2014.05.07
殺人未遂被告事件
LEX/DB25503177/長崎地方裁判所 平成26年2月12日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第102号
被告人が、実弟から暴行を受けるなどしたため、防衛の程度を超え、弟の右胸部付近を筋引包丁で1回突き刺して傷害を負わせ、弟が強く首を絞めてきたため、自己の生命を防衛するとともに怒りも相まって、弟が死亡する危険性が高い行為と認識しながら、あえて、弟の腹部を筋引包丁で突き刺したものの、傷害を負わせたにとどまり、死亡させるに至らなかった事案において、被告人の生命の危険が高まっていたとはいえ、弟の攻撃は素手によるものであり、本件包丁を所持する被告人が弟の侵害を排除するには、なお、より危険性の低い、有効な反撃が容易に可能であったといえるから、一撃で弟の生命を奪いかねない本件行為は、自己の生命を守るために妥当で許される範囲を超えているとし、懲役3年、執行猶予5年、その猶予の期間中被告人を保護観察に付するとした事例(裁判員裁判)。