「LEX/DBインターネット」の「新着判例」コーナー
から、実務・研究上重要と思われる「注目の判例」を
ピックアップしてご紹介します。

その他の最新収録判例は、「LEX/DBインターネット」
ログイン後のデータベース選択画面にあります
「新着判例」コーナーでご確認いただけます。

「LEX/DBインターネット」の詳細は、こちらからご確認いただけます。

2025.08.26
行政処分取消等請求事件 new
「新・判例解説Watch」行政法分野 令和7年9月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25574450/最高裁判所第一小法廷 令和 7年 7月17日 判決(上告審)/令和5年(行ヒ)第276号
被上告人(原告・控訴人)が、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律20条1項に基づき、介護給付費の支給決定に係る申請をしたところ、上告人(被告・被控訴人)・千葉市からこれを却下する処分を受けたため、本件処分が違法であると主張して、上告人を相手に、本件処分の取消し及び支給決定の義務付けを求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求め、原審(控訴審)が、本件処分の取消請求及び支給決定の義務付け請求を認容するとともに、損害賠償請求を一部認容したところ、上告人が上告した事案で、上告人が原審のいう不均衡を避ける措置をとらなかったことを理由として、本件処分に裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるということはできず、原審の判断には、市町村の裁量権に関する法令の解釈適用を誤った結果、受けることができる介護給付のうち自立支援給付に相当するものの量を算定することができないとした上告人の判断が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められるか否かについて審理を尽くさなかった違法があるというべきであるから、原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、本件を東京高等裁判所に差し戻した事例。
2025.08.26
窃盗、電子計算機使用詐欺、覚醒剤取締法違反被告事件 new
「新・判例解説Watch」刑法分野 解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25574439/最高裁判所第三小法廷 令和 7年 7月11日 判決(上告審)/令和6年(あ)第264号
被告人が窃盗、電子計算機使用詐欺、覚醒剤取締法違反の罪に問われ、第1審が、氏名不詳者らと共謀して現金自動預払機から現金合計198万3000円を引き出して窃取したと認定し、また各犯罪事実を認定して、被告人を懲役4年に処したところ、被告人が控訴し、控訴審が、原判決は、第1審判決が本件各電子計算機使用詐欺の共謀を認めた点には事実誤認があるとして、第1審判決を破棄して自判し、その余の罪について被告人を懲役3年6か月に処し、本件各電子計算機使用詐欺について無罪を言い渡したことから、検察官が上告した事案で、原判決が、被告人に本件各電子計算機使用詐欺の共謀を認めることができないとした点には、事実誤認があり、これが判決に影響を及ぼすことは明らかであって、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められるとして、原判決を破棄し、本件控訴を棄却した事例(補足意見1名)。
2025.08.26
保釈請求却下決定に対する異議申立て棄却決定に対する特別抗告事件 new
「新・判例解説Watch」刑事訴訟法分野 令和7年9月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25574308/最高裁判所第一小法廷 令和 7年 5月21日 決定(特別抗告審)/令和7年(し)第328号
頭書被告事件の控訴裁判所である札幌高等裁判所が、同被告事件の第1審の有罪判決をした裁判官を含む合議体で、保釈請求を却下する決定をしたところ、抗告人が異議申し立てをし、原審が、申立人からの異議申立てを棄却する決定をしたことから、抗告人が特別抗告した事案で、第1審の有罪判決をした裁判官は、刑訴法20条により、当該被告事件の控訴裁判所のする保釈に関する裁判についての職務の執行から除斥されると解するのが相当であるから、職務の執行から除斥されるべき裁判官が関与してされた原々決定及びこれを是認した原決定には、同法20条の解釈適用を誤った違法があり、これが決定に影響を及ぼし、これを取り消さなければ著しく正義に反すると認められるとして、原決定及び原々決定を取り消し、本件を札幌高等裁判所に差し戻した事例。
