2015.04.07
株式買取価格決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25447178/最高裁判所第一小法廷 平成27年3月26日 決定 (許可抗告審)/平成26年(許)第39号
相手方を吸収合併存続株式会社、A社を吸収合併消滅株式会社とする吸収合併に反対したA社の株主である抗告人が、A社に対し、抗告人の有する株式を公正な価格で買い取るよう請求したが、その価格の決定につき協議が調わないため、抗告人が、会社法786条2項に基づき、価格の決定の申立てをした事案の許可抗告審において、非上場会社において会社法785条1項に基づく株式買取請求がされ、裁判所が収益還元法を用いて株式の買取価格を決定する場合に、非流動性ディスカウントを行うことはできないと解し、これと反対の原審の判断には裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令違反があるとし、原決定を破棄し、A社において将来期待される純利益の現在価値の合計は約3億6158万3000円で、発行済株式の総数は338万7000株であるから、株式の買取価格は抗告人の主張するとおり1株につき106円となるものというべきであるとして、原々決定を取消し、抗告人が有していたA社の株式の買取価格を1株につき106円とし、鑑定人に支払った鑑定料120万円については当事者の合意に照らして鑑定結果と各当事者の主張金額とのかい離額に応じて分担させることを命じた事例。