注目の判例

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2021.05.11
手数料還付申立て却下決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25571482/最高裁判所第三小法廷 令和 3年 4月27日 決定 (許可抗告審)/令和2年(行フ)第2号
平成31年4月21日執行の新宿区議会議員選挙で、当選人とされたが、選挙人からの異議の申出を受けた新宿区選挙管理委員会から、引き続き3か月以上新宿区の区域内に住所を有する者という被選挙権の要件を満たしていないとして、当選を無効とする決定を受け、東京都選挙管理委員会に審査の申立てをしたところ、これを棄却するとの裁決を受け、本件の本案訴訟(東京高等裁判所令和2年(行ケ)第1号)は、抗告人が、東京都選挙管理委員会を相手に、本件裁決の取消し及び本件決定の取消しに加え、上記選挙で当選人とされたAの当選を無効とすることを求めた(本件裁決の取消しを求める請求を「請求1」、本件決定の取消しを求める請求を「請求2」、Aの当選無効を求める請求を「請求3」)。本件は、抗告人が、本案訴訟の訴え提起の手数料として、訴訟の目的の価額320万円に応じた2万1000円を納めたが、訴訟の目的の価額は正しくは160万円であり、これに応じた手数料の額は1万3000円であるとして、民事訴訟費用等に関する法律9条1項に基づき、8000円の還付を申し立てたところ、原審は、本案訴訟の目的の価額は、少なくとも、請求1及び2に係る160万円と請求3に係る160万円を合算した320万円になるとして、抗告人の申立てを却下したため、抗告人が許可抗告した事案において、請求1及び2と請求3とでは、訴えで主張する利益が共通であるということはできないと判示し、本案訴訟の目的の価額は、少なくとも、請求1及び2に係る160万円と請求3に係る160万円とを合算した320万円になり、これに応じて訴え提起の手数料の額を算出することとなるとして、抗告人の申立てを却下した原審の判断は是認できるとし、本件抗告を棄却した事例。
2021.05.11
 
LEX/DB25569269/東京地方裁判所 令和 3年 4月21日 判決 (第一審)
アメリカ合衆国のニューヨーク州において婚姻を挙行したとする原告らが、千代田区長に対し、「婚姻後の夫婦の氏」につき「夫の氏」と「妻の氏」のいずれにもレ点を付した婚姻の届書を提出して婚姻の届出をしたところ、民法750条及び戸籍法74条1号に違反していることを理由として不受理とする処分を受けたことから、被告(国)に対し、(1)主位的に、戸籍法13条等に基づき、戸籍への記載によって原告らが互いに相原告と婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位にあることの確認を求め、(2)予備的に、〔1〕憲法24条等に基づき、被告が作成する証明書(戸籍への記載以外の方法によるものと解される。)の交付によって原告らが互いに相原告と婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位にあることの確認を求めるとともに、〔2〕外国の方式に従って「夫婦が称する氏」を定めないまま婚姻した日本人夫婦について,婚姻関係を公証する規定を戸籍法に設けていない立法不作為は憲法24条に違反するなどと主張して、国家賠償法1条1項の規定に基づき,慰謝料各10万円の支払を求めた事案において、本件訴えのうち地位の確認に係る部分はいずれも不適法であるとして却下し、原告らのその余の請求を棄却した事例。
2021.05.06
損害賠償請求事件
LEX/DB25571480/最高裁判所第二小法廷 令和 3年 4月26日 判決 (上告審)/令和1年(受)第1287号
乳幼児期に集団ツベルクリン反応検査又は集団予防接種を受けたことによりB型肝炎ウイルス(HBV)に感染して成人後にHBe抗原陽性慢性肝炎を発症し、鎮静化をみたものの、その後にHBe抗原陰性慢性肝炎を発症した件で、上告人(原告・被控訴人)らが、被上告人(被告・控訴人)に対し、HBe抗原陰性慢性肝炎を発症したことにより精神的・経済的損害等を被ったと主張して、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求め、原審は、被上告人には、上告人らに対する集団予防接種等の実施に当たり、HBV感染を未然に防止すべき義務を怠った過失があるとした上で、上告人らの損害賠償請求権は除斥期間の経過により消滅したとして、上告人らの請求を棄却したため、上告人らが上告した事案において、上告人らがHBe抗原陰性慢性肝炎を発症したことによる損害については、HBe抗原陽性慢性肝炎の発症の時ではなく、HBe抗原陰性慢性肝炎の発症の時が民法724条後段所定の除斥期間の起算点となるというべきであると判示し、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、上告人らの損害額について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととした事例(補足意見がある)。