2025.08.19
損害賠償、求償金請求事件 
LEX/DB25574415/最高裁判所第三小法廷 令和 7年 7月 4日 判決(上告審)/令和5年(受)第1838号
上告人が、普通乗用自動車で走行中に進入しようとした駐車場の設置又は保存の瑕疵により傷害を負ったと主張して、被上告人に対し、不法行為(工作物責任)に基づく損害賠償を求め、上告人は、上記自動車の登録使用者が自動車保険契約を締結していた保険会社から、上記保険契約に適用される普通保険約款中の人身傷害条項に基づき、人身傷害保険金の支払を受けたことから、上記保険会社が上告人の被上告人に対する損害賠償請求権を代位取得する範囲、すなわち、裁判所が、被上告人の上告人に対する損害賠償の額を定めるにあたり民法722条2項の規定を類推適用して上記の事故前から上告人に生じていた身体の疾患をしんしゃくし、その額を減額する場合に、支払を受けた人身傷害保険金の額のうち上記損害賠償請求権の額から控除することができる額の範囲が争われた事案の上告審で、上記疾患が本件限定支払条項にいう既存の身体の障害又は疾病に当たるときは、被害者に対して人身傷害保険金を支払った訴外保険会社は、支払った人身傷害保険金の額と上記の減額をした後の損害額のうちいずれか少ない額を限度として被害者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得すると解するのが相当であり、このことは、訴外保険会社が人身傷害保険金の支払に際し、本件限定支払条項に基づく減額をしたか否かによって左右されるものではないとしたうえで、上告人の請求を棄却すべきものとした原審の判断は、正当として是認することができ、論旨は採用することができず、なお、その余の上告受理申立て理由は、上告受理の決定において排除されたとして、本件上告を棄却した事例(補足意見1名)。
2025.08.19
死体遺棄幇助、死体損壊幇助被告事件 
「新・判例解説Watch」刑法分野 令和7年10月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25574350/札幌地方裁判所 令和 7年 5月 7日 判決(第一審)/令和6年(わ)第156号
被告人は、夫である分離前の相被告人A方において、娘である分離前の相被告人Bと同居して生活していたものであるが、(1)Bが、前記A方において、かねて殺害したCの死体の胴体から切断し同所に持ち込んでいた同人の頭部を継続して隠匿し、もって死体を遺棄した際、その情を知りながら、同所において、Bの前記隠匿を容認し、もって同人の死体遺棄の犯行を容易にさせて幇助し、(2)Bが、同所において、多機能ナイフ等を使用するなどして、前記Cの頭部から右眼球を摘出し、もって死体を損壊した際、これに先立つ同日、A方浴室においてビデオ撮影しながら前記死体損壊をすることを計画していたBから、同ビデオ撮影をするよう求められ、その情を認識しながら、Aに対し、Bの前記求めを伝えて同ビデオ撮影を依頼し、これを承諾したAに、Bの前記死体損壊の場面をビデオ撮影させ、もって同人の死体損壊の犯行を容易にさせて幇助したとして、死体遺棄幇助、死体損壊幇助の罪で懲役1年6か月を求刑された事案で、被告人の行為や態度は、Bの前記死体遺棄の犯行を容易にさせ、また、死体損壊の犯意を増強させてこれを心理的に幇助したものと認定評価でき、被告人の幇助の故意に欠けるところもないから、被告人には死体遺棄幇助罪及び死体損壊幇助罪が成立するとしたうえで、被告人が幇助したBの犯行は常軌を逸する犯行であり、刑法190条に係る犯行の中で犯情は非常に悪く、被告人の幇助行為をみると、Bの犯意を促進した程度も小さくなかったとみるべきである一方、死体損壊幇助の点は、物理的に幇助したとはいえないし、Aに比べれば、Bの死体損壊を促進した程度は小さく、Bの犯行を止めなかったことについて後悔を述べているなど、更生可能性に関する事情も加味するとして、被告人を懲役1年2か月に処し、3年間その刑の執行を猶予した事例。
2025.08.12
不当利得返還等請求事件 
LEX/DB25574403/最高裁判所第一小法廷 令和 7年 6月30日 判決(上告審)/令和6年(受)第1067号
