2018.09.18
退去強制令書発付処分無効確認等請求控訴事件
LEX/DB25560204/名古屋高等裁判所 平成30年 4月11日 判決 (控訴審)/平成29年(行コ)第49号
フィリピン共和国国籍を有する外国人女性である控訴人が、入国審査官から、出入国管理及び難民認定法24条4号ロ(不法残留)に該当する等の認定を受けた後、入管特別審理官から、上記認定に誤りがない旨の判定を受けたため、同法49条1項に基づき、法務大臣に対して異議の申出をしたところ、法務大臣から権限の委任を受けた入国管理局長から、上記異議の申出には理由がない旨の裁決を受け、引き続き、入管主任審査官から、退去強制令書発付処分を受けたため、本件裁決及び本件処分の無効確認を求めるとともに、法務大臣又はその権限の委任を受けた入管局長に対して在留特別許可の義務付けを求めたところ、原審が控訴人の訴えのうち、本件在特義務付けの訴えを却下し、その余の訴えに係る請求をいずれも棄却したため、控訴人が控訴した事案で、本件裁決は、控訴人とP7との間に成熟かつ安定した内縁としての夫婦関係が成立していたにもかかわらず、これを看過し、ひいては控訴人をフィリピンへ帰国させることによる控訴人やP7の受ける重大な不利益に想到することもなかった一方で、控訴人の不法残留や不法就労等をことさら重大視することによってなされたものというべきであり、その判断の基礎になる事実の認識に著しい欠落があり、また、その評価においても明白に合理性を欠くことにより、その判断が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことは明らかであるから、裁量権の範囲を逸脱又は濫用した違法なものであり、その違法性は重大かつ明白なものであるとして、原判決を取り消し、本件裁決及び本件処分の無効を確認した事例。





















