株式会社アスコム 様

左端はアスコムの稲澤瞳課長、右端は河上税理士事務所の
今村桃子巡回監査士補

統合型会計情報システム(FX4クラウド) ユーザー事例

創業以来15期連続黒字を支える
計数管理と信頼関係の構築

九州・中国地方を地盤に、建設現場で利用される計測・測量機器のレンタル業を展開するアスコム。創業以来、15期連続黒字を継続する“経営力”はどこに由来するのか。姫島陽介社長とメインバンクである福岡中央銀行の立澤克典筑紫通支店長、河上康洋顧問税理士の3名に話を聞いた。

月次決算、経営計画策定を励行

──創業は2011年だとか。

姫島陽介社長

姫島陽介社長

姫島 もともと今と同じ業種の会社のサラリーマンだったのですが、そこからスピンオフした形です。知り合いの会社に間借りをし、机二つと中古のコピー機1台でスタートしました。

──土木・建築現場で使用される計測・測量機器のレンタルが主な事業と聞きました。

姫島 前の会社は機器を持たずに、レンタルしたものにマージンを乗せてレンタルする事業でしたが、そうではなく、当社が機材をもちながらの顧客満足度が高い能動的なビジネスを目指しました。飛び込み営業は当たり前でチラシをまいたり、伝手を頼ったりと、数年はもがいていましたけど(笑)。

──ビジネスになり始めたのは?

姫島 3年ほどたってからでしょうか。5年目に売り上げが1億円を突破しました。創業から税務顧問として河上先生にお世話になっていて、それも大きかったですね。

河上康洋顧問税理士

河上康洋顧問税理士

河上顧問税理士 初年度から黒字で決算したいとおっしゃっていて、驚くべきことに、今年で15期連続で黒字です。

──すごいですね。

河上 とにかく姫島社長は勉強熱心なんです。創業時からTKCシステム(FXシリーズ)を導入して自計化(会計ソフトを活用して自社内で経理業務を完結させること)にも取り組み、月次決算はもとより、次年度の予算も毎期策定しておられます。また、当事務所が開催する「経営者塾」にも頻繁に参加されるなど、経営者としての真面目さが、その後の成長につながっているのだと思います。

──とくにここ数年は年商が倍増していますね。

姫島 社員の成長が大きいと思います。当初からのメンバー4名が、会社の成長にともない経験を積み、いまでは部下を持ってリーダーシップを発揮してくれています。

河上 フロント力が高いのも特徴ではないでしょうか。電話応対やHPなどを通じて、顧客との接点を大切にしておられます。

姫島 小口の案件が増えて、お客さまの幅が広がってきたことも成長の要因でしょう。土木・建築の案件だけではなく、個人の店舗などからの注文も増えています。現在、450種類ほど、約3,000点の機器を取り揃えています。

──すごい数ですね。

姫島 他社と競合しようとは思っていません。なるべく友好的に横のつながりを保ちながら、自社にない製品は外部から調達しています。また、宮崎と広島に支店を開設し、九州・中国エリアに絞って展開しています。

金融機関との信頼関係構築

──メインバンクの福岡中央銀行さんとは親密な関係なのだとか。

立澤克典福岡中央銀行筑紫通支店長

立澤克典福岡中央銀行
筑紫通支店長

立澤支店長 当行の担当者と一緒にアスコムさんを訪れる機会があり、その彼女が従業員の方と親しそうに話していて、驚いたことがあります。従業員の方全員の名前を覚えていて、姫島社長のことも尊敬していると……。そうした彼女の働きもあって、信頼関係が構築され、ここ10年でどんどん取引が広がっていきました。

河上 銀行員のかがみですね。

姫島 実は、当社の従業員も銀行員の方と話がしたいと思っていたのです。ライフプランなんかを相談したいですから。そこに、福岡中央銀行の方が飛び込みで訪れ、熱心に話しかけてこられたから、こちらもうれしかったですね。伴走しながら細かい資金繰りの相談にも乗っていただけるので、いつのまにか信頼関係が醸成され、メインバンクが他行から福岡中央銀行さんに変わっていました。

