導入事例 CASE STUDY
株式会社ピーチ 様
右端は中村彩人取締役
統合型会計情報システム(FX4クラウド)・SX4クラウド ユーザー事例
計数管理をベースにしつつ
高付加価値経営に転換
業界平均の2倍以上の限界利益率を誇るピーチ。渡辺真澄社長は、薄利多売のビジネスモデルから高付加価値経営に見事に転換。その陰には野木森鐘治税理士事務所との二人三脚があった。渡辺社長、野木森税理士、早川優生監査担当に話を聞いた。
──創業は2012年2月だとか。経緯は?
渡辺 父が製麺業をやっていて、そこを手伝っていたのですが、弟が家業に帰ってきたのをきっかけに新しい会社をつくって独立しました。当初は、東日本大震災の支援を兼ねて、東北の会社からピザ生地を仕入れ、飲食店に販売する事業を行っていました。
独自の加工品にこだわる
──そこから食肉卸に転換をされたのでしょうか。
オリジナルにこだわり付加価値の高い商品を提供(上)、
前菜盛り合わせ(下)
渡辺 はい。欧米からの輸入ものを中心に、食肉を飲食店に卸す事業に転換しました。取引先は、現在800件くらいでしょうか。とはいえ、単に食肉を卸すのではなく、付加価値の高い製品、あるいは売り方を意識してビジネスを行っています。
──たとえば?
渡辺 いわゆる”ストーリー性”を重視したマーケティングですね。分かりやすく言うと「普通のスーパーでは買えない」ものを提供するようにしています。たとえば、成長促進剤を使用してないものや、時間が経過しても硬くならない肉など、お客さまに寄り添いながら、お客さまが「使いたい」と思ってもらえる商品を扱うようにしています。
──現在、伸びている商材を教えてください。
渡辺 当社でプロデュースした食肉加工品です。飲食店の人手不足は深刻なので、切ってすぐ使えるようなものが人気です。たとえば、味付け済みで、解凍後にトースターで加熱すればすぐに食べられるようなステーキ(「失敗しないステーキ」写真参照)などですね。しかもプロが使える品質を担保しているところが強みです。当社の従業員は、シェフをはじめ飲食店勤務を経験したことのある人がほとんどで、これも加工品を次々に商品にできる要因となっています。とにかくオリジナルにこだわっています。
「利益」がいかに大事か
──その方向性が高い利益率につながっているわけですね。
渡辺真澄社長
渡辺 はい。スーパーでは買えないようなオリジナル商品が90%を占めます。要するに、企画をつくってお客さまに「こういった形のお肉はどうですか」などと提案しているのです。
──やはり洋食店が主な取引先ですか。
渡辺 以前はそうでしたが、現在は戦略的に和洋中すべての店舗、あるいは総菜店向けなど、多彩な商品を開発しながら幅広く提案しています。
──野木森税理士事務所とのお付き合いは古いのですか。
野木森 製麺業を営んでおられた(現在も会社は継続)お父さんの時代からです。
渡辺 実は、この会社があるのも野木森先生と早川(優生監査担当)さんがおられたからだと思っています。お二人に教えていただいたのは「利益」がいかに大事かということ。創業当時は、薄利での商売に終始していましたから。
野木森 ずっと早川と二人三脚で来てますからね。
渡辺 どうしたら利益が上がるかを、頻繁に連絡して教えていただいていた時期もありました。
──つまり付加価値の高い商品を提案していくということですね。
渡辺 僕たちが利益を確保するために大切にしている考え方は「お客さまに求められている商品」はもちろん「お客さまの想像を超える商品」を提案することです。
──そこから食肉卸に転換をされたのでしょうか。
野木森鐘治税理士
野木森 この会社は他にはないものを持っています。社員の力を結集して商品に付加価値をつけていく姿勢です。また、渡辺社長は営業が大好きだし、斬新な発想が得意です。なにしろバイタリティーがすごい。すごすぎて飛んで行ってしまいそうな危うさもありますが……(笑)。
渡辺 これは野木森先生から教わったことですが、ファミリー経営だと「なあなあ」になりがちなので、ビジネスの是々非々を自ら判断し、また社員をしっかり教育した上で意見もきちんと吸い上げる「正しい経営」を志しています。
──早川さんはピーチさまを長く担当されていますが、これまで支援してきての感想は?
