株式会社ぎょうざの満洲 様

統合型会計情報システム(FX4クラウド) ユーザー事例

健康志向の商品づくりで成長続ける
中華料理チェーンのデジタル戦略

埼玉・東京を中心に101店舗を展開するぎょうざの満洲。創業以来、成長を続ける同社は、2代目の池野谷ひろみ社長の指揮のもと、「健康志向の商品づくり」を推し進めている。また、『FX4クラウド』を中心に、デジタル化、ペーパレス化にも余念がない。池野谷社長、金子美紀常務、むさし税理士法人の石井隆行顧問税理士、鈴木信也監査担当の4名に話を聞いた。

──コロナの影響は?

本社外観

本社外観

池野谷 既存店ベースで1割減と、まったく影響がなかったわけではありません。しかし、当社の場合、従来からテイクアウトの比率が高く、感染症が蔓延して以降はその比率が4割から6割に跳ね上がったことで、来店者数の減少をある程度リカバーできました。

──時短の影響も少なかったようですね。

池野谷 そもそも当社の店舗の閉店時間は21時30分くらいと早かったので、時短営業といっても30分から1時間くらい早めただけでした。逆にいうと、その時短分がちょうど既存店売り上げの減少となって現れたのかもしれません。 

──外食産業受難の時代に顧客の支持を受け続けてこられました。秘けつは?

池野谷 大事にしてきたのは「健康志向」です。社長就任以降、おいしくて体によいものを提供しようと素材の見直しを行ってきました。

──どのように?

池野谷ひろみ社長

池野谷ひろみ社長

池野谷 餃子(ギョーザ)に使う豚肉の赤身を3割増やして脂身を減らし、豚足と豚骨を使ってとっていたスープも鶏ガラと魚の煮干し中心に変えました。さらに、2014年に設立した自社農場(満洲ファーム)で栽培した鮮度の高いキャベツを使用するようにしました。このキャベツを加工し、自社工場で餃子にしてその日のうちに売り切るのです。これらの取り組みによって、新鮮でさっぱりとした味になったと評価が上がりました。当社が、工場を中心にして90分以内という小商圏でしか出店しないのも、その新鮮さを担保するための戦略のひとつです。ちなみに、工場でつくられた餃子は、すべて自社トラックで店まで輸送しています。

──伝統の味を変えることに不安はなかったのですか。

池野谷 豚肉の脂身を減らしたことについては社内での反対意見もありましたが、それでも試しにと変えてみたら翌月の餃子の売り上げが3割増加しました。さっぱりと食べやすくなったので、一人当たりの消費量が増えたのです。この数字を見たときに健康ベースの商品開発は間違ってないと確信しました。

──ほかには?

池野谷 ライスと玄米を選べるようにしました。もちろんこれも健康志向の一環です。また、チャーハンは玄米と白米を半々にして作っています。チャーハンにはぱらぱらとべとつかない米が好まれるのですが、試しに玄米を混ぜたところ、ぱらぱらとして、しかも香ばしいので全店での使用を決断しました。玄米使用のチャーハンを提供する店は珍しいかもしれませんね。

──働き方改革にも熱心に取り組んでおられます。

(左)餃子成型機(坂戸工場)、(右)キャベツ畑(自社農場)

池野谷 当社のスローガンのひとつに「おいしいぎょうざで人々を健康で幸せに」があります。この「人々」というのは従業員も含んでいて、たとえば営業時間を短くしてきたのは、従業員に早く家庭に戻ってもらって家族との団らんを過ごしてもらいたいという思いからです。また、週休二日、定時帰社を徹底し、女性の働きやすい職場づくりにも取り組みました。女性が働きやすい職場は男性も働きやすいですからね。ちなみに、当社の従業員の女性比率は、同業他社に比べるとかなり高いと思います。

101店舗の損益を把握しリアルタイムの打ち手に

──業務の効率化、デジタル化も推し進めておられます。

練馬富士見台店

練馬富士見台店

池野谷 私が34年前に入社した時は、ソロバンで計算して手書きの帳簿に書き込むようなアナログな経理を行っていて、パソコンを導入して経理を効率化したのが私の最初の仕事でした。その後も、スタッフ部門はシステム化によってできるだけ少なく、その分、現場に人材を投入するという姿勢を続けてきました。それと、やはりTKCさんとの出会いも大きかったですね。月次の業績管理はもちろんですが、ペーパレス化やデジタル化を進めるうえで、TKCシステムとむさし税理士法人さんのサポートは欠かせないと考えています。

