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情報提供 TKC税務研究所

件名

定期同額給与の期首月からの改定について

質問

 同族法人であるA社は3月決算で、通常は6月に定時株主総会を開き、申告期限も1か月の延長が認められています。
 法人税法上、定期同額給与の変更は、事業年度開始から3か月を経過するまでに行われる総会において改定されなければならないとされているようですが、事情があって期首月(4月)に支払う役員給与から増額改定したいと考えています。
 税法上、定期給与の額を改定する総会は、継続して毎年所定の時期にされるものに限るという規定も見受けられますが、株主総会を臨時に4月に行い、役員給与の増額改定を決議することとして、その後に支払う期首月(4月)からの役員給与について、増額分も含めて損金計上することは可能でしょうか。

回答

1 役員給与のうち損金算入ができるもののひとつとして、定期同額給与がありますが(法法34〔1〕一)、事業年度中途の改定が定期同額給与として認められる場合としては、〔1〕事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3月を経過する日(以下「3月経過日等」といいます。)までにされた定期給与の額の改定(いわゆる「通常改定」)、〔2〕内国法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情によりされたこれらの役員に係る定期給与の額の改定(いわゆる「臨時改定」)、〔3〕内国法人の経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由によりされた定期給与の額の改定(いわゆる「業績悪化改定」)が挙げられています(法令69〔1〕一)。
  また、「通常改定」における「3月経過日等」に関しては、定期給与の額の改定が3月経過日等の後にされた場合であっても、特別の事情があると認められる場合には通常改定と認められる取扱いとなっていますが、その場合の「定期給与の額の改定」は、継続して毎年所定の時期にされるものに限ると規定されています(法令69〔1〕一イかっこ書き)。
2 いわゆる「通常改定」の立法趣旨ですが、そもそも、その改定期限が原則的に「3月経過日」までとされたのは、〔1〕役員給与の支給額を定める時期が、一般的に定時株主総会の時であること、及び〔2〕事業年度終了間近の改定を許容すると、利益の払い出しの性格を有する改定を認める余地が生じることによるものと解されています(平成18年度税制改正の解説324ページ)。また、法人税法施行令第69条1項イかっこ書きには、「継続して毎年所定の時期にされるものに限る」と規定されています。
  こうしたことから、役員給与の増額改定は、6月に行ってきた定時株主総会以後に支払う役員給与からのみ可能で、期首月からの改定はできないのではないかとの疑問が起きることが考えられます。
  しかしながら、上記の条文で「継続して毎年所定の時期にされるものに限る」と規定されているのは、定期給与の額の改定が「3月経過日等」後になされる場合の例外的な取扱いについてであって、原則的な定期給与の改定の取扱いについては、定時総会による改定に限るといった規定ぶりとはなっていません。
  そうすると、文理解釈からすれば、3月経過日までにされた定期給与の改定であればよく、それが期首月以降であろうと2月経過時以降であろうと、通常改定に該当しないということはできないものと考えられます。
  以上のことから、ご質問の場合、株主総会を臨時に4月に行い、役員給与の増額改定を決議すれば、その後に支払う期首月(4月)からの役員給与については、増額分も含めて損金計上することは可能と考えます。

関連情報

《法令等》

  • 法人税法34条1項1号
  • 法人税法施行令69条1項1号

収録日

平成29年 2月28日

注1:
当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
注2:
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