2021.05.06
再審請求棄却決定に対する即時抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25571479/最高裁判所第一小法廷 令和 3年 4月21日 決定 (特別抗告審)/平成30年(し)第76号
亡死刑囚に対する死体遺棄、略取誘拐、殺人被告事件について、同人は死刑に処する旨の有罪判決を受け、控訴及び上告はいずれも棄却され、第1審判決が確定し、同人に対し、既に死刑が執行されたものであるが、申立人(再審請求人)が再審を請求したところ、原々決定は、弁護人が提出した証拠はいずれも明白性が認められないとして再審請求が棄却されたため、申立人が即時抗告し、原決定は、原々決定が新証拠の立証命題と関連しない旧証拠の証明力に関する原々審弁護人の主張について明示的に判断を示していないことに誤りはなく、旧証拠の証明力に関する判断を原々決定が遺脱しているとの所論は理由がないとし、原々決定の判断を是認し、即時抗告を棄却したため、申立人(再審請求人)が特別抗告をした事案において、HLADQα型鑑定並びにミトコンドリアDNA型鑑定及びHLADQB型鑑定の証明力は,確定判決が説示するとおり、鑑定資料のDNA量や状態の不良、更にはこれらの鑑定自体の特性等に基づいて評価されるべきものであって、MCT118型鑑定の証明力減殺が、HLADQα型鑑定並びにミトコンドリアDNA型鑑定及びHLADQB型鑑定の証明力に関する評価を左右する関係にあるとはいえないから、それらの再評価を要することになるものではないとした上で、原々決定がこれらの鑑定の証明力を再評価しなかったことに誤りはない旨判示した原決定の判断は正当であるとして、本件抗告を棄却した事例。
2021.04.27
遺言有効確認請求事件
LEX/DB25571463/最高裁判所第二小法廷 令和 3年 4月16日 判決 (上告審)/令和2年(受)第645号
上告人が、被上告人に対し、両名の母であるAを遺言者とする平成20年4月17日付け自筆証書(本件遺言書)による本件遺言が有効であることの確認を求め、原審が、本件訴えを却下したため、上告人が上告した事案で、前訴において、上告人は、被上告人に対し、被上告人がAの立替金債務を法定相続分の割合により相続したと主張し、その支払を求めて前件反訴を提起したが、上告人による立替払の事実が認められないとして請求を棄却する判決がされ、前件反訴によって利益を得ていないのであるから、本件訴えにおいて本件遺言が有効であることの確認がされたとしても、上告人が前件反訴の結果と矛盾する利益を得ることになるとはいえず、本件訴えの提起が信義則に反するとはいえないとし、これと異なる見解の下に、本件訴えを却下すべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決を破棄し、第1審判決を取消し、更に審理を尽くさせるため、本件を第1審に差し戻しを命じた事例。
2021.04.27
訴訟行為の排除を求める申立ての却下決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25571470/最高裁判所第二小法廷 令和 3年 4月14日 決定 (許可抗告審)/令和2年(許)第37号
相手方らを原告とし、抗告人を被告とする訴訟(本件訴訟)において、相手方らが、A弁護士及びO弁護士が抗告人の訴訟代理人として訴訟行為をすることは弁護士職務基本規程(平成16年日本弁護士連合会会規第70号)57条に違反すると主張して、A弁護士らの各訴訟行為の排除を求めた事案の上告審において、弁護士職務基本規程57条に違反する訴訟行為については、相手方である当事者は、同条違反を理由として、これに異議を述べ、裁判所に対しその行為の排除を求めることはできないというべきであり、これと異なる原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原決定を破棄し、本件申立てを却下した原々決定は、結論において是認することができるから、原々決定に対する抗告を棄却した事例(補足意見がある)。
2021.04.27
強盗殺人被告事件(干物店強盗殺人事件)
