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情報提供 TKC税務研究所

件名

セルフメディケーション税制について

質問

 セルフメディケーション税制と従来の医療費控除の関係について説明してください。

回答

1 制度の概要
  セルフメディケーション税制とは、医療保険各法等の規定により療養の給付として支給される薬剤との代替性が特に高い一般用医薬品等の使用を推進する観点から、居住者が平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る「特定一般用医薬品等購入費」(注1)を支払った場合において当該居住者がその年中に健康の保持増進及び疾病の予防への取組として「一定の取組」(注2)を行っているときにおけるその年分の医療費控除については、その者の選択により、その年中に支払った特定一般用医薬品等購入費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除きます。)の合計額が1万2千円を超えるときは、その超える部分の金額(8万8千円を限度)を控除額とする医療費控除の特例制度です(措法41の17の2、措令26の27の2、措規19の10の2)。
 (参考)
   セルフメディケーション(Self-Medication)とは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義されています(世界保健機関)。
  【セルフメディケーションの効果】
    〔1〕 毎日の健康管理の習慣が身につく
    〔2〕 医療や薬の知識が身につく
    〔3〕 疾患により、医療機関で受診する手間と時間が省かれる
    〔4〕 通院が減ることで、国民医療費の増加を防ぐ
 (注1)上記の「特定一般用医薬品等購入費」とは、一般用医薬品等である(1)その製造販売の承認の申請に際して既に承認を与えられている医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能、効果等が明らかに異なる医薬品及び(2)その製造販売の承認の申請に際して(1)の医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能、効果等が同一性を有すると認められる医薬品のうち、医療保険各法等の規定により療養の給付として支給される薬剤との代替性が特に高いものとして厚生労働省が財務大臣と協議して定めるものの購入費用をいい(措令26の27の2〔2〕)、具体的には、アシクロビルなど83成分、その水和物及びそれらの塩類を有効成分として含有する製剤をいいます(平成28年3月31日厚生労働省告示第178号)。
 (注2)上記の「一定の取組」とは、法律又は法律に基づく命令に基づき行われる健康の保持増進及び疾病の予防への取組として厚生労働大臣が財務大臣と協議して定めるものをいい(措令26の27の2〔1〕、平成28年3月31日厚生労働省告示第181号)、納税者本人(この特例の控除を受ける者)が取組を行うことは要件とされていますが、その者と生計を一にする配偶者その他の親族が取組を行うことは要件とはされていません。
     具体的には、次の検診等が該当します。
      〔1〕 特定健康診査(いわゆるメタボ健診)
      〔2〕 予防接種
      〔3〕 定期健康診断(事業主健診)
      〔4〕 健康診査(いわゆる人間ドック等で,医療保険者が行うもの)
      〔5〕 がん検診
2 医療費控除との選択適用
  この特例による医療費控除と従来の医療費控除は、選択適用とされており、いずれかの制度を選択して適用することになりますので、この特例による医療費控除を適用する場合には従来の医療費控除を適用することができず、従来の医療費控除を適用する場合にはこの特例による医療費控除を適用することができません(措法41の17の2〔1〕)。
  したがって、この特例による医療費控除の適用を受ける場合には、たとえこの特例の対象となる特定一般用医薬品等購入費以外の医療費の額が適用下限額(10万円と総所得金額の5パーセント相当額のいずれか低い方の金額)を超える場合であっても、従来の医療費控除を併せて適用することはできません。
3 従来の医療費控除の対象となる医薬品との関係
  従来の医療費控除の対象となる医薬品の購入費用は、治療又は療養に必要なもので、一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とされ、また、ここでいう医薬品は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)第2条第1項に規定する医薬品」とされており(所得税基本通達73-5)、セルフメディケーション税制の対象となる「特定一般用医薬品等」もこの医薬品に含まれることから、従来の医療費控除の対象になるものと思われます。

関連情報

《法令等》

  • 租税特別措置法41条の17の2
  • 租税特別措置法施行令26条の27の2
  • 租税特別措置法施行規則19条の10の2
  • 所得税法73条
  • 所得税法施行令207条

収録日

平成29年 8月31日

注1:
当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
注2:
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