ニュースリリース

景気は回復基調にあるが、企業規模の小さい企業は依然として厳しい経営環境にある―TKC経営指標(BAST)平成19年指標版を発刊―

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平成19年5月24日

 全国9,500の会計事務所のネットワークTKC全国会(会長:仁木安一)と 株式会社TKC(本社:栃木県宇都宮市鶴田町1758番地/代表取締役:飯塚真玄/資本金:57億円)は、このほど、全国 22万8,168社(全国の法人企業数(国税庁発表)の8.8%)、933業種に及ぶ中小企業の平成18年1月から12月までの財務諸表を基礎データとした『TKC経営指標(平成19年指標版)』と、その経営指標の推移を全産業および主要6産業別に分析をした、『「TKC経営指標」から見た産業別経営動向』を6月1日(金)に発刊します。
 なお、同日から『TKC経営指標(平成19年指標版)』の要約版をTKC全国会のホームページに掲載します。

 『TKC経営指標』( BAST : Business Analyses and Statistics by TKC )は、TKC全国会会員会計事務所(以下TKC会員)が毎月継続して実施した綿密な「巡回監査」(注1)と「月次決算」により作成された会計帳簿から、そのまま誘導された「決算書」を基礎データとして使用しています。TKC会員は76万社を超える中小企業を関与先としており、この経営指標はその中の年商500万円から100億円までの青色申告法人を分析対象としたものです。
 『TKC経営指標』は昭和50年(1975年) から、TKC全国会システム委員会の編集により毎年発行しており、その編集目的は我が国の職業会計人(税理士・公認会計士)をはじめ、企業経営者及び経理担当者、諸官公庁、金融機関、大学の研究機関、経営コンサルタント、その他経営と経済に関与する多くの人々に中小企業の経営指標を提供し、中小企業の経営方針の決定、あるいは指導育成のための基礎資料として役立てようとするものです。

注1:巡回監査(TKC全国会「TKC会計人の行動基準書」第3章実践規定の部)
関与先企業等を毎月及び期末決算時に巡回し、会計資料並びに会計記録の適法性、正確性及び適時性を確保するため、会計事実の真実性、実在性、網羅性を確かめ、かつ指導することである。巡回監査においては、経営方針の健全性の吟味につとめる物とする。

平成19年版『TKC経営指標』のポイント

  1. 黒字企業割合が平成17年から0.7ポイント低下し49.8%となる。
  2. 全企業平均の売上高が対前年比で102.3%となる。
  3. 全企業平均の経常利益が対前年比で98.0%となる。
  4. 一人当たり人件費の減少傾向が底打ちへ。
  5. 設備投資が活発化。

 全収録企業228,168社の平成18年における売上総額は49兆7,102億円、平成17年の48兆5,677億円から2.33%増加し、売上高の点では確かに景気回復局面が続いていることがわかります。しかしながら、これを黒字決算割合でみると、平成17年に比べ、0.7ポイント減少しています。これは、売上規模が10億円以上では黒字決算割合が改善しているのに対して、10億円未満では逆に悪化していることによります。ここから、売上げ規模の小さな中小企業が依然として厳しい経営環境に置かれているということが見てとれます。

TKC経営指標( BAST )』の特長

  • 財務データの収集方法
    収録した財務データは、この指標に収録するために作成されたものではなく、すべて日々の過程で作成され、備蓄されたものです。
  • 母集団の抽出方法
    収録対象企業の選定に当たっては、TKC全国会に所属する個々の会員に対して『TKC経営指標』の財務データとして収録して良いかどうかの確認を行い、承認を得ることができた財務データのみを収録しています。
    また、以下の条件に該当する財務データは無条件に収録の対象外としています。
    1. 法人以外の財務データ
    2. 事業年度が12か月に満たない企業の財務データ
    3. 過去2か年内に、休業があった財務データ
    4. 売上高が500万円未満または100億円超の企業の財務データ
    5. 統計学的手法により異常値と判定された財務データ
  • サンプルとしての充分性
    その調査対象件数は、22万8,168 社であり、国税庁の発表による全国の法人企業数の約8.8%を占めています。
  • 財務データの真実性(巡回監査)
    収録データはTKC会計人が毎月関与先企業を訪問し、会計資料を監査した事実に基づいており、恣意や誤判断等によって会計事実が歪められていないこと及び法令に準拠していることが保証されています。
  • 統一的な勘定科目体系の採用
    収録されている財務データは、TKCが独自に開発した勘定科目体系を使用しており、企業の勘定科目の使用方法は統一されています。

TKC経営指標』要約版について

 TKC全国会では、『TKC経営指標(平成19年指標版)』の要約版(PDFファイル)をTKC全国会ホームページから6月1日よりダウンロードできるようにします。(無償ですが、ユーザ登録が必要となります)
 『TKC経営指標』および『「TKC経営指標」から見た産業別経営動向』の提供は、TKC会員及び一部の金融機関と研究機関に限定しており、一般への販売等はしていません。しかしながら、本指標をより多くの企業経営者等の皆様の現状分析、経営方針決定などにご利用いただくため、ホームページに要約版の公開をしているものです。

当リリースに関するお問い合わせ先
株式会社TKC 東京本社 経営管理本部 広報部
TEL:03-3266-9200 FAX:03-3266-9161
Eメール:pr@tkc.co.jp

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