LEX/DB25571457/最高裁判所第一小法廷 令和 3年 1月28日 判決 (上告審)/平成30年(あ)第1270号
金銭に窮した被告人が、以前勤務していた干物店において、経営者の女性らを殺害して現金を強取しようと決意し、同女と従業員の男性の頸部等を刃物で突き刺すなどした上、業務用冷凍庫に入れ、扉の外にバリケードを設けて閉じ込め、両名を出血性ショックにより死亡させて殺害し、その際、店の売上金等を強取したという強盗殺人の事案で、第1審判決は死刑を言い渡し、原判決も控訴を棄却したため、被告人が上告した事案で、被告人の刑事責任は極めて重大であるといわざるを得ず、当初から強盗殺人を計画した犯行であるとまでは認められないこと、犯行前は懲役前科がなかったことなど、被告人のために酌むべき事情を十分に考慮しても、被告人を死刑に処した第1審判決を維持した原判断は、やむを得ないものとして、上告審も死刑判決を維持した事例。
2021.04.20
損害賠償請求事件
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「新・判例解説Watch」憲法分野 令和3年6月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25568979/札幌地方裁判所 令和 3年 3月17日 判決 (第一審)/平成31年(ワ)第267号
原告らが、同性の者同士の婚姻を認めていない民法739条1項及び戸籍法74条1号の本件規定は、憲法13条、14条1項及び24条に反するにもかかわらず、国が必要な立法措置を講じていないことが、国家賠償法1条1項の適用上違法であると主張し、慰謝料各100万円及びこれらに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、本件規定が、異性愛者に対しては婚姻という制度を利用する機会を提供しているにもかかわらず、同性愛者に対しては、婚姻によって生じる法的効果の一部ですらもこれを享受する法的手段を提供しないとしていることは、立法府が広範な立法裁量を有することを前提としても、その裁量権の範囲を超えたものであるといわざるを得ず、本件区別取扱いは、その限度で合理的根拠を欠く差別取扱いに当たると解さざるを得ないとし、本件規定は憲法14条1項に違反すると認めたものの、国家賠償法1条1項の適用の観点からみた場合には、憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反することが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたって改廃等の立法措置を怠っていたと評価することはできないとして、原告らの請求を棄却した事例。
2021.04.20
保険金請求控訴事件
LEX/DB25568960/広島高等裁判所 令和 3年 3月12日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第322号
控訴人(原告)が、被控訴人(被告。損害保険会社)との間で、控訴人名義の自動車(本件車両)につき自動車保険契約を締結し、また、被控訴人を保険者とする団体保険契約の被保険者とされていたところ、これらの保険期間中に、本件車両を運転中に起こした交通事故により受傷したなどと主張して、被控訴人に対し、本件保険契約に基づく人身傷害等の保険金(5680万7604円)及び本件団体保険契約の傷害補償特約等に基づく保険金(1641万円)の合計7321万7604円並びにこれらに対する遅延損害金の支払を求めたところ、原審は、控訴人の請求をいずれも棄却したため、これを不服として控訴人が控訴した事案で、本件事故の原因となった控訴人の行為については、ほとんど故意に等しい注意欠如の状態にあり、重大な過失に当たるとし、これと同旨の原判決は相当であり、控訴人の本件控訴を棄却した事例。
2021.04.20
投稿記事削除請求事件
LEX/DB25568902/東京地方裁判所 令和 3年 3月 5日 判決 (第一審)/令和2年(ワ)第3663号
開業医である原告が、被告法人が管理運営するウェブサイトにおいて第三者が投稿した記事により、原告の名誉が毀損されたと主張して、被告に対し、人格権に基づく妨害排除請求として、同記事の削除を求めた事案で、一般の閲覧者の注意と読み方からすると、本件記事による原告の社会的評価の低下が全くないとはいえないが、その社会的評価の低下の程度は受忍限度の範囲内であるというべきであり、原告の名誉が毀損されたということはできないとして、原告の請求を棄却した事例。
2021.04.13
