2024.09.10
盗品等有償譲受け、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25620264/神戸地方裁判所 令和 6年 5月30日 判決 (第一審)/令和5年(わ)第300号
被告人が、法定の除外事由がないのに、氏名不詳者と共謀のうえ、(第1)P2らが窃取し、同人が配達業者を介して同所に配送してきたVJAギフトカード5000円券30枚(時価合計15万円相当)を、それらが財産に対する罪に当たる行為によって領得された物であることを知りながら、「P3」から代金約13万5000円で買い受け、(第2)P2らが窃取し、同人が配達業者を介して同所に配送してきたVJAギフトカード5000円券80枚(時価合計40万円相当)を、それらが財産に対する罪に当たる行為によって領得された物であることを知りながら、「P3」から代金約36万円で買い受け、(第3)P2らが窃取し、同人が配達業者を介して同所に配送してきたUCギフトカード5000円券20枚(時価10万円相当)を、それらが財産に対する罪に当たる行為によって領得された物であることを知りながら、「P3」から代金約9万円で買い受け、もって財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を有償で譲り受けるとともに、犯罪収益等を収受したとして、盗品等有償譲受け、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反の罪で、懲役3年及び罰金50万円を求刑された事案で、検察官が主張する各事実関係は、いずれもそれ自体から直ちに被告人の知情性を推認させるものではなく、そして、これらの事実関係を総合考慮しても、被告人の知情性を未必的にも認定することはできず、「P3」からのギフトカードの仕入れを担当していたのは、被告人ではなく主としてP5であり、被告人がどの程度「P3」との取引について把握していたかは証拠上明らかでなく、また、関係各証拠を精査しても、その他に被告人の知情性を推認することのできる事実も認められないから、被告人が本件の知情性を有していたと認定するには、合理的な疑いが残るというべきであるとして、被告人に無罪を言い渡した事例。