注目の判例

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2021.11.02
損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件
LEX/DB25590788/福岡高等裁判所宮崎支部 令和 3年9月15日 判決 (控訴審)/平成31年(ネ)第96号 等
亡患者の相続人である被控訴人(一審原告)らが、控訴人(一審被告)が運営する本件病院に入院していた亡患者が死亡したことについて、本件病院の医師には輸液過剰にならない限度での大量かつ相当な輸液を実施すべき注意義務等の違反があり、又は、本件病院の看護師には患者の容体急変時点で直ちに当直医に連絡すべき注意義務の違反があり、これらの注意義務違反により患者は死亡したと主張し、控訴人に対し、不法行為(使用者責任)又は債務不履行による損害賠償を求め、原審は、被控訴人X1の請求について、1309万1244円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で,被控訴人X2並びに被控訴人X3の各請求ついて、それぞれ704万5621円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で認容し,その余の請求をいずれも棄却したことに対し、当事者双方が上記各敗訴部分を不服として、控訴人が本件控訴を、被控訴人らが本件各附帯控訴をした事案で、被控訴人らの請求はいずれも棄却すべきところ、これを一部認容した原判決は失当であって、控訴人の控訴は理由があるから、原判決中、控訴人敗訴部分を取消して、同取消部分につき被控訴人らの請求をいずれも棄却し、被控訴人らの各附帯控訴は理由がないから、いずれも棄却した事例。
2021.11.02
損害賠償請求事件
LEX/DB25590816/神戸地方裁判所 令和 3年 8月31日 判決 (第一審)/令和1年(ワ)第1764号
消費生活協同組合である原告が、被告の実施する「キャッシュレス・消費者還元事業」に係る補助金の交付事業に関し加盟店登録の登録申請を行ったところ、被告は、当初、原告のような消費生活協同組合についても加盟店として登録する旨の方針を示していたにもかかわらず、本件事業開始の直前に至って上記方針を撤回し、原告を加盟店として登録しないものとしたことは、原告と被告との間に形成された信頼関係を不当に破壊するものであって国家賠償法上違法であり、これにより、原告は、本件事業開始に向けて拠出した費用相当額の損害を被ったと主張して、被告(国)に対し、同法1条1項による損害賠償請求権に基づき、損害金合計2765万6640円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、原告の加盟店登録の対象であるとの信頼については、法的保護に値する利益に当たると認められ、被告が、農協・生協等の加盟店登録要件に関して、課税所得要件に加えて売上高等の事業規模に関する事情を考慮する方針に変更したことは、原告の上記信頼を不当に破壊するものとして、原告との関係において国賠法上違法であるとし、原告の請求は、被告に対し、損害金合計1186万5852円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で一部認容し、その余の請求を棄却した事例。
2021.10.26
殺人,強盗殺人未遂被告事件(連続青酸不審死事件)
LEX/DB25571762/最高裁判所第三小法廷 令和 3年 6月29日 判決 (上告審)/令和1年(あ)第953号
被告人が、平成19年12月、債務の返済を免れる目的で、知人にシアン化合物を服用させて殺害しようとしたが、シアン中毒に基づく全治不能の高次機能障害等の傷害を負わせたにとどまったという強盗殺人未遂と、平成24年3月から同25年12月までの間、遺産取得等の目的で、いずれも当時の夫や内縁の夫ら3名にシアン化合物を服用させて殺害したという殺人3件につき、第1審判決は死刑に処し、原判決もこれを維持したため、被告人が上告した事案において、前科がないこと、高齢であることなど、被告人のために酌むべき事情を十分に考慮しても、原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は、やむを得ないものとして、これを是認せざるを得ないとし、本件上告を棄却した事例。
