掲載日:2026.07.15
会計事務所の業務品質向上
新マンダラ研修開催報告:AI時代に求められる、会計事務所の付加価値の基盤は月次巡回監査
令和8年5月12日、巡回監査・事務所経営委員会委員長の小幡修大会員が講師を務め、「新マンダラ研修」を開催しました。本研修は、TKC会員事務所の業務品質の向上を図るとともに、信頼性の高い決算書の作成と、中小企業の経営力強化を支援することを目的として実施したものです。
研修では、AIの進展により、仕訳入力や申告書作成といった業務の自動化が今後さらに進むことが見込まれる中、会計事務所には、単なる記帳・申告業務にとどまらず、企業経営に深く関わる付加価値の高い支援が求められていることが説明されました。そして、その支援の基盤となるのが「月次巡回監査」であることが強調されました。
TKC会員による月次巡回監査では、毎月関与先を訪問し、「現地・現物・現人」を直接確認します。これにより、帳簿と実態が一致した信頼性の高い月次決算の実現が可能となります。また、その積み重ねによって作成された決算書は、TKCモニタリング情報サービスを活用することで、電子申告と同時に改ざんの余地のないデジタルデータとして金融機関へ提供されます。
さらに、巡回監査を通じた黒字化支援についても説明がありました。訪問前に現預金や売掛金、固定資産、利益の増減や前年差異を把握し、経営者に一方的な助言を行うのではなく「経営者自身に考えていただく」という対話を重視することの重要性が紹介されました。数字に基づく提案を行うことで、経営者の適切な意思決定を支援する具体的な手法が共有されました。
また、決算報告については単なる結果報告ではなく、「経営判断の場」として活用することが確認されました。変動損益計算書による損益分岐点の分析や、資金繰りの推移と実際の経営状況を結び付けた説明、将来予測に基づく経営課題への備えなど、経営者に寄り添った支援の必要性が示されました。
本研修を通じて、月次巡回監査を着実に実践し、その中で得られる情報を経営助言に結び付けていくことが、関与先企業の黒字化支援と信頼性の高い決算書の作成につながることを改めて学ぶ機会となりました。今後も月次巡回監査の実践を通じて、関与先企業の持続的な成長を支える付加価値の高い支援を提供してまいります。




