2019.05.28
虚偽診断書作成、同行使被告事件
LEX/DB25570215/京都地方裁判所 平成31年 3月19日 判決 (第一審)/平成29年(わ)第421号
被告人は、病院のセンター所長を務める医師であり、指定暴力団総長Eの診療を担当していたものであるが、Eの病状等に関する高等検察庁検察官からの平成28年1月27日付け裁判執行関係事項照会書に対し、同月29日頃から同年2月5日までの間に、同病院で、真実はEがその当時に重篤な心室性不整脈であるなどの事実はなかったのに、『当院での現在の病状については、継続して起こる心室性の不整脈であり、その出現頻度は日によって異なるが概ね7,000回から10,000回は出現していると思われ、時間帯によって多く出現する時間帯が認められ、時には2連発までの出現が確認されている。』、『E氏の心室性不整脈は…かなり重篤な状況であるといえる。』、『特に最近については強い自覚症状を訴えて時間外に受診されることもあり』、『現在の症状から、今後、心室性不整脈が頻発し、症状が重篤化することが安易に予測できる。』などと虚偽の事実を記載して同年2月5日付け同検察官宛ての回答書を作成し、もって公務所に提出すべき診断書に虚偽の記載をした上、高等検察庁に郵送し、同月8日、同検察庁執行係職員に対し、同回答書を真正な内容のものであるように装い提出して行使したもので、本件では,被告人が作成・行使した本件回答書の記載内容が虚偽であるかどうか、すなわち、被告人が、客観的真実に反する診断内容を、自己の認識又は判断に反して記載したかどうかが争われた事案において、被告人が作成した本件回答書の記載内容が、医学的・客観的にみて真実に反するというには合理的な疑いが残り、本件回答書の記載内容が虚偽であると認めることはできないとして、被告人に対し、無罪を言い渡した事例。




