2021.10.26
道路交通法違反被告事件
LEX/DB25571763/最高裁判所第二小法廷 令和 3年 6月28日 決定 (上告審)/令和3年(あ)第424号
道路交通法違反被告事件で、原判決を不服として、被告人が上告した事案において、原審の判決書には裁判長裁判官の押印がなく、これは刑事訴訟規則55条に違反するが、同判決書には同裁判官の署名及び他の裁判官2名の署名押印があり、同判決書は原判決をした裁判官3名により作成されたものと認めることができるとし、原判決の上記法令違反は判決に影響を及ぼすものとは認められないとした上で、本件は、弁護人の上告趣意は量刑不当の主張で、刑事訴訟法405条の上告理由にあたらないとして、本件上告を棄却した事例。
2021.10.19
国家賠償請求控訴事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和3年12月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25590739/東京高等裁判所 令和 3年 9月22日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第1423号
スリランカ国籍を有する控訴人(原告)らは、在留期間を超えて日本に残留し、いずれも難民不認定処分を受けた後に出入国管理及び難民認定法24条4号ロ(不法残留)に該当することを理由とする退令発付処分を受け、その後、難民不認定処分に対する異議申立てを行ったところ、同異議申立棄却決定の告知を受け、退令の執行を受け、集団送還の方法によりスリランカに強制送還されたことにより、控訴人らが、控訴人らに対する退令の執行は、控訴人らに難民不認定処分に対する取消訴訟等の提起について検討する時間的猶予を与えずに行ったもので、控訴人らの裁判を受ける権利を侵害したなどと主張して、被控訴人(被告。国)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、控訴人1人当たり500万円の慰謝料及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、原判決は控訴人らの請求をいずれも棄却したため、控訴人らがこれを不服として控訴した事案で、東京入管職員の本件送還にかかる一連の行為は、控訴人らの難民認定不処分に対する司法審査を受ける機会を実質的に奪ったものとして、国賠法1条1項の適用上違法であると認められるとして、原判決を変更し、控訴人らの請求は、各30万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があるとして一部認容し、その余の請求については棄却した事例。
2021.10.19
窃盗被告事件
LEX/DB25590629/佐賀地方裁判所 令和 3年 9月 2日 判決 (第一審)/令和2年(わ)第215号
被告人は、有料老人ホームで、同所従業員が同所北側出入口設置の棚内に保管していた同人所有又は管理の現金約3500円及び財布等17点在中の手提げバッグ1個(時価合計約1万円相当)を窃取したとして、懲役2年を求刑された事案において、本件防犯カメラの映像には、本件棚の扉が開閉されたのに動体検知システムが作動していない場面があるほか、画角内で人の動きがあったのに動体検知システムが作動していない場面が複数見受けられ、動体検知システムが作動して録画が開始されることの事実を認めるには疑問の余地がある上、被告人が犯人であるとすると不合理な行動をとっているから、弁護人が主張するように、被告人とE以外に本件棚の扉を開閉したがその様子が録画されなかった人物が存在する可能性があり、被告人が犯人であることにつき合理的疑いが残るとして、被告人に対し無罪を言い渡した事例。
2021.10.12
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25590675/名古屋高等裁判所金沢支部 令和 3年 9月 8日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第137号