別荘地の管理を行っている被上告人が、同別荘地内に存在する土地を所有していた訴外E及び訴外Eから本件の土地の所有権を相続により取得した上告人Bは、被上告人による本件の土地を含む別荘地の管理により、法律上の原因なく本件の土地の管理に係る管理費相当額の利得を得た一方、原告はこれにより同額の損失を被ったと主張し、上告人らに対し、不当利得に基づき利得金相当額の支払などを求め、第一審がいずれの請求も棄却したことから、被上告人が控訴し、控訴審が被上告人の請求を認容したところ、上告人らが上告した事案で、亡Aらは、本件管理契約を締結することなく被上告人の本件管理業務という労務により法律上の原因なく利益を受け、そのために被上告人に損失を及ぼしたものと認められ、このことは、本件管理業務が本件土地の経済的価値それ自体を維持又は向上させるものではなかったとしても変わるものではなく、また、亡Aらが被上告人による本件管理業務の提供を望んでいなかったとしても、本件管理業務に対する管理費として相当と認められる額の負担を免れることはできないというべきであり、このように解することが契約自由の原則に反するものでないことは明らかであるから、亡Aらは、被上告人に対し、本件管理業務に対する管理費として相当と認められる額の不当利得返還義務を負うものであり、控訴審の判断は是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2025.08.12
不当利得返還等請求事件 
LEX/DB25574404/最高裁判所第一小法廷 令和 7年 6月30日 判決(上告審)/令和5年(受)第2461号
上告人(被控訴人・原告)が、被上告人(控訴人・被告)に対し、本件管理業務という労務により被上告人は法律上の原因なく利益を受け、上告人は損失を被ったとして、不当利得返還請求権に基づき、平成28年7月から令和3年6月までの間における管理費と同額の支払を求め、第一審が請求を一部認容したところ、被上告人らが控訴し、控訴審が、上記事実関係の下において、本件管理業務が本件土地の経済的価値に与えた影響は不明であるから、被上告人が利益を受けたとは認められず、被上告人は上告人に対し不当利得返還義務を負わないと判断して、上告人の請求を棄却したところ、上告人が上告した事案で、上告人の本件管理業務という労務は、本件別荘地内の土地に建物を建築してその土地を利用しているか否かにかかわらず、本件別荘地所有者に利益を生じさせるものであるというべきであり、そして、本件管理業務に要する費用は、本件別荘地所有者から本件管理業務に対する管理費を収受することによって賄うことが予定されているといえるから、被上告人からその支払を受けていない上告人には損失があるというべきであるとし、また、被上告人が上告人による本件管理業務の提供を望んでいなかったとしても、本件管理業務に対する管理費として相当と認められる額の負担を免れることはできないというべきであって、このように解することが契約自由の原則に反するものでないことは明らかであるから、被上告人は、上告人に対し、本件管理業務に対する管理費として相当と認められる額の不当利得返還義務を負い、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、被上告人の控訴を棄却した事例。
2025.08.05
生活保護基準引下げ処分取消等請求事件
「新・判例解説Watch」行政法分野 令和7年9月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25574399/最高裁判所第三小法廷 令和 7年 6月27日 判決(上告審)/令和5年(行ヒ)第397号 他
大阪府内に居住して生活保護法に基づく生活扶助を受給していた上告人ら(上告人X3らについてはその各夫)は、平成25年から平成27年にかけて行われた、厚生労働大臣による「生活保護法による保護の基準」(昭和38年厚生省告示第158号)中の生活扶助基準の改定を理由として、所轄の福祉事務所長らから、それぞれ、生活扶助の支給額を変更する旨の保護変更決定を受けたことから、上告人らが、本件改定は違法であるなどと主張して、〔1〕上告人X1ら及び上告人X2らにおいて被上告人各市を相手に上記の保護変更決定の取消しを求め、〔2〕上告人X1ら及び上告人X3らにおいて被上告人国に対し国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求め、第一審が、X1、X2及びX3を除く者の本件各決定の取消請求については認容し、その余の請求(国家賠償請求)については棄却したところ、双方がそれぞれ控訴し、控訴審が、デフレ調整に係る厚生労働大臣の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるということはできないなどとして、第一審判決中、被上告人ら敗訴部分を取り消し、上告人らの請求を棄却したことから、上告人らが上告した事案で、デフレ調整における改定率の設定については、上記不均衡を是正するために物価変動率のみを直接の指標として用いたことに、専門的知見との整合性を欠くところがあり、この点において、デフレ調整に係る厚生労働大臣の判断の過程及び手続には過誤、欠落があったものというべきであるから、その厚生労働大臣の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があり、生活保護法3条、8条2項に違反して違法というべきであり、したがって上記請求を認容した第1審判決は正当であるとして、同部分につき被上告人各市の控訴を棄却する一方、本件改定につき国家賠償法1条1項にいう違法があったということはできないとして当該部分に係る上告を棄却した事例(反対意見1名、補足意見1名)。
2025.08.05
生活保護基準引下げ処分取消等請求事件
「新・判例解説Watch」行政法分野 令和7年9月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25574400/最高裁判所第三小法廷 令和 7年 6月27日 判決(上告審)/令和6年(行ヒ)第170号
愛知県内に居住して生活保護法に基づく生活扶助を受給していた被上告人承継人を除く被上告人らは、平成25年から平成27年にかけて行われた、厚生労働大臣による「生活保護法による保護の基準」(昭和38年厚生省告示第158号)中の生活扶助基準の改定を理由として、所轄の福祉事務所長らから、それぞれ、生活扶助の支給額を変更する旨の保護変更決定を受けたことから、被上告人らを含む一審原告らが、本件改定は違法であるなどと主張して、〔1〕上告人各市を相手に、上記の保護変更決定の取消しを求めるとともに、〔2〕上告人国に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求め、一審が請求をいずれも棄却したため、一審原告らの一部(上告人ら)が控訴し、控訴審が、一審原告らの請求はいずれも理由があるとして、一審判決を取り消し、上記請求をいずれも認容し、当審における拡張請求を棄却したところ、上告人らが上告した事案で、本件改定は、物価変動率のみを直接の指標としてデフレ調整をすることとした点において、その厚生労働大臣の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があり、生活保護法3条、8条2項に違反して違法というべきであるとする一方、厚生労働大臣が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然とデフレ調整に係る判断をしたと認め得るような事情があったとまでは認められず、他に、同大臣が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と本件改定をしたと認め得るような事情があったというべき根拠は見当たらないから、上告人各市の上告を棄却し、他方、本件改定につき国家賠償法1条1項にいう違法があったということはできないから、損害賠償請求を認容した原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、上告人国の論旨は理由があるから、控訴審判決のうち上記請求に関する部分は破棄を免れず、そして、既に説示したところによれば、上記請求を棄却した一審判決は結論において正当であるとして、同部分につき被上告人らの控訴を棄却した事例(補足意見1名、反対意見1名)。
2025.08.05
破産管財人報酬決定に対する即時抗告事件
「新・判例解説Watch」倒産法分野 令和7年12月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25622948/福岡高等裁判所那覇支部 令和 6年 4月26日 決定(抗告審(即時抗告))/令和6年(ラ)第14号
