2016.04.26
自動車運転過失傷害被告事件(無罪)
LEX/DB25542447/大津地方裁判所彦根支部 平成28年 3月 8日 判決 (第一審)/平成26年(わ)第45号
被告人は、早朝、普通乗用自動車を運転し、滋賀県近江八幡市路上で、信号機により交通整理の行われている交差点を直進するに当たり、同交差点の対面信号機の信号表示に留意し、これに従って進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り、考え事に気を取られ、同信号表示に留意せず、同信号機が赤色の灯火信号を表示していたのを看過したまま漫然時速約60キロメートルで進行した過失により、折から右方道路から青色信号に従って同交差点に進入してきたW運転の普通乗用自動車に気付かないまま同車左側面部に自車前部を衝突させ、自車同乗者V(当時74歳)に加療約63日間を要する右股関節脱臼骨折の傷害を負わせた事案において、被告人の捜査段階における、上記事故当時の対面信号が赤色であった旨の供述には疑問を入れる余地があり、また、自己の対面信号が青色であった旨のWの供述についても、それと相反する被告人の公判における、自己の対面信号が青色であった旨の供述に信用性が認められること、それ以外にWの供述を裏付ける証拠が存在しないことからすれば、そのまま信用するには疑問が残るとし、上記各交差点の信号サイクルからすれば、被告人は対面信号が青色の状態で上記交差点に進入した可能性は大きく、本件公訴事実については、いまだ合理的な疑いを越えない程度の証明がないとして、被告人に対し、無罪を言い渡した事例。




