河上 それと、アスコムさんでは、計数管理が緻密であることも、そうした信頼関係が構築できた一因なのだと思います。

立澤 その通りですね。まず月次決算が早い。締め切りが翌月の10営業日内で、数字を締めたら即、「TKCモニタリング情報サービス」(MIS)で試算表を提供いただけるので、リアルタイムで会社の状況が分かる。われわれ金融機関としてはありがたい限りです。

──「経営者保証」もすべて外されたのだとか。

立澤 「経営者保証ガイドライン」による3要件「法人と経営者との分離」「財務基盤の強化」「財務の正確な把握・情報開示」は、河上先生の指導とTKCシステムの導入もあってすべて満たしていますし、何より常に黒字を維持され、財務体質がよいですからね。

河上 アスコムさんは、経営者保証を外すことができる典型的な会社だと思っています。

「月次決算速報サービス」を活用

約3,000点の機器を取り揃え、顧客第一のビジネスを展開

約3,000点の機器を取り揃え、
顧客第一のビジネスを展開

──システムの利用状況は?

姫島 当社では、業界特化型の販売管理ソフトを使用していて、会計は『FX4クラウド』、給与はPXシリーズ、さらに請求書管理システムも別に導入しています。これらを連携することで業務を効率化していて、『FX4クラウド』では三つの営業所別の業績管理を実践し、各営業所の損益を常にモニターしています。また、昨年から「月次決算速報サービス」も利用しています。

河上 姫島社長は、とてもお忙しく、巡回監査の時に在席されないことも多いのですが、このサービスを利用することで、月次を締めてすぐに主要な経営指標をメールで見ることができるようになり、喜ばれています。

姫島 従来は、月次試算表を印刷してもらって確認する作業が必要でしたが、このサービスの利用をはじめてからは、どこにいようとスマホで前月の変動損益計算書、純売上高の内訳、売上高・限界利益・経常利益の推移、自己資本比率の推移などを見ることができるので、とても重宝しています。

──自己資本比率を重視されているようですね。

姫島 河上先生に自己資本比率の重要性を教えてもらい、創業以来ずっと数字の向上につとめてきました。昨年30%まで向上し、設備投資などで現在は少し下がりましたが、最終的には50%程度にまで積み上げたいと考えています。

河上 姫島社長は、従業員や取引先を大事に考えていて、そのため「経営の安全性」には人一倍気を使っておられます。

──その「安全性」が顧客や金融機関の信頼にもつながっているのでは?

立澤 おっしゃる通りです。当行では、資金繰りだけでなく、ビジネス面での相談にも乗らせていただいていますが、そのベースにはアスコムさんの経営の「安全性」があります。

──あらためて金融機関との信頼関係は大事ですね。

河上 今後は、「金利のある時代」が訪れます。経営者、金融機関、税理士の3者間の交流の機会を増やし、さまざまなビジネス上の支援を通して利益を出していく体制づくりがより必要になってくるでしょう。その意味では、アスコムさんと福岡中央銀行さんの関係性は理想的だと思います。

──今後はいかがでしょう。

姫島 現在48歳なので、そろそろ次の世代への承継を考えないといけません。それと、業界のなかでもっと名前を知ってもらう努力も必要です。社内体制の整備も課題で、評価制度や給与体制などをより整備して働きやすい職場をつくっていきたいと思っています。

立澤 姫島社長は、社員をとても大事にされている印象です。従業員は基本的に正社員で雇用され、定着率も高いと聞いています。社員の約半分が女性というのも特徴だと思います。

姫島 女性や若い社員も多く、非常に活気のある職場だと自負しています。育児休暇や時短勤務をはじめ、福利厚生についても「安心して働ける環境」を意識して整えていて、社員一人一人が前向きに働けることが、最終的にはお客さまへの価値提供につながると考えています。

企業情報

外観

株式会社アスコム

業種
産業用機器レンタル業
設立
2011年4月
所在地
福岡県福岡市博多区那珂3-16-30
売上高
5億2,000万円(2026年3月見込み)
従業員数
25名
(正社員22名、パート2名、シニアアドバイザー1名)
URL
https://www.ascom411.com

顧問税理士 河上康洋税理士事務所
所長 河上康洋

所在地
福岡県福岡市博多区中洲4-6-12
URL
https://kawtax.jp

『戦略経営者』2026年3月号より転載)