Bを破産者とする那覇地方裁判所破産手続開始申立事件(基本事件)の申立人であり、破産債権者である抗告人が、基本事件における破産管財人(被抗告人)の報酬を600万円と定めた原決定を不服として、即時抗告した事案で、基本事件は、抗告人の申立てにより開始されたものの、その債務者審尋期日において破産者自身がもともと自己破産を検討しており自らの破産状態につき異議を述べず、破産管財人に対して抵抗する態度を示さなかったうえ、基本事件における破産手続の費用として予納された金額は297万円、債権認否表における破産債権の総額は約4億3102万円、形成された破産財団が約1264万円であり、仮に上記報酬額を600万円とした場合の配当原資は、上記破産財団から上記予納金額と上記報酬額を控除した約367万円(配当率は約0.8%)となるものと認められるところ、上記上申書において指摘されている管財業務の内容等の事情を考慮したとしても、その適正な報酬額は400万円を上回るものではないとみるのが相当であり、これを超えて600万円とした原審の判断は、明らかにその裁量権の範囲を逸脱したものといわざるを得ないなどとして、原決定を取り消し、基本事件に係る破産管財人の報酬を400万円と定めた事例。
2025.07.29
持続化給付金等支払請求事件 
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和7年9月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25574371/最高裁判所第一小法廷 令和 7年 6月16日 判決(上告審)/令和6年(行ツ)第21号
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律2条7項1号所定の無店舗型性風俗特殊営業を行う事業者である上告人が、新型コロナウイルス感染症の拡大等を受けて被上告人国が策定した持続化給付金給付規程及び家賃支援給付金給付規程に定める各給付金につき、本件特殊営業を行う事業者には給付しないこととされていることが、憲法14条1項、22条1項に違反するなどと主張して、被上告人らに対し、本件各給付金の支払等を求め、第一審が、上告人の各確認の訴えをいずれも却下し、その余の請求をいずれも棄却したことから、上告人が控訴し、控訴審が控訴をいずれも棄却したところ、上告人が上告した事案で、本件各取扱いは、憲法14条1項に違反するものとはいえないなどとして、本件上告を棄却した事例(反対意見及び補足意見あり)。
2025.07.29
納骨堂経営許可処分等取消請求事件 
「新・判例解説Watch」環境法分野 令和7年8月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25622806/大阪地方裁判所 令和 7年 4月25日 判決(差戻第一審)/令和5年(行ウ)第77号
大阪市長が、宗教法人であるA寺に対し、墓地、埋葬等に関する法律10条の規定により、納骨堂の経営の許可及びその施設の変更の許可をしたところ、同納骨堂の周辺に居住する原告らが、被告・大阪市を相手に、本件各許可の取消しを求め、差戻し前第一審が、本件訴えは不適法であるとして、本件訴えをいずれも却下する旨の判決をしたところ、原告ら及び別件会社が控訴し、控訴審が、本件納骨堂からおおむね300m以内の人家に居住する原告らは本件各許可の取消しを求める原告適格を有すると判断し、第1審判決のうち被上告人らの訴えを却下した部分を取り消して、同部分につき本件を第一審に差し戻したため、被告が上告し、上告審が、控訴審の判断は、結論において是認することができるとして、本件上告を棄却した(補足意見、及び、意見がある)ため、第一審に差し戻された事案で、本件申請は、本件審査基準をいずれも満たすものであり、本件細則8条ただし書の「生活環境を著しく損なうおそれ」があるとはいえない場合に該当するものと認め、本件許可処分をした大阪市長の判断について、裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとは認められないから、本件許可処分は適法であるとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2025.07.22
行政文書不開示処分取消等請求事件 
「新・判例解説Watch」行政法分野解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25574356/最高裁判所第三小法廷 令和 7年 6月 6日 判決(上告審)/令和6年(行ヒ)第94号
