株式会社自然共生様

株式会社自然共生

統合型会計情報システム(FX4クラウド)ユーザー事例

女性の笑顔をつくるエステ店を
精緻な業績管理で運営

岡山県内で現在9店舗のエステティックサロンを運営しているのが、自然共生だ。5年前に社長に就任した2代目の光本教秀社長(35)が業績管理に役立てているのがTKCの『FX4クラウド』。京セラ流の部門別採算制度「アメーバ経営」を実践していくうえでも欠かせないツールとなっている。

女性を笑顔にするためにエステに目を向ける

──岡山県内でエステティックサロンを経営しているそうですね。

光本教秀社長

光本教秀社長

光本 『ビューティーミュージアム』の名称で岡山市、倉敷市、福山市に合計9店舗を出しています。サービスの中身としては、フェイシャル(美顔)、ボディートリートメントなどが中心です。

──主な顧客層は……。

光本 20代女性が多いですね。友だちの紹介で来店される方が大半を占めます。

──競合する大手エステ店との差別化ポイントは何でしょうか。

光本 エステ器具や化粧品などの商品によってきれいになるのではなく、その人の「生き方」「考え方」できれいになるお手伝いをしているところです。不規則な食生活や、メークの厚塗りでせっかくのお肌を台無しにしている女性は少なくありません。そうしたお客さまに毎日の生活習慣を見直すアドバイスをするとともに、美しく輝いた人生を送ってもらうためのプロデュースをしていくことが、「ビューティーライフプロデューサー」を名乗るエステティシャンたちの大切な役割となっています。

──各店舗に何人くらいのエステティシャンが在籍しているのですか。

光本 平均7~8人です。それぞれが担当するお客さまを持っていて、月に1~2回の来店時に施術をおこなうとともに、美肌づくりに関するさまざまなアドバイスをさせてもらっています。

──サービスを徹底していくためには、従業員教育が欠かせませんね。

光本 エステティシャンの教育にはだいぶ力を注いでいるつもりです。入社後の社内研修はもちろん、新卒については採用選考時から教育をスタートしています。最終面接にたどり着くまでの間に、エステに関する基礎知識を楽しく学べる独自の〝仕掛け〟を用意しています。みんな入社後すぐに簡単なお手入れなら任せられるレベルになっています。

──光本社長は2代目経営者とのことですが……。

光本 京セラの子会社(京セラコミュニケーションシステム)にいた私が、父のもとに戻ってきたのは今から8年前。そのとき父は学生服の製造販売など3つの業態を手がけていましたが、私としてはどうしてもエステの仕事をやらせてほしかったので、そうお願いしました。
 実は以前から、「笑顔を創れる会社」を経営したいという願望を持っていました。笑顔を創れる会社とはどんなところかと、あれこれ考えていた時期もありましたが、やがて自分なりに見つけた答えがエステだったんです。お肌が傷んでいる女性には、コンプレックスを抱えている人が多い。そんな女性たちを笑顔にできるのはやはりエステなのです。笑顔の多い母親に育てられた子どもは穏やかで、母親と同じように笑顔が多いといいます。世の中全体の笑顔を増やすうえでも、エステは重要な役目をはたします。

──エステ以外にも、健康食品(黒にんにく等)の通販や、保育事業も手がけているそうですが、これも笑顔と関係があるのですか?

保育事業

保育事業も手がける

光本 ええ、健康食品によって体調が良くなればおのずと笑顔になるし、子どもを安心して預けられる保育所があれば働く女性が笑顔になれるのです。
 保育事業をスタートしたのは昨年9月から。毎年4~5人のスタッフが産休に入るようになったため、社員のために社内保育所を作ろうと思ったのがきっかけでした。しかし長野県のある先進的な保育所を視察に行ったところ、そのあまりの素晴らしさにすっかり感化されてしまい、自分が理想とする保育所をつくって多くの人に利用してもらいたいと考えるようになりました。
 当社の保育所の特徴は、「カスタマイズド保育」と名付けた独自の仕組みがあるところ。自分の子どもに合うところを探しに行くのがこれまでの常識でしたが、うちでは300を超える教育施設から厳選した7つの商材を用いて、子ども一人ひとりの個性に合わせたベストな教育を提供できるようにしています。

