株式会社アイ・ティ・エム・ケー様

株式会社アイ・ティ・エム・ケー

統合型会計情報システム(FX4クラウド)ユーザー事例

事業部別業績を迅速につかみ
粗利重視のマネジメントを推進

東京の多摩地域を中心に通信機器の販売、サポートを営むアイ・ティ・エム・ケー。河村加乃一社長(34)のリーダーシップのもと、着々と全国に営業エリアを広げている。経営の「攻守」の時期を判断するベースになっているのが『FX4クラウド』から導き出された正確な数値だという。

経営者が本業に専念できる最適な通信インフラを提案

──通信機器を扱われているそうですね。

河村加乃一社長

河村加乃一社長

河村 NTTの特約代理店として法人向けにビジネスフォンや複合機などの販売、社内ネットワークの構築、コンサルティングを手がけています。販売から保守・メンテナンスまで一貫してフォローできる体制をとっています。

──コンサルティング業務の具体的な内容を教えてください。

河村 今やほとんどの企業がインターネットを導入していますが、ホームページの閲覧程度しか利用されていない場合があります。当社ではお客さまのオフィスにおうかがいし、本業に役立つインターネット活用の提案を行っています。たとえば集客につながるホームページの制作やメールアドレス設定のお手伝い、外出先からのFAX確認サービスなどを提案しています。
 通信サービスの選択に頭を悩ませている経営者は少なくありません。税務申告を税理士さんに任せるように、新しいサービスが続々と始まっている通信環境の整備は、われわれのような専門家にお任せいただく方が、より安心だと思います。

──餅は餅屋ですね。創業のいきさつをお聞かせください。

河村 以前は通信会社で営業マンをしていました。成果が評価され営業部門の責任者になりましたが、事業規模が大きくなるにつれて自分のやりたい仕事との隔たりを感じるようになり、29歳のときITMKを立ち上げました。勤務していた会社の社長に新事業にチャレンジしたいと話したところ、応援してくれ出資もしていただきました。 

──現在手がけている営業活動はルートセールスでしょうか。

河村 いえ、東京23区外の多摩エリアでの新規開拓営業をメーンに行っています。営業担当者は1日に30件ほどの企業、個人事業者を訪問しているため、月間訪問件数は3千件にのぼる月もあります。

──給料、待遇面で完全実力主義を掲げています。

ビジネスフォン・複合機

ビジネスフォンや複合機を幅広く扱う

河村 今をがんばる人を応援するというのが当社のスタンスで、社歴にかかわらず成果に応じた報酬体系を整えています。経理担当者などの内勤スタッフも同様です。役職については成果に基づいて1ランクずつ昇格する仕組みを取っています。売り上げ目標などの公正な基準で評価しているため、人間関係を理由に退職する社員がいなくなりました。
 いまでも現場に赴き営業活動をするときもありますが、1日30件飛び込み訪問するのは確かに大変です。でも多くのお客さまに提案したいと思っている前向きな営業マンは、楽しんで仕事をしています。

──最近、顧客の間でどんなニーズが高まっていますか。

河村 皆さんが一番気にされているのはパソコンのウイルス対策ですね。われわれは迷惑メールブロック、ウェブフィルタリング機能を備えたUTM機器の活用を提案しています。オフィス内のネットワークにこの機器を設置すると、閲覧するホームページを監視し、ダウンロードする画像やファイルにウイルスが含まれていないかをチェックします。
 かつ、新種のウイルスが発見される前のプログラムの不審な動作を検知し、感染を未然に防げます。ウイルス対策ソフトとUTM機器を併用すれば、社内LANのセキュリティーをより高められます。

──プライバシーマークを取得されているそうですね。

河村 日常業務でお客さまの個人情報を扱っているため、2年前に取得しました。取得して良かったのは社員の意識が変わった点です。お客さまの氏名や住所などが記載されている書類を机上に置いたままにして外出するケースがなくなり、各自ルールに基づいてしっかり管理しています。

月次業績を会議で公開し社内に計数意識を醸成

──小嶋先生とは創業来のお付き合いをされているとか。

河村 司法書士の方に複数の税理士さんを紹介してもらい、その中で最も厳しいのは小嶋先生だと聞き、迷わず顧問契約を結びました。起業して間もない時期だったので、厳格な姿勢で経理を指導していただける税理士さんを探していたんです。