控訴人(原告)の社団(憲法を守ることを目的として設立された権利能力なき社団)が、金沢市庁舎前広場を使用して憲法施行70周年集会を開催することを目的として金沢市長に対してした庁舎等行為許可申請に対し、同市長が不許可処分をしたことが、職務上の義務に反してなされた違憲、違法な行為であると主張して、被控訴人(被告。金沢市)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、〔1〕控訴人の社団が、1876円(代替場所の使用料)及びこれに対する遅延損害金の支払、〔2〕控訴人らが、各23万1000円(慰謝料ないし無形の損害及び弁護士費用)及びこれに対する遅延損害金の支払を求めたところ、原判決が、控訴人らの請求をいずれも棄却したため、控訴人らがこれを不服として控訴した事案で、控訴人らの請求をいずれも棄却した原判決は相当であるとし、本件控訴を棄却した事例。
2021.10.12
覚醒剤取締法違反、関税法違反被告事件
LEX/DB25590627/東京高等裁判所 令和 3年 4月26日 判決 (控訴審)/令和2年(う)第1267号
被告人(オランダ国籍)が、氏名不詳者らと共謀の上、営利の目的で、みだりに、スペインのアドルフォ・スアレス・マドリード・バラハス空港において、覚醒剤約997.6gを隠し入れたスーツケース1個を同空港作業員に機内預託手荷物としてドイツのフランクフルト国際空港行きの航空機に積み込ませて同航空機に搭乗し、同空港において、本件スーツケースを同空港作業員に東京国際空港行きの航空機に積み替えさせて同航空機に搭乗し、東京国際空港に到着した同航空機から本件スーツケースを同空港作業員に同航空機の外に搬出させて日本国内に持ち込み、覚醒剤を本邦に輸入するとともに、同空港内の東京税関羽田税関支署旅具検査場において、同支署税関職員の検査を受けた際、覚醒剤を本件スーツケース内に隠し持ったまま、その事実を申告せずに同検査を受け、同検査場を通過しようとし、もって関税法上の輸入してはならない貨物である覚醒剤を輸入しようとしたが、同税関職員に発見されたため、その目的を遂げなかったとして起訴され、原判決は、懲役7年及び罰金300万円に処したため、これに不服の被告人が控訴した事案で、検察官が、答弁書において種々指摘をする内容を踏まえて、改めて検討してみても、被告人に覚醒剤輸入(関税法違反を含む。)の故意があったと認めるには合理的な疑いが残るのに、これがあったと認めて罪となるべき事実を認定した原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認があるとして、原判決を破棄し、被告人に対して無罪を言い渡した事例。
2021.10.05
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25590657/福岡高等裁判所 令和 3年 9月 3日 判決 (控訴審)/令和3年(ネ)第283号
熊本県少年保護育成条例違反の被疑事実により逮捕され、その後勾留された一審原告が、その逮捕・勾留中に一審原告の取調べを行った熊本県警察の警察官が、当該取調べに際し、〔1〕黙秘権を告知せず、かつ黙秘することが一審原告の不利益となることを示唆する発言をするなどして、一審原告の黙秘権を侵害し、〔2〕弁護人との接見内容に関する質問をしたことにより、一審原告の接見交通権を侵害し、この違法な取調べにより一審原告は精神的苦痛を被るなどの損害を受けており、一審被告は、国家賠償法1条1項に基づき、上記警察官の違法な取調べによって一審原告が被った損害について賠償義務を負うとして、一審被告に対し、同項に基づき、損害として慰謝料200万円及び弁護士費用20万円の合計220万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めたところ、原判決は、一審原告の請求のうち、一部認容、一部棄却したため、一審原告及び一審被告が、それぞれ原判決中敗訴部分を不服として控訴した事案で、一審原告の請求につき、16万5000円及びこれに対する平成28年5月24日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるとして一部認容し、その余の請求を棄却した原判決は相当であるとし、本件各控訴を棄却した事例。
2021.10.05
制汗スプレー衣服変色損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25590658/東京高等裁判所 令和 2年 9月 3日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第476号
