した後であっても、当該商標登録が不正競争の目的で受けたものであるか否かにかかわらず、商標権侵害訴訟の相手方は、その登録商標が自己の業務に係る商品等を表示するものとして当該商標登録の出願時において需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であるために同号に該当することを理由として、自己に対する商標権の行使が権利の濫用に当たることを抗弁として主張することが許されると解するのが相当であるとし、本件各登録商標につき同号該当性を認めた原審の判断には、法令の適用を誤った違法があるとし、原判決中、本訴請求のうち不正競争防止法に基づく請求に関する部分及び反訴請求に関する部分は破棄し、破棄部分については、被上告人による上記湯沸器の具体的な販売状況等について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻し、その余の上告は、上告受理申立ての理由が上告受理の決定において排除されたので、棄却した事例(補足意見がある)。