早川 当初はピザの生地にケチャップをつけて食べておられたほど厳しい時代を経験されただけに、現在の状況は隔世の感があります。創業してしばらくしてから、私の方から利益の話をするようになって、それが社長の琴線に触れたのか、次第に付加価値の高い商品を開発されるようになったように思います。
渡辺 そうですね。最初は仕入れたものをただ販売しているだけだったのですが、早川さんとお付き合いするうちに思考が変わってきました。
単品管理で商品政策を実践
──TKCの会計システムは?
早川優生監査担当
早川 現在は、『SX4クラウド(※)』と『FX4クラウド』を連携させて、販売と会計を一気通貫でつないでいます。
渡辺 SXシリーズを導入してから、在庫管理をしっかりできるようになりました。在庫が明確になれば売れている商品が何なのかが分かります。
早川 効率化も進みました。『SX4クラウド』は請求・仕入れ・在庫管理業務をオールインワンでできる上に、『FX4クラウド』への仕訳連携が可能で、中心業務のほとんどを自動仕訳化するというメリットがあります。
渡辺 それから、もちろんクラウド化できたことが大きい。それまでは、体調がすぐれない時も会社に来なければなりませんでしたが、自宅で仕事ができるようになったことで、私を含めた社員たちも楽になったように思います。
──単品管理はされていますか。
渡辺 『SX4クラウド』は、商品別、地域別、取引先別での管理が可能なので、単品の利益率を見ながら、販売商品の見直しを行ったり、売り上げ好調な地域とそうでない地域を見分けながら、エリア戦略を立て直したりといった作業をしています。
──緻密な管理ですね。
渡辺 以前は三重県の四日市まで配送している時期もありましたが、利益率を見てやめました。利益率が悪くて遠いところに、わざわざ時間を使って配送してもしょうがないですからね。
──そういうところが利益体質につながっていると。
早川 それは確かですね。実際、TKC経営指標(BAST ※『戦略経営者』2026年1月号P44~47参照)で見る食肉卸業の限界利益率は20%弱なのですが、ピーチさんでは、その2倍以上の数値となっています。
※SX4クラウド
中小企業向け販売管理・帳表作成システム。売上伝票の入力だけで納品書や請求書を自動作成でき、手間を大幅に削減。売れ筋商品や高粗利商品の分析など経営戦略に役立つデータも提供する。
”知行合一”を実践
──『FX4クラウド』による月次決算の結果を見て、戦略を立てられることはありますか。
渡辺 そうですね。現在は、取締役の中村(彩人氏)への事業承継を考えながら、中村を育成するために『FX4クラウド』からのデータを活用しているといった面が大きいと思います。今、僕がいなくなっても会社が何事もなく継続していく姿をつくることを目標としていますので……。
──リタイアして別のことをやりたいということですか。
渡辺 それもあります。沖縄でのアイスクリーム屋の出店、あるいは和食器を自分でデザインして販売する計画もあります。今後、やりたいことはめじろ押しです。
早川 財務管理において、渡辺社長の「勘」は当初よりもはるかに鋭くなっていて、予想値と月次決算による利益額の差は常に10万円以内におさまっています。そうすると、先が読め、事業を自分で組み立てていけるので、新しい分野への進出も容易になりますよね。渡辺社長が、会計という手段をきちんと使えるようになって、本当に良かったと思っています。
野木森 渡辺社長は、”知行合一”を実践している経営者と言えます。のびしろは十分だし、今後がとても楽しみですね。
企業情報
社屋外観
株式会社ピーチ
- 業種
- 食肉卸業
- 創業
- 2012年2月
- 所在地
- 愛知県名古屋市北区如意1-11
- 社員数
- 9名
顧問税理士 野木森鐘治税理士事務所
所長 野木森鐘治
- 所在地
- 愛知県名古屋市北区金城3丁目6-10
(『戦略経営者』2026年1月号より転載)


