2021.03.02
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25571255/大阪高等裁判所 令和 2年12月17日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第559号
控訴人A1(原告)が、被控訴人医院で、妊娠していた5胎の一部を減胎する手術を受けたが、その後人工妊娠中絶手術を受け、上記胎児らを1児も出産するに至らなかったことにつき、控訴人らが、本件医師が注意義務に反し手術の際に太い穿刺針を使い多数回の穿刺を行い、感染症対策を怠るなどしたことによるものであるなどと主張して、損害賠償を求めたところ、請求が棄却されたため、控訴人らが控訴した事案において、本件医師は、母体に対する侵襲への配慮を欠き、穿刺針の選択に注意を払わず、控訴人A1の腹部を穿刺した点で、母体に対する危険防止のために経験上必要とされる最善の注意を尽くす義務に違反したものとして、本件医師の上記行為は、控訴人A1に対する不法行為を構成し、被控訴人は、控訴人A1に対し、民法715条1項による使用者責任を負うとともに、診療契約上の債務不履行責任を負うとして、原判決を変更し、請求を一部認容した事例。




