石井(税理士) 早くから『FX4クラウド』を導入され、店舗(現在101店舗)や工場、本社部門の経営(部門別)データを翌月の中旬には提供できるような体制が出来上がっています。社長は自らのPCでこれらのデータをクラウド上でリアルタイムに見ておられます。

──社長は『FX4クラウド』上で何を見ておられますか。

池野谷 売り上げの数字は『FX4クラウド』に翌月5日くらいには入りますから、まずはその数字を見ますね。それから人件費、仕入れ、それから銀行残高でしょうか。当然ですが、最終的には全社と店舗ごとの利益額を確認します。

──業績管理のフローを教えてください。

金子美紀常務

金子美紀常務

金子(常務) むさし税理士法人の鈴木(信也監査担当)さんに来ていただき、前月のデータが確定するのが17~20日くらい。それを受けて20日前後に月例の営業会議を開催します。会議では、店舗別と工場別の損益を見ながら課題と打ち手を話し合います。その際、『FX4クラウド』からのデータを「マネジメントレポート(MR)設計ツール」を使って見やすいように加工した資料を用いて議論します。以前は、データをエクセルシートに手打ちして資料を作成していたのですが、現在は、MR設計ツールを利用するようになったおかげで、クリックひとつで自在に経営資料を打ち出すことができるようになりました。

──デジタル化、ペーパレス化の進捗(しんちょく)度合いは?

金子 各店舗は『楽々精算』(株式会社ラクス)を導入して、店舗で日常的に発生する経費のワークフローをできる限り電子化して、ペーパレス化を進めています。

鈴木信也監査担当

鈴木信也監査担当

鈴木 『楽々精算』では経費、交通費、出張費、旅費、交際費などの申請や承認はもちろん、領収書、請求書も電子帳簿保存法に準拠する形で電子保存されますので、安心して利用できます。また、仕訳されたデータは、『FX4クラウド』のデータ連携機能で取り込まれるので、打ち直す必要がありません。

──ということは、デジタル化、ペーパレス化については一定の成果は上がっていると?

池野谷 そう思いますが、まだ紙の資料を『FX4クラウド』に直接打ち込む作業がかなり残っているという印象です。とくに、金融機関との取引情報とのデータ連携は従来からの懸案となっており、この部分の連携が可能になれば、あとはレジ情報との整合性をとればいいので、バックオフィスがかなり楽になります。

鈴木 今後、TKCのフィンテックサービスである「銀行信販データ受信機能」の導入が実現すれば、その課題も解決できると思います。

石井隆行顧問税理士

石井隆行顧問税理士

石井 ぎょうざの満洲さんでは、規模的にも業種的にも、膨大な証憑類が発生しますので、請求書の電子化などデジタル化はかなり進んできているものの、全体として見ると効率化の余地はかなりあります。それと、ペーパレス化は、改正電子帳簿保存法の電子取引の電子保存義務化やインボイス対応とも絡んでいて、今後、これらと併せて取り組んでいかなければなりません。そのため、TKCから出版されている『電子取引・インボイス対応ワークブック』を参考にしながら、この会社にどういう資料があるのかを把握して、どう処理していくかをデザインしていく必要があるでしょう。

──今後の目標は?

池野谷 既存店ベースの売上高を常に100%超にするのが目標です。これまでも100%を少しでも切ると店舗を修繕したり料理をグレードアップするなどの施策を打ってきました。店舗を増やすことだけが成長だとは思っていません。望まれれば出店しますが、こちらから無理に出店したいという気持ちはあまりないです。それに経験上、望まれて出店する方が繁盛店になるんですよ。いずれにせよ、われわれは今後も「圧倒的においしい餃子」「素材の良さ・新鮮さ」といった当社の強みを維持しながら、従業員を含めた人々の健康と幸せに貢献していきます。

企業情報

焼餃子と冷凍生餃子

株式会社ぎょうざの満洲

設立
1972年7月
所在地
埼玉県川越市的場新町21-1
売上高
81億円(2022年6月期)
従業員
300名
URL
http://www.mansyu.co.jp/

顧問税理士 所長 石井隆行
むさし税理士法人

所在地
埼玉県東松山市大字西本宿1968-1
URL
https://www.isi-tax634.com/

『戦略経営者』2022年9月号より転載)