子の監護に関する処分(監護者指定)審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
「新・判例解説Watch」家族法分野 令和3年5月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25571436/最高裁判所第一小法廷 令和 3年 3月29日 決定 (許可抗告審)/令和2年(許)第14号
A(本件子)の祖母である相手方が、本件子の実母である抗告人Y1及び養親である抗告人Y2を相手方として、家事事件手続法別表第2の3の項所定の子の監護に関する処分として本件子の監護をすべき者を定める審判を申し立てたところ、原審は、本件子の監護をすべき者を相手方と指定すべきものとしたため、抗告人らが許可抗告した事案において、相手方は、事実上本件子を監護してきた者であるが、本件子の父母ではないから、家庭裁判所に対し、子の監護に関する処分として本件子の監護をすべき者を定める審判を申し立てることはできないとし、相手方の本件申立ては、不適法であるとし、これと異なる原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原決定を破棄し、原々審判を取消し、相手方の本件申立てを却下した事例。
2021.04.13
子の監護に関する処分(面会交流)申立て却下審判に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25571437/最高裁判所第一小法廷 令和 3年 3月29日 決定 (許可抗告審)/令和2年(許)第4号
A(本件子)の祖父母である相手方らが、本件子の父である抗告人を相手方として、家事事件手続法別表第2の3の項所定の子の監護に関する処分として相手方らと本件子との面会及びその他の交流について定める審判を申し立てたところ、原審は、相手方らの本件申立てを不適法として却下した原々審判を取消し、本件を原々審に差し戻しの判断をしたため、抗告人が許可抗告した事案において、相手方らは、相手方らの子であるBによる本件子の監護を補助してきた者であるが、本件子の父母ではないから、家庭裁判所に対し、子の監護に関する処分として相手方らと本件子との面会交流について定める審判を申し立てることはできず、相手方らの本件申立ては不適法であるとし、これと異なる原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原決定を破棄し、子の監護に関する処分の申立てを却下する審判に対して即時抗告をすることができるのは「子の父母及び子の監護者」(家事事件手続法156条4号)であるところ、相手方らが本件子の「父母」又は「監護者」のいずれにも当たらないとして、原々審判に対する相手方らの抗告は不適法であるとして、却下した事例。
2021.04.13
損害賠償等請求事件
LEX/DB25568977/東京地方裁判所 令和 3年 3月16日 判決 (第一審)/令和2年(ワ)第1522号
放送事業を営む法人である原告が、被告がその管理運営するウェブサイトにおいて原告及びその職員が放火事件に関与したことをうかがわせる記事を投稿するとともに、ツイッター(インターネットを利用してツイートと呼ばれる140字以内のメッセージ等を投稿することができる情報ネットワーク)において、上記記事を引用する記事を投稿したことにより、原告の名誉が毀損されたと主張して、被告に対し、不法行為に基づき、損害賠償として691万8880円及びこれに対する遅延損害金の支払並びに名誉回復処分として謝罪文書の交付を求めた事案で、被告が本件記事及び本件ツイートを投稿した行為は、原告の名誉を毀損するものとして原告に対する不法行為を構成するとし、賠償金の請求については請求額を減額した内容で認容し、謝罪文書の交付請求については、被告による本件投稿行為によって生じた原告の損害を回復するために、金銭賠償に加えて、謝罪文書の交付まで命ずることが適当であるとは認められないとして、請求を棄却した事例。
2021.04.06
退職金等請求事件
LEX/DB25571413/最高裁判所第一小法廷 令和 3年 3月25日 判決 (上告審)/令和2年(受)第753号 等
