ユーネオ熊本 様

ユーネオ熊本 様

平井社長の右隣が平井あや経理担当。さらに右隣が坂口博基監査担当

統合型会計情報システム(FX4クラウド)ユーザー事例

4部門を階層で細分化し
詳細な利益分析が可能に

熊本空港にほど近い場所で、自動車販売店「ジョイカル熊本空港店」を営むユーネオ熊本。新車、中古車の販売から車検、修理までワンストップで提供している。「経営成績はお客さまからいただく通知表」と話す平井渉社長は会社設立以来、計数面を重視した経営に取り組む。『FX4クラウド』を活用した部門別業績管理の効果などを聞いた。

人気車種を対象にした豊富な購入プランを用意

──新車、中古車販売をはじめ、事業を幅広く展開されています。

平井渉社長

平井渉社長

平井 自動車の車検や整備業務、駐車場の運営も行っていますが、いま最も力を入れているのは新車販売です。現状、販売している自動車のうち、新車は6割ぐらい。国産車全メーカーと一部ブランドの輸入車を取り扱っています。

──どんな車種が人気ですか。

平井 最近の売れ筋は、軽自動車のスライドドア式ハイトワゴンですね。月々1万円のリース料でこうした人気車種を購入できる新車リースが好評で、特に女性やご年配のお客さまから喜ばれています。リース料には7年分の車検代、自動車税、自賠責保険料、オイル交換代などが含まれます。
 そのほか、IoTを活用した新車向け次世代自動車ローン「乗れマックス」という商品も扱っています。IoTをうたっているのは、クルマにGPS装置を設置しローン代の支払いが滞ってしまった場合には、遠隔操作でエンジンをかからなくして支払いを促す仕組みになっているため。通常のローンより審査基準を低く設定でき、起業直後で収入が安定しない方や大学生などの需要を見込んでいます。今後、対象車種を順次増やしていく予定です。
 整備部門では、お客さま自身がマイカーの状態をスマートフォンで確認できる「リンクピット」という商品を提案しています。

──機能を教えてください。

クルマの状態がひと目でわかる「リンクピット」

クルマの状態がひと目でわかる「リンクピット」

平井 運転席の足元などに専用端末を取り付けるだけで、アプリから月間走行距離や平均燃費、走行評価等のさまざまな情報を確認できるほか、エンジンオイルやバッテリーのコンディションもカースキャン機能により診断できます。当店でもこれらの情報を共有できるため、オーナーさまにタイヤやオイル交換の時期を適切なタイミングでお知らせできるメリットがあります。ここ10年以内に販売された主な国産車、輸入車であれば取り付け可能です。

──顧客の囲い込みも期待できます。

平井 県内には大型の中古車販売チェーンも複数進出していて、品ぞろえではなかなか太刀打ちできません。当店でクルマをご購入いただいたお客さまに車検を継続して申し込んでいただいたり、自動車保険に加入していただいたりしてワンストップサービスを提供し、満足度の向上に努めています。広告活動では、1万円リースと乗れマックスをアピールし、お客さまの獲得に取り組んでいるところです。

──近ごろはドライブレコーダー設置のニーズもあるのでは?

平井 当店では、ドライブレコーダー付きの自動車保険の提案に力を入れています。ドライバーが事故を起こしたとき衝撃を検知して、保険会社に場所やクルマの状況を即座に自動通知します。救命救急活動は一分一秒を争いますから、より安心感が増すと好評です。

社員との討議を重ね経営者意識を醸成

──玉田先生と顧問契約を結ばれたいきさつを教えてください。

幹線道路沿いの販売場

幹線道路沿いの販売場

平井 会社設立当初、税務顧問をされていたのは遠方の税理士で、当社を訪問する機会はほとんどありませんでした。そのような状況を変えたくて緊密に相談に乗ってもらえる税理士の方を探していたところ、地元の金融機関から紹介されたのが玉田先生でした。2014年7月に顧問契約を結んで以降、毎月きめ細かいアドバイスをいただいています。

──顧問契約後まもなく『FX4クラウド』を導入されたと聞きました。背景は?

