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効果的なスタッフ教育の進め方(2) 接遇の基本は5つの「配り」

 前月号では、クリニックにおけるスタッフ教育の考え方やポイントを解説しました。今月号では、接遇教育における具体的なポイントをそれぞれの場面ごとにチェック項目をあげます。

1.すばらしい接遇のための5つの「配り」

 接遇の基本は、(1)相手の気持ちと立場になること、(2)礼儀正しく、(3)対応は迅速かつ正確に、(4)約束は必ず守る、(5)コミュニケーションを節約しない――の5点です。これらの基本的な項目を意識して、患者さんに接することが大切です。そして、より素晴らしい接遇のためには、「気配り」「目配り」「体配り」「言葉配り」「時配り」の5つの「配り」に気をつけましょう。これらは、どんな職種にも共通する基本的な部分です。この5つの配りができているかどうかを常にチェックしてみてください。

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2.電話応対

 電話での応対については、相手の姿や表情が見えませんが、常に相手の立場を考え、イメージし、丁寧に誠意と優しさをもって応対することがとても大切です。電話での応対の良し悪しは、あなた自身の人柄に対する“評価”と同じように、その医療機関の“一次的評価”につながるものなので、日頃から十分に注意しましょう。
 電話応対の心構えとかけ方および受け方などのチェックリストは次のとおりです。

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3.受付窓口の応対

 クリニックの受付窓口の応対は、その医療機関の第一印象の評価に通じます。たとえ電話応対や院長が優秀であっても、窓口の応対で患者さんが不愉快な思いをするとクリニック全体の評価を下げることになります。

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4.外来における看護師の対応

 クリニックの外来診療において、看護師は、患者さんを受付・待合室などから医師へ“橋渡し”を行い、医師の指示に従って看護行為を行う役割を担います。
 看護師は、看護師としての専門的な知識や技術を高めることはもちろんのこと、優しく、親切な対応を心がけるなど、患者さんから信頼されるように努力していくことが非常に大切となります。
 外来における看護師の対応チェックリストは次のとおりです。

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5.まとめ

 これまでクリニックにおける接遇のあり方について説明をしてきました。クリニックにおける接遇は、院長の経営理念(ミッション)をもとにしたビジョンに基づき実施していくものであり、同時に、院長の経営理念を具現化していくものでなければなりません。

 また、「接遇教育」は患者満足度を高めるためには欠かすことのできないものです。クリニックという“組織”が患者さんに対して、どのような姿勢で接しているのかが最もわかりやすく表現されるものだからです。そのために、個々のスタッフは、それぞれの専門技術などを常に磨き高めていくとともに、患者さんが安心して、気持ちよく来院できるように、優しく思いやりのある接し方を心がけなければなりません。接遇はクリニック経営の“入口”でもあり“出口”でもあるのです。

(医業経営コンサルタント  税理士 石井 計行 /「TKC医業経営情報」2006年12月号より)