2019.05.21
間接強制決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25570221/最高裁判所第三小法廷 平成31年 4月26日 決定 (許可抗告審)/平成30年(許)第13号
相手方(妻)が、抗告人(夫)に対し、両名の長男の引渡しを命ずる審判を債務名義として、間接強制の申立てをし、原決定は、抗告人に対し、長男を相手方に引き渡すよう命ずるとともに、これを履行しないときは1日につき1万円の割合による金員を相手方に支払うよう命ずる間接強制決定をしたため、抗告人が許可抗告した事案で、現時点において、長男の心身に有害な影響を及ぼすことのないように配慮しつつ長男の引渡しを実現するため合理的に必要と考えられる抗告人の行為は、具体的に想定することが困難というべきであり、本件審判を債務名義とする間接強制決定により、抗告人に対して金銭の支払を命じて心理的に圧迫することによって長男の引渡しを強制することは、過酷な執行として許されず、権利の濫用に当たるとして、原決定を破棄し、原々決定を取消し、相手方の本件申立てを却下した事例(補足意見がある)。




