上告人が、行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づき、消費者庁長官に対し、平成27年度に消費者庁が外部の機関に委託した、機能性表示食品に係る機能性関与成分に関する検証事業の報告書の開示を請求したところ、本件文書の一部に記録された情報が情報公開法5条6号柱書き及び同号イ所定の不開示情報に該当するなどとして、当該一部を開示しないなどとする決定を受けたため、被上告人を相手に、上記決定のうち、本件各不開示箇所における本件各取消請求事項に係る部分の取消し及び本件文書の本件各取消請求事項に係る部分の開示決定の義務付けを求めたところ、原審が、本件各不開示箇所に記録された検証の手法や基準、検証結果(データ)、考察内容、問題点等の情報は情報公開法5条6号柱書き及び同号イ所定の不開示情報に該当するとして、上告人の取消請求を棄却し、これに係る開示決定の義務付けを求める訴えを却下したことから、上告人が上告した事案で、原審は、本件各不開示箇所を開示することにより検証機関による忌たんのない検討結果の指摘を困難にするおそれがあるものといえる理由を示しておらず、諸点について認定説示することなく、本件各不開示箇所を開示することにより事業者において消費者庁の事後監視や検証機関による問題点の指摘を免れることを容易にさせるおそれがあるなどとして、本件各不開示箇所に記録された情報が情報公開法5条6号柱書き及び同号イ所定の不開示情報に該当するとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、本件を高等裁判所に差し戻した事例(補足意見あり)。
2025.07.22
新株予約権無償割当差止仮処分命令申立事件(ニデックによる牧野フライス製作所新株予約権無償割当差止仮処分命令申立事件) 
LEX/DB25622911/東京地方裁判所 令和 7年 5月 7日 決定(第一審)/令和7年(ヨ)第30094号
令和6年12月27日に予告したうえ、令和7年4月4日に債務者の普通株式の公開買付けを開始した債権者が、これに対応するために債務者が株主総会による承認を要件として同月10日開催の取締役会決議に基づき現に手続中の第1回A新株予約権について、株主平等原則(会社法109条)に違反して、又は著しく不公正な方法により行われるものであり、債務者の株主である債権者が不利益を受けるおそれがあるなどと主張して、新株予約権の無償割当ての差止請求権(同法247条類推適用)を被保全権利とする本件無償割当ての差止めの仮処分を求めた事案で、本件無償割当てについては、本件TOBと競合提案との比較検討等を通じて、企業買収に伴う正当な利益を債務者の株主が享受する機会を確保するための必要かつ相当な差別的取扱いというべきであるから、これが株主平等原則の趣旨に違反する違法なものであるということはできず、会社法247条1項1号の事由について疎明を欠くとし、また、本件無償割当てが著しく不公正な方法により行われるものであるとことをうかがわせる資料は見当たらず、同条1項2号の事由についても疎明を欠くとして、本件申立てを却下した事例。
2025.07.15
児童扶養手当支給停止処分取消請求事件 
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和7年8月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25574366/最高裁判所第三小法廷 令和 7年 6月10日 判決(上告審)/令和6年(行ツ)第54号
配偶者のない母として4人の子を養育し、児童扶養手当を受給していた上告人が、平成29年4月20日、平成27年11月分に遡って障害基礎年金(障害等級1級)の給付決定を受け、同月分から平成29年3月分までの障害基礎年金として195万3158円の支払を受け、同年4月分以降も障害基礎年金の支給を受けることになったため、京都府知事から、児童扶養手当法(令和2年法律第40号による改正前)13条の2第2項の規定を受けた同法施行令(令和2年政令第318号による改正前)6条の4に基づき、同年2月分以降の児童扶養手当の支給を停止する旨の処分を受けたことから、児童扶養手当法施行令(同改正前)6条の4のうち、障害基礎年金の子加算部分だけでなく本体部分についても併給調整の対象として児童扶養手当の支給を停止する旨を定めた部分は、〔1〕児童扶養手当法(同改正前)13条の2第2項に基づく法律の委任の範囲を逸脱した違法、無効なものである、〔2〕憲法14条、25条及び国際人権規約等の条約に反した無効なものであると主張して、本件併給調整規定に基づいてされた本件各処分のうち、それぞれ障害基礎年金の子加算部分に相当する部分を除く部分の取消しを求め、第一審が請求をいずれも棄却したことから、上告人が控訴し、控訴審が、本件控訴を棄却したところ、上告人が上告した事案で、児童扶養手当法13条の2第2項1号の規定及び児童扶養手当法施行令6条の4の規定のうち同号所定の公的年金給付中の受給権者に子があることによって加算された部分以外の部分を対象として児童扶養手当の支給を制限する旨を定める部分が、障害基礎年金との併給調整において憲法25条、14条1項に違反するものとはいえないなどとして、本件上告を棄却した事例(反対意見あり)。
