2023.03.22
マイナンバー(個人番号)利用差止等請求事件
★「新・判例解説Watch」憲法分野 令和5年6月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
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LEX/DB25572676/最高裁判所第一小法廷 令和 5年 3月 9日 判決 (上告審)/令和4年(オ)第39号
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号利用法。令和3年法律第36号による改正前のもの)により個人番号を付番された上告人(原告・控訴人)らが、被上告人(被告・被控訴人。国)が番号利用法に基づき上告人らの特定個人情報(個人番号をその内容に含む個人情報)の収集、保管、利用又は提供をする行為は、憲法13条の保障する上告人らのプライバシー権を違法に侵害するものであると主張して、被上告人に対し、プライバシー権に基づく妨害予防請求又は妨害排除請求として、上告人らの個人番号の利用、提供等の差止め及び保存されている上告人らの個人番号の削除を求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の支払を求め、第1審は、上告人らの請求を棄却したため、上告人らが控訴し、控訴審も棄却したため、上告人らが上告した事案で、行政機関等が番号利用法に基づき特定個人情報の利用、提供等をする行為は、個人に関する情報をみだりに第三者に開示又は公表するものということはできないとし、上記行為は、憲法13条の保障する個人に関する情報をみだりに第三者に開示又は公表されない自由を侵害するものではないと解するのが相当であるとして、本件上告を棄却した事例。
2023.03.22
消費税及び地方消費税更正処分等取消請求事件

LEX/DB25572659/最高裁判所第一小法廷 令和 5年 3月 6日 判決 (上告審)/令和4年(行ヒ)第10号
不動産の売買等を目的とする株式会社である上告人(原告・被控訴人)が、本件各課税期間において、転売目的で、全部又は一部が住宅として賃貸されている建物の購入(本件各課税仕入れ)をし、これに係る消費税額の全額を当該課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除して消費税及び地方消費税の確定申告をしたところ、麹町税務署長から、その全額を控除することはできないとして本件各更正処分及び本件各賦課決定処分を受けたことから、被上告人(被告・控訴人。国)を相手に、本件各更正処分のうち申告額を超える部分及び本件各賦課決定処分の取消しを求め、第1審判決は、上告人の請求を全部認容したため、被上告人が控訴し、原判決は、本件各課税仕入れは共通対応課税仕入れに区分されるべきものであり、〔2〕本件各更正処分は平等取扱原則に違反するものではなく、〔3〕本件各確定申告において消費税の申告額が過少であったことにつき、国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるとはいえないから、本件各更正処分及び本件各賦課決定処分はいずれも適法であるとして、第1審判決を取消し、上告人の請求をいずれも棄却したため、上告人が上告した事案で、本件各課税仕入れに係る控除対象仕入税額は、本件各課税仕入れに係る消費税額の全額ではなく、これに課税売上割合を乗じて計算した金額となるというべきであるとし、また、本件各申告において、上告人が本件各課税仕入れに係る消費税額の全額を当該課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除したことにつき、国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があると認めることはできないとし、原審の判断は、正当として是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2023.03.22
消費税更正処分等取消請求事件

LEX/DB25572660/最高裁判所第一小法廷 令和 5年 3月 6日 判決 (上告審)/令和3年(行ヒ)第260号
不動産の買取再販売等を行う株式会社である被上告人(原告・控訴人)が、本件各課税期間において、転売目的で、全部又は一部が住宅として賃貸されている建物の購入(本件各課税仕入れ)をし、これに係る消費税額の全額を当該課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除して消費税及び地方消費税の確定申告をするなどしたところ、日本橋税務署長から、その全額を控除することはできないとして本件各更正処分及び本件各賦課決定処分を受けるなどしたことから、上告人(被告・被控訴人。国)を相手に、本件各更正処分のうち申告額を超える部分及び本件各賦課決定処分の取消し等を求め、原判決は、本件各建物は転売まで住宅として賃貸されることが見込まれていたから、本件各課税仕入れは、個別対応方式による用途区分において共通対応課税仕入れに区分されるべきであり、本件各更正処分は適法であるなどとした上で、本件各賦課決定処分は違法であるとして、その取消請求を認容したため、上告人が上告した事案で、本件各申告において、被上告人が本件各課税仕入れに係る消費税額の全額を当該課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除したことにつき、国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があると認めることはできないとし、これと異なる原審の判断は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、第1審判決は正当であるから、同部分につき被上告人の控訴を棄却した事例。