2020.08.18
準強制わいせつ被告事件
LEX/DB25566316/東京高等裁判所 令和 2年 7月13日 判決 (控訴審)/平成31年(う)第624号
非常勤の外科医として勤務する被告人は、執刀した右乳腺腫瘍摘出手術の患者A(当時31歳)が同手術後の診察を受けるものと誤信して抗拒不能の状態にあることを利用し、同人にわいせつな行為をしようと考え、病室で、ベッド上に横たわる同人に対し、その着衣をめくって左乳房を露出させた上、その左乳首を舐めるなどし、同人の抗拒不能に乗じてわいせつな行為をしたというもので、原判決が被告人に無罪を言い渡したため、検察官が控訴した事案において、Aが麻酔からの覚醒時のせん妄状態にあった可能性があるなどとし、その原審証言の信用性に疑義を差し挟む余地が広がり、これと独立した、証明力の強い、Aの原審証言の信用性を補強する証拠が必要であるとした点、本件アミラーゼ鑑定及び本件DNA定量検査について、信用性があるとしても証明力が十分であるとはいえないとした点は、論理則、経験則等に照らして不合理であり、Aの原審証言の信用性や、これを支える証拠の評価を誤ったものであって、是認することができないとし、被告人は、Aに対し、本件公訴事実のとおりのわいせつ行為をしたことが認められるのに、これが認められないとした原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認があり、破棄をし、被告人を懲役2年に処した事例。




