──実際はいかがでしたか。

河村 初めて会ったとき、経営方針や事業計画の話を熱心に聞いていただき、とても優しい方だと感じました。ただ業績を分析する視点はシビアで、設備投資の計画などを相談すると手綱を締めてくれたり、後押ししていただいています。小嶋先生のよく使われる言葉でうれしいのは「うちは~」という表現をされるところです。「うちの利益見通しはこのぐらい」とか、パートナーとして同じ目線で相談に乗っていただけるのが心強いです。

小嶋公志顧問税理士

小嶋公志顧問税理士

小嶋 創業1期目の売り上げ目標は控えめに立てる経営者が多いなか、河村社長の掲げた金額は目を見張るものがありました。強い意志で目標を次々とクリアしていく姿勢にわれわれも勇気づけられています。

──最近『FX4クラウド』の利用を始められたと聞いています。

河村 半年ほど前に『FX2』からシステムを切り替えました。事業規模拡大にともない部門が増え、部門ごとの収入と支出をつかみたいと小嶋先生に相談したところ『FX4クラウド』の利用を勧められました。

──部門別管理の内訳は?

河村 通信機器事業部としてビジネスフォン部門、複合機部門、セキュリティー部門、ネットワーク・サーバ部門があり、その他LED事業部、プロバイダー事業部、メンテナンス事業部があります。ITMKの他にフォーリンクという別会社も運営していて、全国5カ所にグループ拠点があります。支店単位で詳細な業績分析を行いたかったのも『FX4クラウド』を選んだ大きな理由です。

──複数拠点から伝票入力をしているのでしょうか。

河村 現在は本社1カ所で2名の担当者が入力しています。毎月の取引は数百件にのぼるため、定型的な取引は仕訳辞書を活用しています。

──半年間利用されて効果のほどはいかがでしょう?

河村 『FX4クラウド』に切り替えて会社の数字をこまめに確認するようになりました。以前だと正確な業績数値を知りたいと思ったとき、システムの登録されているパソコンを一時的に空けてもらう必要がありましたが、クラウドではIDとパスワードを入力すれば気軽に調べられますからね。
 変動が気になる経費があれば画面で仕訳にさかのぼり、従業員に速やかに指示を出すようにしています。「攻め」と「守り」のどちらの時期にあるのか、判断する基準は数字。リアルタイムに業績を把握し、社内で共有するのが大事だと思います。

全体会議風景

──具体的には?

河村 毎月実施している社内勉強会で前月の損益状況、目標に対する進捗を発表していて、全社員が損益分岐点売上高を把握しています。営業担当者を評価する基準は売上金額ではなく、粗利額に置いています。社員は各自が掲げる月間目標を達成すれば、会社全体で黒字を達成できるのを意識して営業活動に臨んでいるわけです。

──日ごろ活用されている『FX4クラウド』の機能や帳表は?

河村 《部門別利益管理表》で支店別の変動損益計算書をよく見ています。2カ月に1度、立川市内のホテルの会議室を借りて全社員参加の全体会議を開いていますが、優秀社員を表彰したり、全社業績をグラフで示し計画を共有する場にもなっています。

──抱負をお聞かせください。

河村 来年からマイナンバー制度の導入が予定されています。法人、個人に番号が割りふられ、個人番号に関しては漏えいしないよう、しっかり管理する必要があるでしょう。一部の自治体ではコンビニの機械で住民票を取得できたりしますが、マイナンバー制度にどんなメリットがあるのかご存じでない経営者も多いと思います。ビジネスチャンスととらえ、フェース・ツー・フェースでお客さまにあった通信環境整備の提案を行っていきたいです。    

企業情報

株式会社アイ・ティ・エム・ケー

株式会社アイ・ティ・エム・ケー

設立
2010年10月
所在地
東京都立川市柴崎町3-10-4 大雅ビル2F
売上高
7億円(グループ計)
社員数
80名(グループ計)
URL
http://www.itmk.co.jp

顧問税理士 小嶋公志
小嶋税理士事務所

所在地
東京都立川市曙町1-25-12
オリンピック立川ビル4F
TEL
042-540-9958
URL
http://www.kojimatax.com/

『戦略経営者』2015年3月号より転載)