被上告人が、母Aの死亡に関し、上告人機構に対し上記共済契約に基づく退職金の、上告人JPP基金規約に基づく遺族給付金の、出版厚生年金基金の権利義務を承継した上告人出版基金に対し出版厚生年金基金の規約に基づく遺族一時金の各支払を求め、中小企業退職金共済法、JPP基金規約及び出版基金規約において、本件退職金等の最先順位の受給権者はいずれも「配偶者」と定められており、被上告人は、Aとその民法上の配偶者であるCとが事実上の離婚状態にあったため、Cは本件退職金等の支給を受けるべき配偶者に該当せず、被上告人が次順位の受給権者として受給権を有すると主張している事案の上告審で、民法上の配偶者は、事実上の離婚状態にある場合には、中小企業退職金共済法14条1項1号にいう配偶者に当たらず、遺族給付金及び遺族一時金についても、民法上の配偶者は、その婚姻関係が事実上の離婚状態にある場合には、その支給を受けるべき配偶者に当たらないものというべきであるとし、これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2021.04.06
損害賠償請求事件
LEX/DB25568901/熊本地方裁判所 令和 3年 3月 3日 判決 (第一審)/令和1年(ワ)第319号
熊本県少年保護育成条例違反の被疑事実により熊本県警察に逮捕・勾留された原告(当時19歳)が、その逮捕・勾留中に熊本県警察の警察官が取調べの際に黙秘権を告知しなかったほか、黙秘権侵害となる発言をし、弁護人との接見内容に関する質問を行ったこと等により原告の黙秘権及び弁護人との接見交通権が侵害された旨主張して、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償金220万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、原告は、C巡査部長の違法な取調べによって、その黙秘権及び弁護人との接見交通権を侵害されて精神的苦痛を受けたものと認め、原告の請求を一部認容した事例。
2021.03.30
検証物提示命令に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25571393/最高裁判所第一小法廷 令和 3年 3月18日 決定 (許可抗告審)/令和2年(許)第10号
相手方は、本件メールの送信者に対する損害賠償請求訴訟を提起する予定であり、本件送信者の氏名、住所等(送信者情報)が記録され、又は記載された電磁的記録媒体又は文書(本件記録媒体等)についてあらかじめ証拠調べをしておかなければその証拠を使用することが困難となる事情があると主張し、訴えの提起前における証拠保全として、本件記録媒体等につき検証の申出をするとともに抗告人に対する検証物提示命令の申立てをしたところ、原審は、電気通信事業に従事する者には民事訴訟法197条1項2号が類推適用されるとした上で、本件申立てを認容すべきものとしたたため、抗告人が抗告した事案で、抗告人は、本件メールの送信者情報について黙秘の義務を免除されていないことが明らかであるから、本件記録媒体等を検証の目的として提示する義務を負わないというべきであり、これと異なる原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原決定を破棄し、原々決定を取消し、本件申立てを却下した事例。
2021.03.30
要指導医薬品指定差止請求事件
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LEX/DB25571387/最高裁判所第一小法廷 令和 3年 3月18日 判決 (上告審)/令和1年(行ツ)第179号
店舗以外の場所にいる者に対する郵便その他の方法による医薬品の販売をインターネットを通じて行う事業者が、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律36条の6第1項及び3項(本件各規定)は、憲法22条1項に違反するなどと主張して、国を相手に、要指導医薬品として指定された製剤の一部につき、上記方法による医薬品の販売をすることができる権利ないし地位を有することの確認等を求めた事案の上告審において、本件各規定による規制の目的、必要性、内容、これによって制限される職業の自由の性質、内容及び制限の程度に照らすと、本件各規定による規制に必要性と合理性があるとした判断が、立法府の合理的裁量の範囲を超えるものであるということはできず、本件各規定が憲法22条1項に違反しないとして、本件上告を棄却した事例。
2021.03.23
法人税更正処分取消請求事件
LEX/DB25571360/最高裁判所第一小法廷 令和 3年 3月11日 判決 (上告審)/令和1年(行ヒ)第333号