控訴人(原告)が、被控訴人(被告。化粧品等の製造及び販売等を業とする株式会社)に対し、被控訴人が製造販売するスプレータイプの本件制汗剤等を使用したことにより控訴人が着用した各肌着が変色するという被害を受けたとして、製造物責任法3条に基づき、各肌着の購入代金相当額の損害金1万2652円、債務不履行に基づき、本件制汗剤等の購入代金相当額の損害金3324円の合計1万5976円の支払を求め、原判決は、本件制汗剤等の使用と各肌着の変色との間に相当因果関係があると認めるに足りず、控訴人に損害が生じたとも、控訴人と被控訴人の間に契約関係があるともいえないとして、控訴人の請求を全部棄却したため、控訴人は、これを不服として、控訴した事案において、本件制汗剤等の使用と本件各肌着の変色との間に相当因果関係を認めるには十分ではないと判示し、控訴人の本件請求を棄却した原判決は相当であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2021.09.28
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反、暴行被告事件
LEX/DB25590567/東京高等裁判所 令和 3年 9月 2日 判決 (控訴審)/令和3年(う)第256号
原判決は、被告人が、〔1〕2回にわたり、犯罪収益の一部である現金を、その情を知りながら、Bから受け取って、犯罪収益を収受した、〔2〕被害者の首付近を締め付ける暴行を加えたという事実を認定し、被告人を懲役1年6月及び罰金30万円に処したため、被告人が控訴した事案において、被告人の行為が、いずれも「収受」に該当するとした原判決の判断は維持することはできず、これらを認定した部分を破棄し、公訴事実中、組織的犯罪処罰法違反の点については、犯罪の証明がないので刑事訴訟法336条により無罪を言い渡し、本件暴行の点については、原判決も指摘するとおり突発的なものであり、前科も暴力を内容とするようなものでないことを踏まえ、また、組織的犯罪処罰法違反の点については上記のとおり処罰されないことを前提とすると、一方的で軽微とはいえない態様を考えても、懲役刑を選択するべき事案とまではいえず、かろうじて罰金刑を相当とする範囲にとどまるといえるから、被告人に対して、罰金30万円の刑に処した事例。
2021.09.28
保険金請求事件
LEX/DB25590566/山口地方裁判所 令和 3年 7月15日 判決 (第一審)/令和2年(ワ)第52号
原告と損害保険会社である被告が,茨城県神栖市所在の建物について火災保険を含む損害保険契約を締結していたところ、保険期間中である平成29年3月26日、本件建物が火災により全焼したとして、原告が、被告に対し、本件保険契約による保険金請求権に基づき、約定保険金8800万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、本件火災発生までの間に、本件建物は「建物の使用目的を変更し、居住用ではなくなった」ということができるので、被告は、原告に対し、本件約款第4章第8条4項に基づき、本件保険契約を解除することができるとし、原告の請求を棄却した事例。
2021.09.21
窃盗被告事件
LEX/DB25571712/最高裁判所第三小法廷 令和 3年 9月 7日 判決 (上告審)/令和3年(あ)第1号
被告人が、スーパーマーケットで食料品10点を窃取し窃盗の罪で起訴された事件で、第1審判決は、被告人が、本件犯行時、心神耗弱の状態にあったとして、被告人を懲役4月に処したことに対し、検察官が控訴し、原判決は、完全責任能力を認め、被告人を懲役10月に処したため、被告人が上告した事案において、被告人は行動制御能力が著しく減退していた合理的疑いが残るから心神耗弱の状態にあったとした第1審判決について、その認定は論理則、経験則等に照らして不合理であるとして、事実誤認を理由に破棄し、原審において何ら事実の取調べをすることなく、訴訟記録及び第1審裁判所において取り調べた証拠のみによって、直ちに完全責任能力を認めて自判をした原判決は、刑事訴訟法400条ただし書に違反するとして、原判決を破棄し、高等裁判所に差し戻した事例。
2021.09.21
執行停止申立についてした決定に対する抗告事件
LEX/DB25571687/大阪高等裁判所 令和 3年 7月15日 決定 (抗告審)/令和3年(行ス)第36号