平井 現在9名の従業員がいますが、営業スタッフがタイヤ、オイル交換を行ったり、整備スタッフが販売をしたり、ひとり三役ぐらいをこなしています。人手不足のなか人材を新たに採用するのはむずかしく、限られた人員で仕事を効率的にこなしていかなければなりません。経理業務もしかりです。
 そんななか、玉田先生から『FX4クラウド』の機能を紹介され、経理業務の効率化を図れるだけでなく、業績をさまざまな角度から分析できる点に魅力を感じました。従来利用していた会計ソフトでは、部門別あるいは前年比の業績を参照できなかったんです。

玉田光識顧問税理士

玉田光識顧問税理士

玉田税理士 平井社長はもともと部門ごとに業績管理を行いたいという考えをお持ちだったので、部門や勘定科目を柔軟に設定できる『FX4クラウド』の利用をお勧めしました。売上高はいまや当時の2倍程度にまで拡大しています。

──部門をどのように分けて管理していますか。

平井 販売、整備、駐車場、カーシェアリングの4部門があり、販売部門の次の階層に新車、中古車、廃棄の3部門を設定しています。さらに整備部門は、車検と板金の2部門を束ねる形にしています。

──ふだんよく確認する勘定科目というと?

平井 真っ先に目がいくのは、やはり部門ごとの利益率ですね。経営成績はお客さまからいただくいわば通知表です。前年同月あるいは目標数値と比較し、利益率が変動した原因は何か、従業員と会話しながら探っていきます。そうすると営業スタッフが販売値引きをしすぎていたり、部品の在庫がたまっていたりといった変動の理由がわかる。原因が分かれば、タイムリーに対策を施すことができます。
 巡回監査担当の坂口さんが訪問される日は、午前中に仕訳をひと通りチェックしてもらい、午後に最新業績の報告を受けています。その際は「TKC経営指標(BAST)」の同業他社の数値と比較しながら、経費科目を重点的に確認しています。

──どんな場で対策を検討するのでしょう。

部門階層のイメージ

平井 会議時もしくは社員と個別に打ち合わせる時間を設けています。意見を社員にフィードバックしてもらい、課題を与えて翌月に効果を検証する……その繰り返しです。「部門別予算策定システム」も利用しながら部門責任者に段階的に目標設定権限を与え、ゆくゆくは社員1人ひとりに経営者意識を持ってもらうのが目標です。

──経理業務は変化しましたか。

平井あや経理担当 『FX4クラウド』の「仕訳読込テンプレート」を活用し、請求管理ソフトに入力した取引を仕訳連携しています。あわせて入出金取引を自動受信し、仕訳を簡単に計上できる「銀行信販データ受信機能」も活用することで、ひと月に発生する約1000仕訳の入力作業のうち、8割を効率化できました。残業時間も減り、毎月10日前後には前月の仕訳入力を完了できるようになりました。
 疑問点があるときは坂口さんに会計事務所のパソコンで『FX4クラウド』を起動してもらい、解決方法を教えていただけるので助かっています。

坂口監査担当 「銀行信販データ受信機能」が提供されたとき、事務所内で相談し、最初に提案してみようと決まったのがユーネオ熊本さまでした。スマートフォンで最新業績を確認できる「スマート業績確認機能」も平井社長に先日ご案内したばかりです。

平井 外出時はいつもノートパソコンを持ち歩き、『FX4クラウド』の画面を開いて業績をチェックしています。研修などで海外に出張する機会もあるので、スマホで確認できればさらに便利になりますね。

──目標をお聞かせください。

平井 当面の課題は、10月に予定される消費増税までにいかに新たなニーズを取り込めるか。これまで車検では、陸運局にお客さまのクルマを持ち込み、点検を受ける必要がありましたが、当店で点検を実施できる体制に改める予定です。事業のさまざまな面で効率性化を進め、お客さま満足度の向上につなげていきたいと考えています。

企業情報

ユーネオ熊本

ユーネオ熊本

設立
2012年7月
所在地
熊本県熊本市東区戸島町452-1
売上高
3億円
社員数
9名
URL
http://www.u-neo.com/neo/kumamoto/

顧問税理士 玉田光識税理士事務所
税理士 玉田光識

所在地
熊本県熊本市中央区水前寺6-27-20
神水恵比須ビル303号
URL
http://tama-tax.com/

『戦略経営者』2019年2月号より転載)