【ユーザー事例】市民生活向上と働き方改革へ「3ない窓口」導入

かんたん窓口システム+スマート申請システム > 栃木県下野市

総合政策部 総合政策課 情報推進グループ 課長補佐 高山哲二 氏 / 主査 神永和信 氏 / 主事 外舘美奈 氏

住所
栃木県下野市笹原26番地
電話
0285-32-8888
面積
74.59平方キロメートル
人口
59,894名(2023年8月1日現在)
東京都青梅市

──DXの推進状況は。

高山 下野市では、昨年3月に『下野市デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進方針』を策定しました。ここに掲げた四つの基本方針(利便性の高い市民サービスや事務の効率化など)に沿って取り組みを進めています。その一環として、今年2月には「引越し手続オンラインサービス」に合わせ、「書かない窓口」と「しもつけオンラインサービス」も開始しました。
 推進体制としては、各課から推進員を選出し「下野市DX推進ワーキンググループ」を組織しています。これを要として推進員が〝パイプ役〟となり、各課の取り組みを後押ししています。

WGをアイデア創出の〝場〟に

──ワーキンググループの活動について教えてください。

高山 ワーキンググループでは、毎回テーマを決め意見を出し合います。前回は、オンライン化が可能な手続きについて議論をしてもらいました。
 実は、昨年までワーキンググループは一方的な情報伝達で終わってしまうことがしばしばありましたが、ある推進員の方から「もっとお互いに意見を出し合える場にしたほうがよい」との提案があり、会議をワーク形式に見直したところです。そのかいもあって、いまでは皆さんの意見や考えを伺うことができ、私たちにも参考にもなりますし、推進員の皆さんの意識も高まったように感じます。
 手続きのオンライン化については、既存のワークフローにそぐわず実現が困難になるケースがありますが、他部署に属する推進員の知見で解決に結びつくこともあると思います。客観的に意見やアイデアを出し合い、前向きに検討を行ってもらうよう今は心がけています。

外舘 円滑な推進には意見を一方的に伝えて終わりではなく、原課に配慮しながらも〈職員に忘れられない、意識してもらう〉ための継続した働きかけが必要だと思います。例えば、手続きのオンライン化では、こちらから期日を示すのではなく、アンケート形式でいつまでに誰が行うのか各課の考えを確認しました。その回答で、具体的な期日が示されるなど、少しずつ意識が定着してきたかなと感じています。

──今年2月には、書かない窓口とオンライン申請もスタートしました。

神永 市民課では、以前から書かない窓口の導入を検討していました。そこで引越し手続オンラインサービスを機に〈行かない・待たない・書かない窓口〉の実現を見据えた環境を整備しようと、「かんたん窓口システム」と「スマート申請システム」を導入しました。
 一斉にサービスを開始した狙いは、個々に実施するのに比べ、業務フローの変更や操作習得などの面で職員の負担軽減になると考えたためです。
 現在、しもつけオンラインサービスで利用できるのは90手続きを超え、ワーキンググループの後押しもあって順調に種類を増やし続けています。

地道に理解を深め続ける

──最も苦労したことは何ですか。

高山 事業を進める上で腐心したのは、職員にメリットを感じてもらうことでした。オンライン化する手続きの目標件数を設定するのは簡単ですが、「では、何をするか」ということになると途端に話が進まなくなります。その一方で、窓口の申請手続きが多い部署では〈市民の利便性向上〉への高い問題意識がありました。そこで情報推進グループの職員が、そうした手続きの中からオンライン化できそうなものに見当をつけて各課に働きかけ、また申請フォームの作成も支援しました。
 さらに、補助金や助成金の申請など、よく利用される手続きを想定した申請フォームのひな形も提供しました。それを見て関心を示す職員もいて、最近では類似する申請フォームを活用して新しい申請サービスを展開する動きにもつながっています。

──業務上、変化はありましたか。

神永 以前から「かんたん申請システム」を活用して簡易な電子申請サービスを提供していましたが、スマート申請システムで〈本人確認が必要な手続き〉もオンライン化できるようになるなど、活用の幅が拡がりました。これが最大の変化だと考えています。
 市民の反応までは把握できていませんが、職員からはオンライン手続きの申請フォームに詳しい要件を記載できるため、「問い合わせ対応の時間が短縮された」という意見を聞いています。

──今後の計画を教えてください。

外舘 現在、窓口とオンライン申請のキャッシュレス決済化を検討しています。一例が郵送請求の手数料納付で、キャッシュレス決済により市民等の負担軽減につながると考えています。

神永 引き続き、手続きの拡大に取り組みます。例えば、繁忙期には市民課の待ち時間が2、3時間になることもありましたが、しもつけオンラインサービスと書かない窓口で対応できる手続きを増やし、また相互のシステム連携を深めることで窓口の混雑緩和も期待できます。これにより市民サービスを向上するとともに、職員にとっても業務の効率化や勤務時間の削減につなげていきたいですね。

高山 数が全てではありませんが、手続き数が増えないと市民や職員はメリットを実感しにくい。DX推進には従来のやり方を変えなければならない場面が多々ありますが、無理矢理進めようとしても決してうまくいきません。地道に職員の理解を深め、組織全体で新しいことに挑み続けられるよう今後も努めたいと思います。

写真左から、篠崎貴弘主査、高山課長補佐、伊澤巳佐雄総合政策部長、外舘主事、米井正和課長、神永主査、髙橋慧史主査

写真左から、篠崎貴弘主査、高山課長補佐、伊澤巳佐雄総合政策部長、
外舘主事、米井正和課長、神永主査、髙橋慧史主査

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