相手方が、「表現の不自由展かんさい」の開催を目的として大阪府立労働センターのギャラリーの利用承認を受けた後、一転して利用承認の取消処分及び利用不承認処分を受けたため、これらの処分の取消しの訴えを提起するとともに、本件取消処分及び本件利用不承認処分の執行停止(効力の停止)を申し立てたところ、原決定において上記取消処分の執行停止が認められたことから、抗告人が、本件抗告を申し立てた事案において、本案事件の第1審判決の言渡しまでの間、本件取消処分の執行停止を認めた原決定は相当であるとして、本件抗告を棄却した事例。
2021.09.21
傷害被告事件
LEX/DB25590540/東京地方裁判所立川支部 令和 3年 6月16日 判決 (第一審)/平成30年(わ)第1471号
被告人が、東京都立川市内のアパートで、B(当時49歳)に対し、その顔面及び腹部を拳で多数回殴るなどの暴行を加え、同人に高次脳機能障害、質性精神障害、症候性てんかんの後遺症を伴う全治まで約3か月間を要する脳挫傷等の傷害を負わせた事案において、被告人は本件犯行当時、精神障害の影響で、事物の是非善悪を弁識する能力及びこれに従って行動を制御する能力が欠けていたものであり、心神喪失の状態であったと認め、刑事訴訟法336条により被告人に対して無罪を言い渡した事例。
2021.09.14
群馬の森追悼碑設置期間更新不許可処分取消等請求控訴事件、附帯控訴事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和3年月12上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25590539/東京高等裁判所 令和 3年 8月26日 判決 (控訴審)/平成30年(行コ)第88号 等
戦時中に労務動員され、群馬県内で死亡した朝鮮人(大韓民国及び朝鮮民主主義人民共和国の人々を指す)を追悼する追悼碑の控訴人・附帯被控訴人(被告)群馬県が管理する県立公園における設置許可を受けた団体から本件追悼碑に関する権利義務を承継したと主張している権利能力なき社団である被控訴人・附帯控訴人(原告)が、上記設置許可の期間満了に当たり、群馬県知事に対し、都市公園法5条1項に基づき、本件追悼碑の設置期間の更新申請をしたところ、同知事から設置期間の更新不許可処分を受けたため、本件更新不許可処分の取消しとともに、群馬県知事に対する本件更新申請の許可の義務付けを求め、原審は、本件追悼碑が都市公園の効用を全うする機能を喪失していたということはできず、本件更新不許可処分は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものであるから、裁量権を逸脱した違法があると判断して、本件取消しの訴えに係る請求を認容したが、本件更新申請を許可しないことが法令の規定に反することが明らかであり、又はその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となるということまではできないと判断して、本件義務付けの訴えに係る請求を棄却したため、控訴人が本件取消しの訴えに係る請求認容部分を不服として控訴し、被控訴人が本件義務付けの訴えに係る請求棄却部分を不服として附帯控訴した事案で、本件更新不許可処分は適法であり、本件取消しの訴えは理由がないから、控訴人の本件控訴に基づいて、原判決中、本件更新不許可処分の取消しに係る請求認容部分を取消した上、当該部分に係る請求を棄却し、本件義務付けの訴えは不適法であるとして、原判決中、本件義務付けの訴えに係る請求棄却部分を取り消した上、本件義務付けの訴えを却下し、また、本件附帯控訴は理由がないとして棄却した事例。
2021.09.14
不当利得返還等請求事件
「新・判例解説Watch」財産法分野 令和3年11月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25571662/札幌地方裁判所 令和 3年 5月13日 判決 (第一審)/令和1年(ワ)第916号
日本育英会から第2種奨学金を借り受けた元奨学生の保証人であった原告らが、日本育英会の承継団体である被告の請求により、自己の保証債務額(貸金返還債務の各2分の1)を超える金額の支払を余儀なくされたと主張して、被告に対し、不当利得の返還等を求めた事案において、保証人が、分別の利益を有していることを知らずに自己の負担を超える部分を自己の保証債務と誤信して債権者に対してした弁済は非債弁済として無効であるが、分別の利益を有する原告らから負担限度を超える支払を受けた被告が当然に悪意の受益者であったということはできないとして、原告らの請求を一部認容した事例。
