2023.01.17
LINEを用いたオンラインによる住民票の写し交付請求サービス適法確認請求事件
LEX/DB25593988/東京地方裁判所 令和 4年12月 8日 判決 (第一審)/令和2年(行ウ)第344号
原告は、市町村(特別区を含む)に対して、当該市町村が備える住民基本台帳に記録されている者(住民)が当該市町村の長に対して行う住民票の写しの交付請求に係る手続につき、電子情報処理組織を使用する方法(LINEを用いたオンライン使用)によることができるサービスの提供を開始したが、〔1〕総務省自治行政局住民制度課長は、都道府県等に対し、電子署名による本人確認を行うことなくオンラインで住民票の写しの交付請求をすることは、住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)12条3項、総務省関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則(平成15年総務省令第48号)4条2項等に違反する旨の通知(本件通知)を発出し、その後、〔2〕住民基本台帳の一部の写しの閲覧並びに住民票の写し等及び除票の写し等の交付に関する省令(昭和60年自治省令第28号)が令和3年総務省令第96号により改正され、本件省令22条において、住民票の写しの交付請求に当たっては、デジタル手続法総務省令4条2項ただし書の適用がない旨が規定され、電子署名及び電子証明書の併用による本人確認以外の方法によりオンラインで住民票の写しの交付請求をすることは、本件省令22条に違反することとなった事実関係の下において、原告が、〔1〕本件通知が違法であることの確認を求め(本件通知違法確認請求)、又は、〔2〕(本件通知及び)本件省令改正が違法であることを前提に、原告が(本件通知及び本件省令22条の存在にもかかわらず)本件サービスを適法に行い得る地位にあることの確認を求めた(本件地位確認請求)事案で、〔1〕本件各確認請求のうち、本件通知違法確認請求は確認の利益が認められず不適法な訴えであるが、本件地位確認請求は適法な訴えである、〔2〕本件省令22条は根拠法令の授権の範囲を超えるものとは認められないから、本件地位確認請求には理由がないものと判断し、本件訴えのうち、本件通知(総行住第55号)は違法であることを確認を求めた請求に係る部分を却下し、その余の請求を棄却した事例。