「仕訳読込テンプレート」で自社業務システムとデータ連携

──業績管理には『FX4クラウド』をお使いとのことですが……。

施術風景

光本 3年前に『FX2』から切り替えました。その当時、私は会計についていろいろ勉強していました。いわゆる「アメーバ経営」をシステム面からサポートする京セラの子会社にいたこともあり、会計に関する知識はそれなりに持っているつもりでいましたが、やはり「座学」と「実学」とでは少々勝手が違うところもあったからです。「あれ、この数字はどんな意味を指すんだろう」と疑問に感じたときは、その都度過去の仕訳の内容などを見て確認したりと、『FX4クラウド』を〝学習ツール〟として大いに活用させてもらっています。とにかく何かピンと来たときに知りたい情報をすぐに入手できるのは、ありがたいですね。

──日々の仕訳データ入力はどのような体制で行っていますか。

光本 「仕訳読込テンプレート」を使って、自社の購買管理システムにある売り上げデータ等を『FX4クラウド』側にワンクリックで流し込んでいるイメージです。こうした仕訳連携の機能があるおかげで、データを手入力する手間が省けているのは大助かりです。

──その結果、月次決算が早期化されたのでは……。

光本 もちろん早期化の効果はありましたが、それでも正直まだまだ自慢できるレベルではありません。京セラだと末日の翌日までと言われるんですが、そこまではとても……。これからの課題ですね。

──部門別管理はいかがでしょう。

光本 9つの店舗と、物販を行う「サポート部門」、そして「共通部門」の合計11部門で管理しています。部門別採算制度であるアメーバ経営を実践していくうえで、『FX4クラウド』の部門別管理はたいへん役立っています。

──アメーバ経営にもとづく自社オリジナルの資料を作っているそうですね。

光本 『FX4クラウド』から得た数字をベースに、「時間当たり採算」や「1人当たり売上高」などを算出して作っています。

森下美恵子・自計化推進担当 いずれはこの経営資料を『FX4クラウド』に搭載された「マネジメントレポート(MR)設計ツール」を用いて自動作成できるようにしたいとも考えています。

単年度計画を策定し「予実管理」を実践

──部門別管理のメリットをどのように感じていますか。

光本 各部門の動きを「見える化」できるところですね。各店舗が同じような商品を同じように販売していても、時間の使い方のうまい下手で、売り上げに2倍近い差が生まれることもある。そうしたことがリアルにわかるんです。

──店舗間の差が生まれる要因はどこにあるのでしょうか。

光本 突き詰めれば、スタッフに「自信」があるかどうかだと思います。自分たちの商品に自信を持っていて、それをお客さまと共有したいという価値観を持っている人ほど売り上げを伸ばしています。
 自信があるかどうかに、在社年数の長さは関係ありません。自信を持ってサービスを提供できているスタッフはたとえ入社2年目くらいでも驚くほどの実績をあげています。

──経営計画を毎年作っているとお聞きしました。

光本 単年度計画(予算)に対して毎月の実績がどうであるかの「予算対比」にも目を光らせています。また、単年度計画のほかにも、5カ年の中期経営計画や、もっと先までを見据えた「未来計画」についても作成しています。

──会計事務所のサポートについてはどんな感想をお持ちですか。

集合写真

光本 毎月の巡回監査のほか、電話で質問すれば丁寧に教えてもらえるのは本当に助かっています。『FX4クラウド』になってからは、会計事務所でも同じ画面を見ながら電話で話してもらえるので以前に増して質問がしやすくなりました。
 あと、『FX4クラウド』の使い方をレクチャーしてくれる際に、私の理解度に応じてゆっくり丁寧に教えてくれたのはありがたかったです。最初から全部教えてもらうのではなく、小出しで教えてもらったからこそ、「こんな機能もあるんだ」といった発見の繰り返しのなかで、楽しく覚えることができました。

森下 そう言ってもらえると、うれしいですね(笑)。

──今後の展開は……。

光本 別会社で行っている学生服の製造販売や学生支援(採用コンサル)を含めた5事業を統合してホールディングス化することも視野に入れています。それぞれの事業で年商10億円を稼ぎ出し、あわせて年商50億円のグループ企業になることがひそかな目標です。

企業情報

株式会社自然共生

株式会社自然共生

設立
2001年11月
所在地
岡山県岡山市北区錦町1-15
売上高
約13億円
社員数
104名(グループ合計)
URL
http://www.beauty-museum.com/

顧問税理士 林 典彦
税理士法人 岡山税務会計総合研究所

所在地
岡山県岡山市北区西古松2-24-5
TEL
086-244-3456
URL
http://www.okayama-zeimu.com/

『戦略経営者』2015年3月号より転載)