2020.03.31
不動産取得税賦課決定処分取消請求事件
LEX/DB25570791/最高裁判所第一小法廷 令和 2年 3月19日 判決 (上告審)/平成31年(行ヒ)第99号
堺市所在の土地を共有していたAが、同土地の共有物分割により他の共有者の持分を取得したところ、大阪府泉北府税事務所長から不動産取得税賦課決定処分を受けたことについて、被上告人(控訴人・原告。Aは原審係属中に死亡し、同人の弟である被上告人が相続により本件訴訟を承継。)が、上記の取得に対しては地方税法73条の7第2号の3の規定により不動産取得税を課することができず、本件処分は違法であると主張して、上告人(被控訴人・被告。大阪府)を相手に、その取消しを求め、原審は、共有物の分割による不動産の取得に係る持分超過部分の有無及び額は、当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格によって判断すべきところ、本件処分において評価基準により本件土地1の価格を算定するに当たり、本件各土地を一画地と認定して画地計算法を適用したこと自体は評価基準に適合するとした上で、本件処分の取消請求を認容したため、上告人が上告した事案で、本件処分において、本件各土地を一画地として画地計算法を適用して算出した価格に本件土地1と本件各土地との地積比を乗ずることにより、本件土地1の価格を算定したことは、評価基準の定める評価方法に従ったものということができ、本件処分は、本件取得につき、地方税法73条の21第2項に基づき、評価基準によって本件土地1に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を算定し、これに基づいて持分超過部分に係る課税標準及び税額を算定してされたものであるところ、本件土地1の価格について、評価基準の定める評価方法に従って決定される価格を上回る違法があるとはいえず、その客観的な交換価値としての適正な時価を上回る違法があるというべき事情もうかがわれないとし、以上と異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決を破棄し、本件処分の取消請求を棄却した第1審判決は正当であるとし、被上告人の控訴を棄却した事例。