2015.10.13
業務上過失致死被告事件(ズンズン運動 幼児マッサージ死 元NPO法人理事長有罪)
LEX/DB25540884/大阪地方裁判所 平成27年 8月 4日 判決 (第一審)/平成27年(わ)第1083号
被告人は、子育ての実践活動と情報提供に関する事業を行うことなどを目的とする特定非営利活動法人の理事長であるが、同法人の活動として、床に座った姿勢で乳児の身体を大腿部の上にうつ伏せにして乗せ、頸動脈の付近を指で繰り返しもむなどする施術(ズンズン運動)を業務として行っていたところ、前記施術は、乳児の胸腹部を圧迫し窒息状態にさせるおそれが大きく、また、頸動脈付近の迷走神経を刺激することで心拍の徐脈を引き起こすおそれが大きいことから、乳児の生命や身体を害する重大な危険性を有するものであり、被告人も、乳児の胸腹部が圧迫されると窒息状態になるおそれがあることや、乳児の頸動脈付近に力を入れて触ると乳児の体調に悪影響があることを認識していたのであるから、前記施術が乳児の生命や身体を害する重大な危険性を有することを認識した上で、前記施術を差し控えるべき業務上の注意義務があったのに、被告人は、前記施術を行っても乳児の生命や身体を害することがないと考え、業務として、被害児(当時生後4か月)に対し、同児の身体を床に座った自身の大腿部の上にうつ伏せにして乗せ、同児の頸動脈の付近を指で繰り返しもんだ過失により、同児を、胸腹部圧迫による窒息状態及び頸動脈洞圧迫が引き起こす迷走神経反射による徐脈に基づく心停止及び呼吸停止に陥らせ、よって、同児を低酸素脳症に基づく多臓器不全により死亡させたとして、被告人を禁錮1年(執行猶予3年)に処した事例。





















