有限会社ポラリス様

有限会社ポラリス

統合型会計情報システム(FX4クラウド)ユーザー事例

「医療」と「福祉」を融合した
事業モデルで成長続ける

長崎県諫早市を拠点に、有料老人ホームなどを運営しているポラリス。「医療機関と連携した施設づくり」という草野太成社長(46)が掲げる方針のもと、敷地内にあるクリニックなどでは地域住民の診察も受け入れる。事業別の業績を分析できる『FX4クラウド』を活用し、組織の地歩を固めている。

地域住民の理想郷を目指した手厚いサービスを展開

──介護福祉サービスを手がけられているそうですね。

草野太成社長

草野太成社長

草野 諫早市内の3カ所で有料老人ホーム、グループホームを運営(有料老人ホーム イーハトーブ諫早、ケアホーム イーハトーブ諫早、イーハトーブ有喜)しているほか、訪問介護やデイサービス事業も行っています。地域の人々にとって理想郷でありたいという思いを込め、イーハトーブと名付けました。

──施設の特色を教えてください。

草野 さまざまな医療機関と連携できる施設を目指し、イーハトーブ諫早の敷地内にはクリニック(美南の丘クリニック)と歯科(オーラボーテエムズ)、薬局(美南の丘薬局)、整骨院(cura)を併設しているのが特徴です。料金面では、利用者さまの金銭的負担をなるべく軽減する方針をとっています。介護保険料をのぞく自己負担での月額利用料を10万円以下に設定し、いずれの施設も入居金・一時金をいただいていません。満床時の定員は136名ですが、現在126名の方々が入居されています。

──最寄りに医療機関があるのは入居者の方にとって心強いですね。

草野 緊急時の対応はもちろん近隣の病院とも提携しているので、ご家族の方にとっても安心していただけると思います。

──創業のいきさつをお聞かせください。

草野 大学を卒業後、自治省(現・総務省)に入省し岩手県庁に出向していたとき、父が病気で倒れたため家業の呉服店を継ぐことになりました。自宅で介護することの大変さを実感し、一念発起してポラリスを立ち上げました。設立当初から顧問税理士の松尾友平先生に介護施設運営のノウハウなどをご指導いただいています。

──諫早市で開業されたのはなぜですか。

草野 私の出身地である諫早市内の有喜町に、施設を建てるのに適した土地が見つかったためです。平成17年5月に当時長崎県内初となる、多機能型介護住宅のイーハトーブ有喜をまず開設しました。15人の方が暮らせる施設でしたが、ほどなくして満床になり、新施設の候補地として挙がったのが、この美南の丘の宅地エリアでした。

──資金調達はどのようにされたのでしょう?

草野 メーンバンクの地銀から建設資金を借り入れました。松尾先生に事業計画づくりを支援いただき、「医療」と連携した介護福祉サービスという新規性を評価され、融資を受けることができました。担保価値でなく事業の将来性をもとに借り入れができた珍しいケースだったようです。

──介護分野は人材が定着しにくい業界と言われていますが、施策は打たれていますか。

ポラリスカンパニーの運営する「じげもん市場」

ポラリスカンパニーの運営する「じげもん市場」

草野 創業当時から勤務している職員がいる一方で、若い職員は入れ替わることが多く、1年以上働いてもらえるかどうかが定着率を左右するカギになると見ています。提携している社会保険労務士さんにアドバイスをいただきながら、満足度アンケートをとりはじめたところで、結果をもとに討議し、年度内に評価制度を改定したいと考えています。

──別会社としてポラリスカンパニーも経営されています。

草野 介護事業のコンサルティングを行う会社として平成22年に設立しました。昨年設けた食品部門を新たな経営の柱として位置づけていて、五島手延うどん協同組合と共に開発した「五島美人」がモンドセレクション2014金賞を受賞しました。地元の原材料を使用することにこだわり、五島列島のヤブツバキの油と塩、長崎県産の小麦粉を100%使用しています。麺をコーティングしているつばき油の主成分のオレイン酸には、コレステロールを抑制する働きがあると言われており、ヘルシーなのがうりです。協同組合に加入されている製造業者さまに生産を委託し、当社のホームページで販売する形態をとっています。

仕訳読込機能を活用し業績把握がより迅速に

──2年前に『FX2』から『FX4クラウド』に移行されたと聞いています。狙いは?

