事務所経営
「事務所経営塾」開催レポート
TKC全国会ニューメンバーズ・サービス委員会と株式会社TKCとの共催による「TKC会計事務所経営セミナー」が全国で開催され、TKC入会を検討する税理士・公認会計士300名超が参加した。今年は12月末までにTKC会員事務所1万事務所超体制を構築するという目標のもと、春と夏の2回にわたり、全国114会場で開催されている。今月号では7月9日に開催されたTKC城北東京会主催のセミナーの模様をレポートする。
TKC城北東京会
■と き:令和8年7月9日(木)
■ところ:TKC東京本社2階研修室
TKC東京本社の研修室で行われたセミナーはTKC入会を検討中の税理士・公認会計士が7名、TKC会員7名が参加。講師を務めた清水博文会員(TKC中国会)は参加者に対して「会計事務所の本来の役割とは?」、「顧問先から、会計事務所が自社の業績向上に貢献していると思われていますか?」と問いかけた。
その上で「10年後から逆算して考える税理士業界の市場動向と取るべき戦略について」と「わが事務所の特長」をテーマに講演した。
◎テーマ1 10年後から逆算して考える税理士業界の市場動向と、取るべき戦略について
清水会員は、次のように解説した。「生産年齢人口の減少や、大企業と中小企業の労働生産性の格差拡大、M&A件数の増加といった動向から、今後10年で中小企業の二極化が進み、成長企業は中堅企業へと発展していく流れが加速する」。
そして、会計事務所の経営も、こうした市場変化を前提に考える必要があり、会計事務所の成長戦略としては「専門特化」や「効率化によるスリム経営」を目指すのではなく、中堅企業のニーズに対応できるサービスを今のうちから検討することが重要で、その提供を支える組織づくりに取り組む必要があることを強調した。
◎テーマ2 わが事務所の特長
続いて、清水会員が代表を務める税理士法人LEGAREの創業以来の売上高や顧問件数の推移、そして事務所の成長を支えてきたサービスの事例が紹介された。
- ①経営計画書の策定と経営者との進捗会議の実施
- 継続的な経営支援で会計事務所の存在感が増すとともに、納税に対する経営者からのマイナスの発言がなくなった。
- ②事務所から顧問先への提案活動の標準化
- 担当職員から顧問先に、経理面と経営面における提案を年に1回(合計2回)行うことで、顧問先の課題を一つずつ解決していく習慣を作っている。
これらによって顧問先の業績向上に貢献でき、満足いただいた顧問先から新たな顧客を紹介されるという好循環が生まれているという。
また、TKCシステムの特長についても触れ、「TKCシステムは標準化を前提として設計されているため、高付加価値なサービスを組織として継続的に提供できる点が強みである」と説明した。
加えて、「TKCシステムの標準化によって一度業務体制を構築できれば、事務所全体の業務品質が落ちることはない」とも述べた。
そして、「目先の業務をこなすための努力と、仕組みづくりのための努力では、長期的に見て大きな差が生まれる」と指摘した。
その上で、TKCシステムは「成功の型」となる仕組みを構築しやすく、実際に顧問先からは「担当職員が変わっても、誰もがしっかりしていて安心」といった評価を得ていることなどが紹介された。
最後に参加者へのメッセージとして「私たちは同業であるが、良いことをする良い仲間は増えた方が良い。顧問先の役に立つ仕事、本当にやりがいがある仕事とは何かを、仲間として一緒に考えていきましょう」の言葉でセミナーを締めくくった。
セミナー開催後、講師を囲んだ情報交換会が開催され、事務所経営に関する活発な意見交換が行われた。
(SCG営業本部 光﨑次郎)
(会報『TKC』令和8年9月号より転載)