2021.09.07
医療を受けさせるために入院をさせる旨の決定に対する抗告の決定に対する再抗告事件
LEX/DB25571705/最高裁判所第二小法廷 令和 3年 8月30日 決定 (再抗告審)/令和3年(医へ)第13号
アルコール依存にり患している対象者について、検察官が、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)33条1項により申立てをし、原々審は、医療観察法42条1項1号により、対象者を同法による医療を受けさせるために入院をさせる旨の決定をしたが、対象者は、医療観察法による医療の必要はないか、入院によらない医療が相当であるとして、抗告を申し立てたところ、原決定は、対象者のアルコール依存について医療観察法による医療を受けさせる必要があることを理由として入院決定をした原々決定には、重大な事実の誤認があるとして、原々決定を取消し、本件を地方裁判所に差し戻す旨の決定をしたため、再抗告をした事案で、入院決定をした原々決定の判断に重大な事実誤認があるとして原々決定を取り消した原決定には、医療観察法42条1項、64条2項の解釈適用を誤った違法があるとして、医療観察法71条2項により、原決定を取り消し、対象者につき入院決定をした原々決定に重大な事実誤認があるとは認められず、それに対する対象者の抗告は理由がないことに帰するとし、原々決定に対する抗告を棄却した事例。
2021.09.07
各覚醒剤取締法違反、関税法違反被告事件
LEX/DB25590270/東京高等裁判所 令和 3年 7月13日 判決 (控訴審)/令和2年(う)第1596号
被告人両名が、国際的な密輸組織による覚せい剤密輸に被告人両名が運び屋として関与したとして、各覚せい剤取締法違反、関税法違反の罪で起訴され、原審が、被告人両名につき、それぞれ罪となるべき事実を認定し、被告人両名をそれぞれ懲役6年及び罰金200万円に処し、被告人両名から、それぞれ保管中の覚せい剤及び現金のうち4万円に相当する部分を没収する旨判決したところ、被告人両名がそれぞれ控訴した事案で、被告人両名が、日本への渡航時に、運搬する荷物の中に違法薬物等が含まれているとの具体的、現実的な可能性を認識していたとの事実は、原審証拠に照らして検討しても、合理的な疑いを容れない程度に証明されているとはいえず、被告人両名に覚せい剤輸入の故意があったと認めるには合理的疑いが残るのに、これがあったと認定した原判決には事実の誤認があり、これが判決に影響を及ぼすことは明らかであって、原判決は破棄を免れないとして、刑事訴訟法397条1項、382条により原判決を破棄し、被告人両名に対しいずれも無罪を言い渡した事例。
2021.09.07
損害賠償(国賠)請求控訴事件
LEX/DB25590468/東京高等裁判所 令和 3年 6月 3日 判決 (控訴審)/令和1年(ネ)第4120号
一審原告が、一審被告千葉市の設置する本件小学校の5年生に在学中に、一審被告D及び一審被告Eの子であるHからいじめを受け、かつ,、審原告及びHが在籍していたクラスの学級担任であったJ教諭を始めとする本件小学校の校長及び教員がHの言動に関して適切な措置をとらなかったことにより肉体的、精神的苦痛を受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したと主張して、一審被告らに対し、当時Hの監督義務者であった一審被告Dらについては民法714条1項に基づき、一審被告千葉市については国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償として1404万5820円及びこれに対する遅延損害金の連帯支払を求め、原審は、一審原告の請求を一審被告Dらに対し33万円及びこれに対する上記遅延損害金の連帯支払を求める限度で認容し、一審被告Dらに対するその余の請求及び一審被告千葉市に対する請求をいずれも棄却したところ、一審原告及び一審被告Dらは、それぞれ敗訴部分を不服として控訴した事案で、原判決を変更し、一審原告の請求は一審被告らに対し388万5778円及びこれに対する上記遅延損害金の連帯支払を求める限度で認容し、その余の請求はいずれも棄却した事例。