裁縫クラブの人々による作品

裁縫クラブの人々による作品

草野 関連事業所が増え、より安全なデータ管理体制を整えるため、『FX4クラウド』に切り替えました。「クラウド」であればサーバが自動でバックアップしてくれるので、データを喪失する心配もありません。請求業務で利用しているシステムがクラウド対応しており、法改正のつどプログラムを購入し直す必要がなく、以前からクラウド型のソフトに魅力を感じていたのも一因です。

──財務会計ソフトを切り替えるにあたり、市販の会計ソフトも検討しましたか。

草野 全く検討しませんでした。創業以来お付き合いしている松尾会計さんからおすすめいただいたので信頼感が違いました。 

──幅広い事業を展開されていますが、どのようにシステムで業績管理していますか。

草野 3カ所の事業所で行っているデイサービスや有料老人ホームなどの事業をそれぞれ部門として登録し、合計19部門に分けて確認しています。『FX4クラウド』では施設単位だけでなく、複数施設で行っている有料老人ホームやデイサービスなどの事業別の業績も把握できます。金融機関から業績に関する資料の提出を求められたとき、「マネジメントレポート(MR)設計ツール」を用いて損益計算書のデータを抽出し、オリジナルの資料を作成しています。

──3カ所で入力業務を行っているのでしょうか。

草野 経理業務に精通している担当者がおり、現在は1人で全ての取引を入力してもらっています。毎月発生する取引はおよそ700件ありますが、うち500件ほどは「仕訳読込機能」を活用し外部ソフトから自動連動できるようになり、入力業務の負担はかなり軽くなりました。

──毎月入力する伝票が200枚ほどになったわけですね。

藤田愛子監査担当

藤田愛子監査担当

草野 ええ。おのずと業績を把握できるサイクルが早まりましたね。従来は経理担当者のパソコンに入っているデータを外部媒体に保存し、私のパソコンに復元して最新業績を確認していました。クラウドに移行してからはその作業が不要になり、松尾先生の事務所からもリアルタイムにデータを参照していただけるので安心感があります。

藤田 巡回監査で訪問する前に金額の大きな取引の伝票をあらかじめチェックすることもでき、監査作業にかける時間を削減できました。

──注視している勘定科目は?

草野 目標値に対する売上高の進捗と、費用科目の中では最も変動の激しい人件費をとくに確認しています。助かるのは増減のあった科目を仕訳にさかのぼり原因を突きとめられる点です。監査が終わった後、藤田さんと原因と対策について話し合っています。

──対策をどのように社員に伝えていますか。

草野 組織全体で120人ほどの職員が働いていますが、毎週1回、朝8時から経営幹部を対象にした会議を開き、会社の業績推移を報告しています。そのほか、毎月全従業員が参加する全体ミーティングも行い、経営方針を伝えるだけでなく、グループ討議をして課題を解決する時間を設けています。いつ私が社長を辞めても後継者に困らないよう、自ら考えることのできる社員を育成するのが目標です。 

松尾孝平税理士

松尾孝平税理士

松尾 草野社長は介護事業にとどまらず、新事業の種を次々と考え出すアイデアマンです。金融機関がポラリス様に融資を行ったのは事業将来性だけでなく、草野社長の経営に対する真摯な姿勢を評価されてのことだと感じています。

──意気込みをお聞かせください。

草野 職員のスキルアップを図り、利用者さまにより手厚いサービスを提供するのが当面の目標です。高度な業務を担う職員の報酬を引き上げるなどして、内部体制を固める時期にあるととらえています。ポラリスカンパニーでは、五島うどんをはじめ長崎県産の食品を扱い、デパートの催事などでPRを行っていきたいです。産地の人たちと協力しながら、長崎県を活性化する仕事ができればと思っています。

企業情報

有限会社ポラリス

有限会社ポラリス

設立
2004年10月
所在地
長崎県諫早市小川町595-35
売上高
4億5000万円
職員数
130名(パート含む)
URL
http://www.ihatobu.com/index2.html

顧問税理士 松尾友平
松尾会計事務所

所在地
長崎県長崎市興善町7番7号
TEL
095-823-8876
URL
http://www.matsuo-tax.com/

『戦略経営者』2014年11月号より転載)