2025.07.15
損害賠償等請求事件(ジェットスター・ジャパン事件) 
LEX/DB25622534/東京地方裁判所 令和 7年 4月22日 判決(第一審)/令和4年(ワ)第18366号
航空運送事業を営む被告との間で労働契約を締結し、客室乗務員として勤務していた原告らが、被告から労働基準法34条1項の定める休憩時間が付与されない勤務を命じられ、これに従事したことにより精神的苦痛を受けたと主張して、被告に対し、選択的に債務不履行(安全配慮義務違反)又は不法行為に基づく損害賠償金(慰謝料及び弁護士費用)として、原告各自につき金員及び遅延損害金の支払を求めるとともに、現在客室乗務員として被告に勤務している原告らが、将来にわたって継続的に、被告から同法34条1項の定める休憩時間が付与されない勤務を命じられるおそれがあると主張して、人格権に基づき、上記勤務を命ずることの差止めを求めた事案で、被告が原告らに対して同条に違反する勤務を命じたことは、労働者の健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務(安全配慮義務)に違反するというべきであるから、被告は、これにより原告らに生じた損害について賠償する責任を負うとし、また、現職原告らの差止請求は、被告が、現職原告らに対し、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を付与しない勤務(労基規則32条2項所定の時間の合計が上記休憩時間に相当する場合を除く)を命ずることの差止めを求める限度で理由があるとして、原告らの請求を一部認容した事例。
2025.07.08
警察庁保有個人情報管理簿一部不開示決定取消等請求事件 
「新・判例解説Watch」行政法分野 令和7年8月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25574338/最高裁判所第三小法廷 令和 7年 6月 3日 判決(上告審)/令和5年(行ヒ)第335号
上告人(控訴人・原告)が、行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づき、警察庁長官に対し、行政文書の開示を請求したところ、警察庁の保有する保有個人情報管理簿122通につき、それぞれの一部を開示し、その余の部分には、情報公開法5条3号又は4号所定の不開示情報が記録されているとして、これを不開示とする旨の決定を受けたため、被上告人(被控訴人・原告)・国を相手に、不開示部分の取消し等を求め、第一審が、本件処分のうち一部を取り消し、警察庁長官に対して同部分を開示する旨の決定をするよう命じ、本件処分のうちその余の取消請求については棄却し、またその余の義務付け請求に係る部分を不適法却下したため、上告人が控訴し、控訴審が、全10項目のうち3項目の記載欄についてはいずれも3号情報又は4号情報に該当すると認められ、7項目の記載欄については、そのうち分類A及び分類Bの情報については3号情報又は4号情報に該当すると認められる一方、分類Cの情報についてはこれらの該当性を認めることができないとし、7項目の記載欄のうち分類Cに係る部分は、情報公開法6条1項に基づき、開示しなければならないとして、第一審判決を変更したところ、上告人が上告した事案で、控訴審は、別件各決定によっても開示されていない「備考」欄である別紙目録記載2及び3の部分についても、被上告人に対し、文書ごとに、小項目が設けられているか否か、小項目が設けられている場合に、それでもなお当該「備考」欄について一体的に本件各号情報が記録されているといえるか否か等について明らかにするよう求めたうえで、合理的に区切られた範囲ごとに、本件各号情報該当性についての判断をすべきであったということができるが、しかるに、原審はそれぞれ一体的に本件各号情報該当性についての判断をしたものであり、判決に影響を及ぼすことが明らかな違法があるとして、原判決中、一部を破棄し、当該破棄部分につき、本件を東京高等裁判所に差し戻し、上告人のその余の上告を棄却した事例(3名の裁判官各補足意見、裁判官1名の意見あり)。
2025.07.08
国家賠償請求控訴事件 
LEX/DB25622799/東京高等裁判所 令和 7年 5月28日 判決(控訴審)/令和6年(ネ)第453号
