2023.04.04
電子計算機使用詐欺被告事件
★「新・判例解説Watch」刑法分野 解説記事が掲載されました★
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LEX/DB25594479/山口地方裁判所 令和 5年 2月28日 判決 (第一審)/令和4年(わ)第69号 等
被告人は、A銀行の支店に開設された自己名義の普通預金口座に、山口県B町が住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金として4630万円を誤って振込入金したこと(本件誤振込金)を利用して、電子計算機を使用し、被告人口座の預金からオンラインカジノサービスの決済代行業者にその利用料金の支払いをすることによりこれを利用し得る地位を得ようと考え、誤って振り込まれた被告人に無関係なものであることを認識しているものの、その旨をA銀行に告知していないため、本件誤振込金についてデビットカード情報を利用して決済代金の支払委託等をすることが許されないにもかかわらず、デビットカード情報を利用し、アメリカ合衆国2万4000ドル余り相当のオンラインカジノサービスを利用し得る地位を得て、財産上不法の利益を得た行為をしたとして、懲役4年6か月を求刑された事案において、被告人がインターネットに接続した携帯電話機からA銀行の電子計算機に情報を与える行為は正当な権利行使とはいえず、電子計算機使用詐欺罪が成立するとして、被告人に懲役3年、執行猶予5年間を言い渡した事例。