内国法人である被上告人(原告・被控訴人)は、平成24年4月1日から同25年3月31日までの連結事業年度において、外国子会社から資本剰余金及び利益剰余金を原資とする剰余金の配当(本件配当)を受け、このうち、資本剰余金を原資とする部分(本件資本配当)は法人税法24条1項3号所定の資本の払戻しに、利益剰余金を原資とする部分(本件利益配当)は同法23条1項1号所定の剰余金の配当にそれぞれ該当するとして、本件連結事業年度の法人税の連結確定申告(本件申告)をした。これに対し、所轄税務署長は、本件配当の全額が上記の資本の払戻しに該当するとして、本件連結事業年度の法人税の更正処分をしたことにより、被上告人が、上告人(被告・控訴人。国)を相手に、本件更正処分のうち本件申告に係る申告額を超える部分の取消しを求めた事案で、1審判決は、被上告人の請求を認容したため、上告人が控訴し、控訴審判決も被上告人の請求を認容すべきものとして控訴を棄却したため、上告人が上告した事案で、本件資本配当の額を超える直前払戻等対応資本金額等に基づいて、本件配当におけるみなし配当金額及び有価証券の譲渡に係る対価の額を計算することは誤りであるといわざるを得ず、被上告人の本件連結事業年度における連結所得金額が本件申告の額を超え、翌期へ繰り越す連結欠損金額が本件申告の額を下回るものと認めることはできないから、本件更正処分のうち本件申告に係る申告額を超える部分は違法であるとし、被上告人の請求を認容すべきものとした原審の判断は、結論において是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2021.03.23
生活保護基準引下げ処分取消等請求事件(甲事件、乙事件)
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和3年5月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
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LEX/DB25568796/大阪地方裁判所 令和 3年 2月22日 判決 (第一審)/平成26年(行ウ)第288号 等
大阪府内に居住して生活保護法に基づく生活扶助の支給を受けている原告ら(ただし、原告X1、原告X2及び原告X3については、その夫が生活扶助の支給を受けている。)が、生活保護法の委任に基づいて厚生労働大臣が定めた「生活保護法による保護の基準」(保護基準)の数次の改定により、所轄の福祉事務所長らからそれぞれ生活扶助の支給額を減額する旨の保護変更決定(本件各決定)を受けたため、保護基準の上記改定は憲法25条、生活保護法8条等に違反する違憲、違法なものであるとして、〔1〕原告X1,原告X2及び原告X3を除く原告らにおいて、被告ら(ただし、被告国を除く。)を相手に、本件各決定の取消しを求めるとともに、〔2〕被告国に対し、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償を求めた事案で、最低限度の生活の具体化に係る判断の過程及び手続に過誤、欠落があり、裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるから、本件改定は、生活保護法3条、8条2項の規定に違反し、違法であるとして、原告らのうち原告X1、原告X2及び原告X3を除く者の本件各決定の取消請求については認容し、原告らのその余の請求(国家賠償請求)については棄却した事例。
2021.03.16
不当利得返還請求事件
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LEX/DB25571330/最高裁判所第三小法廷 令和 3年 3月 2日 判決 (上告審)/令和2年(受)第763号
被上告人(原告・被控訴人。栃木県)が、上告人(被告・控訴人。国)から、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律にいう補助金を交付された後に、上告人から、補助金により取得した財産の処分価格に係る補助金相当額である金員の納付命令を受け、同額の金員を上告人に支払ったが、本件納付命令は無効であるから、上告人は、本件返納により法律上の原因なく金員を利得し、被上告人は同額の損失を被ったと主張して、上告人に対し、不当利得返還請求権に基づき、金員の返還及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、第1審は被上告人の請求を認容したため、上告人が控訴し、控訴審は第1審判決は相当であるとして本件控訴を棄却したため、上告人が上告した事案で、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律22条に基づくものとしてされた財産の処分の承認が同法7条3項による本件交付決定条件に基づいてされたものとして適法であるとし、控訴審判決を破棄し、被上告人の請求は理由がないから、第1審判決を取消し、同請求を棄却した事例(補足意見がある)。