経済産業大臣の許可を受けずに噴霧乾燥器2台を輸出したことが犯罪事実であるとして逮捕・勾留された被控訴人(原告)らが、警視庁所属の警察官による被控訴人P5、同P6及び亡P10の逮捕、被控訴人P6の取調べ等、並びに検察官による被控訴人P5ら3名の勾留請求、被控訴人P5ら3名及び被控訴人会社に対する公訴提起がいずれも違法なものであるなどと主張して、控訴人(被告)らに対し、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償を求め、原審が控訴人らの請求を一部認容したところ、控訴人ら及び被控訴人らがそれぞれ控訴した事案で、〔1〕公安部が本件各逮捕を行ったことについては、合理的根拠が客観的に欠如していることが明らかであって、国家賠償法1条1項の適用上違法というべきであり、〔2〕公安部が本件各逮捕を行ったことについては、合理的根拠が客観的に欠如していることが明らかであって、国家賠償法1条1項の適用上違法というべきであり、〔3〕被控訴人P6に対する取調べ及び弁解録取書作成は、偽計的な方法を用いて、被控訴人P6が了解していないばかりか、その真意と異なる捜査機関側の見立てに沿った内容の記載をした弁解録取書に署名指印をさせるものであって、被控訴人P6の自由な意思決定を阻害することが明らかな態様による弁解録取手続をしたものといわざるを得ず、国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を免れないが、〔4〕検事が第1事件勾留請求をしたことは、国家賠償法1条1項の適用上違法であるということはできず、〔5〕第1事件公訴提起は、国家賠償法1条1項の適用上違法であり、〔6〕第2事件勾留請求及び第2事件公訴提起は、いずれも国家賠償法1条1項の適用上違法であるとしたうえで、被控訴人らの損害を改めて検討し、被控訴人らの請求につき、原判決を変更し、控訴人らの控訴(被控訴人会社に対する控訴を除く)をいずれも棄却し、被控訴人会社の控訴を棄却した事例。
2025.07.01
傷害致死被告事件 
LEX/DB25622177/横浜地方裁判所 令和 7年 1月16日 判決(第一審)/令和3年(わ)第1754号
被告人が、社会福祉法人B保育園1階一時保育室内において、C(当時1歳1か月)に対し、その後頭部を鈍体に複数回叩きつける暴行を加え、同人に頭部打撲、頭蓋骨骨折に伴う外傷性くも膜下出血の傷害を負わせ、よって、同人を前記傷害により死亡させたとして、傷害致死の罪で懲役10年を求刑された事案で、本件傷害が本児の死因であるとは認められず、これらの受傷時期を特定できる証拠も見当たらず、出血部位のくも膜下でマクロファージが確認されることから、本件傷害が本児が死亡するより相当以前、具体的には12時間以上前に生じていた可能性もあるとしたうえで、本児に認められる本件傷害が本児の死因であるとは認められず、本件傷害が生じた時期も本児を含む園児と被告人のみが一時保育室にいた時間帯であるとは確定できない以上、その死因が何であるにせよ、被告人が本児にこれらを生じさせた暴行を加えた犯人であるとして有罪とする根拠はないとして、被告人に無罪を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2025.07.01
株式交換差止仮処分命令申立却下決定に対する抗告事件(エルアイイーエイチ元代表取締役による株式交換差止仮処分命令申立事件) 
LEX/DB25622491/東京高等裁判所  令和 6年10月16日 決定(抗告審)/令和6年(ラ)第2271号
相手方(原審債務者)・会社の株主である抗告人(原審債権者)が、令和6年9月24日締結の〔1〕相手方とM社との間の、相手方を完全親会社とし、M社を完全子会社とする株式交換契約及び〔2〕相手方とF社との間の、相手方を完全親会社とし、F社を完全子会社とする株式交換契約に基づいて行おうとしている各株式交換について、本件各株式交換が法令又は定款に違反し、相手方の株主が不利益を受けるおそれがあるなどと主張して、相手方に対する会社法796条の2第1号に基づく株式交換差止請求権を被保全権利として、本件各株式交換の差止めの仮処分を求め、原審が、抗告人の本件申立てをいずれも却下したところ、抗告人が本件抗告をした事案で、公告日の2週間後である反対通知の期限は、相手方が個別株主通知を受けた同年10月11日以降であったことを主張するが、当該広告は当該書面の日付の到来した9月26日午前0時に公告の効力が発生するものであるから(民法140条ただし書き)、抗告人の上記主張は採用することができないとし、抗告人の利益を殊更に保護すべきことや、信義則上、抗告人の反対通知の効力を相手方に対抗することを認めるべきことを基礎付けるに足りる事情は認められないとして、本件抗告を棄却した事例。