ニュースリリース

都内初、墨田区が「地方税の電子申告」サービス開始 12月15日より、個人住民税(給与支払報告書)の提出が可能に―行政事務の効率化と区民・企業の利便性向上はかる―

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平成20年11月17日

 東京都墨田区殿(区長:山﨑 昇/平成20年11月1日現在人口24万4,680人 外国人登録を含む)は、地方税の電子申告サービスを開始することを公表しました。
 東京23区内では初の実施団体で、サービス提供開始日は20年12月15日の予定です。

 このほどサービスを開始するのは、「個人住民税(給与支払報告書や特別徴収関連手続き)」の電子申告です。
 なお、本サービス開始にあたり、墨田区殿より株式会社TKC(代表取締役:飯塚真玄/本社:栃木県宇都宮市)が開発・提供する「TKC行政ASP/地方税電子申告支援サービス」をご採用いただきました。

 今回のサービス開始により、事業者は、墨田区へ居住する給与所得者の給与支払報告書など個人住民税(特別徴収)についてはインターネットを介して各種申告や申請・手続が行えるようになり、紙に印刷し郵送するといった手間から解放されます。墨田区の場合、「給与支払報告書」は毎年約3万54事業所分・約19万件の個人明細書が持参・郵送で提出されており、電子申告のスタートによって納税者の利便性向上とともに税務行政の効率化にもつながると期待されています。

 地方税の電子申告サービスの実施団体は、これまで47都道府県18市1町に限られていましたが、今年12月からは墨田区をはじめ新たに全国で200を超える市区町村でサービスが開始される予定です。

 TKCは、納税者から収税者(区市町村)の双方から電子申告を支援する唯一のベンダーとして、各種システムを開発・提供しています。
 さらに、TKCのユーザー(税理士・公認会計士)で組織されるTKC全国会では〈国税と地方税の電子申告を率先して実践することが「税理士としての社会的使命」を果たす〉との認識から、税務の専門家としてその普及促進に努めています。その結果、平成19年度にTKC全国会が実施した電子申告は、国税が170万2,633件に達し、また地方税においては電子申告全体の約7割にあたる29万7,795件となりました。

電子申告サービスの概要

  1. サービス開始日
    平成20年12月15日(利用届出は、平成20年12月15日より開始)
  2. 対象業務
    個人住民税(給与支払報告書や特別徴収関連手続き)電子申請・届出

墨田区概要

 墨田区は東京都の東部、江東デルタ地帯の一部を占め、隅田川をはじめとする豊かな水辺に恵まれた江戸からの歴史や文化が薫るまち。
 戦後、減少傾向にあった人口は近年、都心回帰などを背景として増加に転じる一方で、墨田区内へ本社を置く中堅大企業も数多く、主なところではアサヒビール、ライオン、東武鉄道、京成電鉄などがある。『平成18年事業所・企業統計調査』によれば現在、区内には1万7,940事業所(従業者数16万3,661人)が存在し、また、産業構造としては製造業の割合が高い。

電子自治体の推進状況】

 墨田区では、平成17年1月に、都内50の都区市町村共同で運営する「東京電子自治体共同運営システム」を利用して電子申請サービスをスタートするなど、かねてより〈区民に「もっと便利でもっとわかりやすく!」〉をキーワードとした電子自治体の実現へ積極的に取り組んできた。「地方税の電子申告」もそうした取り組みの一環で、インターネットの進展や社会・生活環境の変化を背景に、簡素で効率的な行政を実現し、区民や企業等にとって利便性の高い行政サービスの提供および行政コスト軽減を目指すとしている。

地方税の電子申告について

 地方税の電子申告は、社団法人地方税電子化協議会が開発・運営する「エルタックス(eLTAX)」を介して提供されているものです。

[電子申告が可能な税目]
 法人都道府県民税、法人事業税、法人市町村民税、固定資産税(償却資産)、個人都道府県民税・市区町村民税(給与支払報告書や特別徴収関連手続)、事業所税、電子納税、申請・届出

[サービス実施団体]
 47都道府県15政令指定都市3市1町(12月15日より239市区町村でサービス開始)
*サービス開始団体一覧は社団法人地方税電子化協議会サイトに掲載

[電子申告の利用実績]
 平成19年度 42万4,384件(平成18年度実績4万6,859件)
 平成20年度(9月末現在) 40万4,706件(前年同期実績24万1,357件)

納税者から見た電子申告の流れ

 納税者と申告代理人(税理士等)は、地方税電子化協議会が無料配布する「PCdesk」、あるいはeLTAX対応の税務・会計ソフトを使用して、自宅やオフィスなどから複数の地方公共団体へ一度に申告手続きを行うことができます。送信された申告データは、eLTAXポータルセンタで受付処理が行われ、提出先(地方公共団体)へ送信されます。

地方税の電子申告のメリット

  1. 納税者側のメリット
    1. いつでも・どこでも、インターネットで申告・納税、申請・届出などができる
    2. 複数の提出先(地方公共団体)へ、1回のデータ送信操作で申告できる
    3. eLTAXへ対応した税務・会計ソフトであれば、作成したデータをそのまま申告に利用でき、業務が大幅に省力化される
  2. 市区町村のメリット
    1. 項目の自動入力や税額の自動計算により、申告書チェック業務が効率化される
    2. 基幹システムとの連携により、システムへ手入力する手間が省け、入力ミスなどを防ぐことができる。あるいは、申告データのパンチ入力コストが軽減される
    3. 業務プロセスの見直し、納税環境の拡大による徴収率向上への期待

TKC行政ASP/地方税電子申告支援サービス」の特長

 「TKC行政ASP/地方税電子申告支援サービス」は、納税者が電子申告したデータを地方公共団体の基幹税務システムへシームレスに連携させるサービスです。LGWAN-ASP方式のため、区市町村では電子申告サービス開始にあたってサーバなど機器調達の必要がなく、運用・保守にかかる労力およびコストの負担を軽減します。
 本システムは、平成19年11月13日、電子申告を支援するシステムとして全国で初めて「LGWAN-ASPサービス接続資格審査(アプリケーション及びコンテンツサービス)」に合格・登録を完了。現在、墨田区をはじめ、秋田市、田辺市、三芳町、浜松市、川口市、新潟市などで採用されています。

 なお、墨田区殿では「納税者の利便性向上」の観点から早期のサービス開始を図るとともに、また導入に関わる準備作業と費用を軽減するため、当面は、基幹税務システムとの自動連携は行わずに媒体などを通じたデータ連携を行います。

(*)LGWAN:総合行政ネットワーク(Local Government Wide Area Network)の略
(*)LGWAN-ASP方式:審査システムを民間企業が構築・運用し、市町村はサービスのみを有料で受ける仕組みのため、従来の方式(単独方式・協議会方式)に比べて「機器調達や運用にかかるコストが安く、利用料金の負担が安定している」「運用・保守にかかる作業が少ない」などのメリットがあります。
(*)LGWAN-ASP接続資格審査:LGWANを介して地方公共団体へ各種サービスを提供する事業者は、財団法人地方自治情報センター・総合行政ネットワーク全国センターが進めるLGWAN-ASPとしての資格審査を受ける必要があります。その審査内容はサービスの品質に加え、個人情報の保護や法令遵守といった情報セキュリティの確保など多岐にわたります。

TKCにおける電子申告普及推進の取り組み

 TKCは、納税者と収税者(区市町村)の双方から電子申告を支援する唯一のベンダーとして、社会の要請に応え、より高次な社会インフラの整備へ貢献すべく、国税・地方税の電子申告普及推進の一助となるべく取り組んでいます。

 現在、地方公共団体向け「TKC行政ASP/地方税電子申告支援サービス」のほか、会計事務所向け「TKC電子申告システム(e-TAXシリーズ)」、および中堅大企業向け「法人電子申告システムASP1000R」を開発・提供しています。
 また、地方公共団体の情報化を支える主要システム・ベンダー27社とコラボレーションを組み、競合の枠を超えて、全国の区市町村がより円滑・早期に電子申告サービスを実現できるようご支援しています。

当リリースに関するお問い合わせ先
株式会社TKC 東京本社 経営管理本部 広報部
TEL:03-3266-9200 FAX:03-3266-9161
Eメール:pr@tkc.co.jp

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